【ベンツGLC試乗】売れる要素てんこ盛り!走・攻・守そろうオールラウンダー

エンジンは、GLKの3.5リッターV6(306馬力/37.7kg-m)から2リッター4気筒ターボにダウンサイジングされました。

最高出力は95馬力低い211馬力ですが、この手のクルマは低回転域のトルクこそが大事。GLKの最大トルクは37.7kg-m/3500回転でしたが、GLCの最大トルクは35.7kg-m。しかもそれを、わずか1200回転で発生します。普通の使い方なら遜色ないはずです。その上、カタログ燃費は15%ほどアップした13.4km/L。バランスの取れたパワーソースといえるのではないでしょうか。

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GLC250 スポーツの車重は1830kg。C250セダンより230kg重いボディを動かすわけですから、同じ2リッターターボでは“馬鹿力”とはいきませんが、過不足ない動力性能を提供します。過給機が低回転から満遍なくアウトプットを底上げしてくれるので、素直にトルクが湧いてくる使いやすいエンジンです。その上、スロットルの操作によく反応してくれるので、クルマを手の内に入れたかのようはドライブフィールを得られます。

エンジンからの駆動力は、9速AT、そして、トランスファーを介して、前:後=33:67の比率で4輪へと分配されます。ジャーマンプレミアムカーらしい、後輪重視のトルク配分ですね。

足まわりには、減衰力を自動で調整する“セレクティブダンピングシステム”が備わります。路面の細かい凹凸は軽くいなし、一方、タイトカーブなどではしっかりボディを支えてくれるサスペンションです。

新しいGLCは、総合的なバランスの良さが際立っています。リアシートはGLKより広くなり、大人2人がゆったり座れるスペースが確保されます。

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ラゲッジスペースの容量は、高い車高を活かして「Cクラスワゴン」のそれを100リッターも上回る550リッター(VDA方式)を誇ります。リアシートの背もたれは、8:2:8の分割可倒式なので、必要に応じたアレンジも可能です。

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安全性に関して昔から一家言あるメルセデスですから、GLCも電子技術の応用に積極的です。全車に“レーダーセーフティパッケージ”を標準装備。フロントウインドウ内側のステレオカメラと、計6個のレーダー(前後バンパーやラジエターグリル奥に設置)がクルマの全周を監視してくれます。他車の存在や、歩行者に注意を促し、必要とあればブレーキまでかけてくれます。

フロントのLEDヘッドランプは、必要に応じて照射範囲を変化させ、ハイ/ロウビームの自動切り替えにも対応。例えば、初めての場所での夜間走行時などには、そのありがたみを実感できることでしょう。

メルセデスの新世代SUV=GLCを例えるなら、いわば走・攻・守を高いレベルでそつなくこなすオールラウンドプレイヤーですね。素晴らしいクリーンヒットを放ってくれそうです…って、うまいこといい過ぎですかね!?

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<SPECIFICATIONS>
☆250 4マチック スポーツ
ボディサイズ:L4670×W1890×H1645mm
車重:1830kg
駆動方式:4WD
エンジン:1991cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:9AT
エンジン最高出力:211馬力/5500回転
エンジン最大トルク:35.7kg-m/1200〜4000回転
価格:678万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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