マツダ「CX-5」のイチオシ“シルクベージュセレクション”は仕立てのいい室内が魅力です

■シートの生地と色合いだけでも買いの特別仕様車

デビューから3年半が経った今も、高い評価を得ている現行型CX-5。何を隠そう、筆者もオーナーのひとりであり、美しいデザインや力強い動力性能、そして、2.2リッターディーゼルターボエンジンの優れた燃費など、多くの点で満足している。

2019年末の商品改良では、ポリメタルグレーメタリックと呼ばれる新しいボディカラーが追加されたほか、4WD車のトラクション性能を高める“オフロードトラクションアシスト”を新搭載。さらにインテリアでも、手元で任意にトランスミッションを変速できる“ステアリングシフトスイッチ”の採用や、コネクティビティシステム“マツダコネクト”のモニター大型化などが図られた。

それと同時に、最新モデルでは選択肢を拡充。中でも注目すべきは、新グレード・シルクベージュセレクションの追加だ。これは、2リッターのガソリン車(FF:296万4500円)、2.5リッターのガソリン車(4WD:319万5500円)、2.2リッターのディーゼルターボ車(FF:328万3500円/4WD:351万4500円)に設定される特別仕様車で、セーフティデバイスや快適装備の類は、基本的にCX-5の中級グレード「プロアクティブ」に準じる。

シルクベージュセレクションの見どころは、なんといってもシート生地のマテリアルだ。シートの座面と背もたれのそれぞれ中心部に、“グランリュクス”と呼ばれるスエード調の生地を採用。その周囲やサイド部には、上質な見た目の合成レザーをあしらう。

グランリュクスには、滑りにくく通気性に優れるという機能的なメリットがあるが、それよりも魅力的なのは、繊細でソフトな肌触り。これにより現行のCX-5は、クロス、レザー、ナッパレザー、グランリュクス&合成レザーという、4タイプのシート表皮を選べることになった

さらに、シルクベージュセレクションで魅力的なのがインテリアカラー。グレード名のとおり、ベージュを基調とした明るい配色により、室内が明るく、ルーミーに感じられるから、乗っていてとても開放的だ。

このほかシルクベージュセレクションは、ベースとなったプロアクティブに対し、LED室内照明(マップランプ/ルームランプ/ラゲッジルームランプ)、前席用LEDフットランプ&イルミネーション、赤外線をカットするIRカットガラス、LEDフロントフォグランプなども追加装備。もし今、筆者がCX-5を購入するのであれば、シートの素材とカラーリング、そして買い得感の高さで、迷わずシルクベージュセレクションを選ぶと思う。

■エンジンやはりディーゼルターボがイチオシ

今回、そんなシルクベージュセレクションをドライブしてみて、現行CX-5の魅力を再確認した。

試乗車は走行距離が少なく、時折、サスペンションの動きが渋く感じることもあったが、それでも、街乗りから高速道路でのクルージングまで、快適なドライブを楽しめた。特に、先の改良でルーフ回りの吸音性が向上。雨の日のドライブでは雨粒がルーフをたたく音が小さくなったほか、晴天時も、走行中に耳に届くノイズ類が小さくなったように感じられた。

さらに、改めて「いいなぁ」と感じたのは、試乗車に搭載される2.2リッターのディーゼルターボエンジン。CX-5のディーゼルターボは、2018年春の商品改良で最高出力が175馬力から190馬力へ、最大トルクは42.8kgf-mから45.9kgf-mへと向上しているが、そのパンチ力は依然として強烈だ。ドライバーのアクセル操作に対して元気よく反応し、その上、高回転域での回転フィールも爽快。また、エンジンの滑らかさと静かさもディーゼルとは思えないほどで、回転フィールに荒々しさはなく、ディーゼル特有のノイズもしっかり抑えられている。

その上シルクベージュセレクションには、明るく開放的な色合いと肌触りのいいシートによる上質なインテリアも加わるから、ドライブ中は終始ストレスフリー。現行CX-5の新たな選択肢として、きっと人気グレードとなるはずだ。

<SPECIFICATIONS>
☆XD シルクベージュセレクション(AWD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1690kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:190馬力/4500回転
最大トルク:45.9kgf-m/2000回転
価格:351万4500円


[関連記事]
従来型オーナーは泣くかも!?マツダ「CX-5」“4度目の改良”も内容充実です

オーナーさえ知らなかった新事実!マツダのSUVはオフロードにも強いんです

夢のエンジンは技術者の挑戦の結晶!「マツダ3」の“真打ち”が見せた本当の実力


文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする