[Gear Maniax #186] ペリカンの水中ライトは日常でも使える汎用性アリ

単三電池を4本使った伝統のスタイル。レバー式の機械式スイッチも健在。光源がLEDに変わって久しいですが、操作方法からスタイルまで変わらないあたりがアメリカンです。完成されたシステムを変える必要はない! というゆるぎない意思を感じます。

この「NEMO 2410」の特徴の1つがヘッドカバーの蓄光です。蓄光ボディといえばペリカン。全身蓄光素材で作られた夜光虫こと「3310」が有名ですが、こちらの「2410」のヘッドもイカしてます。しばらく点灯させた後に消灯すると、淡く緑色に光ります。その蓄光性能は素晴らしく、工具箱に入れても周囲を照らすほど光を蓄積できるのです。

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搭載LEDはCREE XP-G系と思われます。やや深めのスムースリフレクターを搭載し、集光系の配光が想像できます。風防レンズは耐衝撃性に優れたポリカーボネート。透過性重視よりも耐久性を重視した選択がとられています。

電池の装填はヘッドを外して行います。ヘッドの内部は着脱可能なLEDユニットと、電池の通電、保持の役目を果たすパーツによって構成されます。電池交換に関しては少々面倒な部分もありますが、パーツの交換などメンテナンス面に関してはむしろ合理的な選択ともいえます。ダイビングライトという頻繁な電池交換を必要としない用途であれば、この仕様もさほど問題ではないのかもしれません。

伝統のレバースイッチ。水中でのスイッチ操作は可能な限り簡単なものが望まれます。レバーを軽く倒すだけで点灯し、反対側に戻すと消灯します。調光機能はなく、シングルアウトプット。レバーは完全に倒さなくても点灯します。このファジーさが機械式スイッチの良いところ。過度な電流が流れる訳ではないのでスイッチの焼き付きなど機械式の弱点を心配する必要はないかもしれません。むしろ、確実に動作し使えればいいのです。懐中電灯とは本来そういうものであるということを思い出させてくれます。

一応水中ライトなのでそれっぽい実験。水に浸した状態でON/OFFを繰り返したり、点灯させた状態で一時間ほど放置するなどを行いました。当たり前ですが、全く問題ありませんでした。消灯時の蓄光ヘッドから放たれる光が水を染めて綺麗です。それが一番感動したかも(笑)。

配光は非常に集光されたスポット光。周辺光も広く地上でも見やすいものでした。水中ではおそらく周辺光よりも中心光の鋭さが生かされるでしょう。地上に比べ水中では浮遊物が多く、地上のように光は届きません。水中撮影などに使わないのであれば、水中での行動用、探索用ライトは集光性の高いライトが好まれます。

非常に素直で汎用性の高そうなライトです。明るさは180ルーメン程度ですが、単三電池4本で使用するには現実的かつ充分に明るいものです。また、地上でも使えそうな明るさというのも良いですね。高い防水性能は台風などの豪雨時にも効果を発揮することでしょう。

このペリカン「NEMO 2410」は、純粋な水中ライトとしても使用可能ですが、ダイバーがダイビングを終えて船に上がってからの作業や片付けなどを行う時にも使えます。何千、何万ルーメンと照射可能な水中ライトは地上では使うことができません。こういった超ハイルーメンの水中ライトは水中で「水冷」状態で使われることを前提に作られているからです。

水中ライトというと「撮影用ライト」がメインのように思えますが、このライトのように汎用性ある使い方を目的としたライトも存在し、とても重宝されています。入手しやすい電池。充分に明るく、ランタイムも長く、軽量で丈夫。水中ライトとしてはもちろん、マリンレジャーから日常まで幅広く使える1本だと感じました。(アカリセンター価格:1万1211円)

 

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文・写真/HATTA

HATTAと申します。通販サイト・アカリセンターで取り扱っている世界中の懐中電灯やギア物を紹介しています。ブログも絶賛更新中!
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