スノボにIoT!転ぶ理由もデータ化で分かる「SNOW-1」

CEREVOの「SNOW-1」69,800円(S〜Lサイズ)

Cerevoの「SNOW-1」6万9800円(S〜Lサイズ)

 

筆者は20〜30代の頃にスノーボードにハマって年に何回も雪山に行っていたので、2015年のCESで見たときから、一度「SNOW-1」に乗ってみたいと思っていた。そして先日「SNOW-1」を実際に試すことができるプレス体験会が開催されたので、「SNOW-1」を試すべくスキー場に向かった。

「SNOW-1」の取り付けは非常に簡単だ。一般的なバインディングと同じく、プラスドライバーが1本あればできる。唯一違うのは、取り付ける前に事前に曲げセンサーを接続しておくこと。バインディングをボードに取り付けたあとの脱着には、少々コツがいるのでオススメできない。

バインディングの固定が終わったら、ボードの前後に曲げセンサーを両面テープで貼り付ける。慣れると2つで30分も掛からず取り付けられるため、レンタルのボードなどでも使えるが、そもそもレンタルボードに付いているバインディングを外していいかは、レンタル業者に確認しておいた方がいいだろう。

なお、DMMが行っている「DMMいろいろレンタル」でも「SNOW-1」を5日間5000円からレンタルすることができる。試してみたいという方は、こちらでレンタルしていくという手もあるだろう。

http://www.dmm.com/rental/iroiro/-/detail/=/cid=nr_02097a/

 

DMMいろいろレンタル http://www.dmm.com/rental/iroiro/-/detail/=/cid=nr_02097a/

DMMいろいろレンタル

ボードへの取り付けが終わったら、ゲレンデでペアリングとキャリブレーション作業を行う。まずは、iPhoneにインストールした専用アプリと「SNOW-1」をBluetoothでペアリングし、キャリブレーションはボードに乗った状態で行う。ボードにできるだけフラットな状態で乗り、標準状態の荷重バランスを登録する。これはiPhoneを操作しながら、ボードに載って体重移動を行うため、ひとりだと若干やりにくい。パートナーに支えてもらいながら一緒にやるといいだろう。

キャリブレーション作業が終わったら準備は完了。早速、滑りを記録しよう。アプリのセンサー画面にある「REC」ボタンを押して、早速、スノーボードで雪山の滑走をスタートする。

 

電源ボタンが光る「SONW-1」。バッテリーは約7時間持つという。

電源ボタンが光る「SONW-1」。バッテリーは約7時間持つという

 

スノーボードを滑るのが、約10年ぶりということもあってまずは傾斜の緩やかな初級バーンでゆっくりと滑るところからはじめた。面白いもので、夢中になってやったことは身体が覚えているのか、1本目は転ぶことなく滑り降りることができた。

コース下まで滑り下りたら、ボードからブーツを外して停止。アプリをチェックしてみよう。まず「REC」を止め、メニューの「History」をタップして、走行記録をリスト表示する。リストに「Movie」と記載されている走行データは後述のVideoモードで記録したデータだ。

今滑ったデータを開き、「再生」ボタンをタップするとボード上での荷重移動がアプリの画面上で再生される。滑り初めは左足前に加重があり、それがカーブする度に、つま先側、かかと側、右足、そして再び左足へと移動を繰り返す。安定して滑れている時は加重の移動がスムーズだが、加重の移動が不安定になると滑りが荒れているようだ。

 

画面上には左右の足の荷重状態、体重全体の位置、トータルの走行距離、時速、ボードのたわみなどが表示される。

画面上には左右の足の荷重状態、体重全体の位置、トータルの走行距離、時速、ボードのたわみなどが表示される

 

「SNOW-1」を使って楽しいと思ったのが、Videoモードだ。これはペアリングしたiPhoneをパートナーに持ってもらい、並行して滑走してもらいながら、動画に撮ることができるモード。単にビデオに撮るだけなら、スマホだけでもできるが、「SNOW-1」を利用することで、荷重状況やスピードとビデオを一緒に記録することができるのだ。

このモードを使えば、自分のフォームと荷重状態が動画で記録でわかるため、滑りの良くないところやスピードが落ちた理由、ひいては転倒した理由までが一目瞭然なのだ。ビデオ撮影が可能な上手な人と一緒に滑る機会があったら是非利用してみたい。

 

荷重状態とともにフォームもビデオに記録できる「Video」モード。上級者とゲレンデに行ったら是非撮ってもらいたい。

荷重状態とともにフォームもビデオに記録できる「Video」モード。上級者とゲレンデに行ったら是非撮ってもらいたい

 

普段のスノーボードでは、コースを滑った後は、再びリフトに乗ってゆっくりと山頂を目指す。このリフトに乗っている間は身体を休めたり、雑談をしたりといった感じだ。しかし、「SNOW-1」を取り付けていると、この時間が変わる。ここでスマートフォンを取り出し、直前の滑りの状態をチェックするのだ。荷重の移動やスピード、Videoモードで記録した場合はフォームなどをチェックすることで、次の一本でより良い滑りができるようになる。上級者と一緒に滑っているときなどはここでアドバイスを受けることもできそうだ。

2本、3本と滑り、だんだん調子を取り戻してきた筆者。スピードもアップし、板を滑らせる感覚もかなり取り戻してきた。そんな勘違いをしたときが、一番危ないもの。そのときは突然訪れた、ゆっくり滑る初心者を避けて減速したその瞬間。谷側のエッジが引っかかり見事に転倒。そして「SNOW-1」はその様子もしっかりと記録していた。こうしてこけた理由がわかると、次から気をつけられるようになるだろう。

 

人を避けたあと、明らかに不自然な荷重が後ろ足に乗った瞬間……

人を避けたあと、明らかに不自然な荷重が後ろ足に乗った瞬間……

見事に転倒。わかりやすすぎるコケ方だった。

見事に転倒。わかりやすすぎるコケ方だった

 

これまでスノーボードを楽しんできた中で、スキルをアップするためには、教本を読んだり、プロのビデオを見るなどの方法があった。しかし、そこで記されている正しい滑りと、自分の滑りの違いがいまいち繋がらず、どこを改善すべきかがわかりにくかった。しかし、「SNOW-1」を利用すれば、荷重状態とフォームなどが可視化でき、客観的にチェックできるのだ。

さらに筆者が体験したあとも「SNOW-1」は進化。新たに曲げセンサーが中央にひとつ追加され、ボード中央の曲げ度合いを計測できるようになった他、アプリではジャンプ回数、エアータイムの計測機能も追加。より、スノーボードが楽しくなる機能がアップデートされている。

スノーボードで楽しく滑るためにも、スノーボードのコントロールスキルを研くことが大切だ。「SNOW-1」があればこれまで、感覚に頼っていた数多くの要素が可視化できるようになる。それは、また新しいスノーボードの楽しみ方に繋がりそうだ。

 

(取材・文/コヤマタカヒロ

こやまたかひろ/エディター、ライター

こやまたかひろ/エディター、ライター

PCやタブレット、スマートフォンなどのデジタルギアからオーブンレンジ、炊飯器、ロボット掃除機などの白物家電までカバー。実際に製品を使い、その体験を活かした原稿を手掛ける。スペックからは見えない使い勝手などを解説する。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする

関連するキーワード