[Gear Maniax #200] 道具箱に放り込んでも傷つかない樹脂製のゲンバ系ライト

オレンジ・イエローは蛍光ボディ。蛍光とは、主に紫外線に反応して発光する機能で、一般的な反射光よりも強い光を放つため、所在がわかりやすくなります。消防系では特によく求められる機能ですね。また、一般的な白色LEDは強い青色成分を含んでいるのですが(いわゆるブルーライト)、この青にもよく反応しますので、暗所では特に探しやすくなっています。

ボディは寸胴ですが、しっかりと施された滑り止めがよく機能するのでグリップ性は良好。特にグローブをした場合のグリッピングは優れています。

フォールディング式の吊りフックと、上下逆に付け替えることができて、かつ双方向タイプのクリップにより、柔軟に装備方法を選べます。スイッチは斜めではなく一般的な上部に装備するタイプ。点灯中、常にバッテリー残量を教えてくれるのもレスキューっぽい感じでGOODです。

上部のカラビナ型のフックは、バネのテンションによる摩擦で角度がある程度固定できるので、例えばエスビナーなどを使ってぶら下げた状態で、照射角度をある程度上下に動かせます。これが地味に便利です。

サイズアップしているボディに合わせて、レンズの有効開口径もひと回り大きくなっています。LEDは同一のようなので、どの程度集光性に差が出るか気になるところですね。ベゼル外形は33mmほどあり、残念ながら拡散玉などの流用ができません。

HIGH : 500ルーメン。爆光って感じではありませんが、一般的にこれくらいあれば十分ではないでしょうか。500ルーメンの割には集光性が高く、1000ルーメンの「PROTAC 90X USB」と同等の中心照度になります。その一方で周辺光の広さは同程度なのでその分「薄い」光になるため、よりメリハリの強い配光になっています。

LOW : 85ルーメン。ほとんどの作業はこの明るさで「余裕をもって」こなせます。足場が悪い場所での歩行などにも十分。配光が集光性高めなので、手元用には少し拡散させたい感じもしますが、その分、数十メートルの中距離レンジでの使用感は優秀です。数メートル先の地面をてらした状態で、靴の先が見える配光の広さもあって、手に持ったり胸部に装着した場合の使い勝手の良さは素晴らしいものがあります。

初期付属のSL-B26を使用した場合、短くみても3時間以上は300ルーメン程度を維持してくれます。またLOWも12時間程度は光量低下を感じることなく使用可能。どちらも反復業務に適度なセッティング。日没以降から寝るまで、LOWをメインに使用するのであれば2泊程度は対応できます。また3時間前後のHIGHモードは、夜間のミッションとしては妥当な持続時間。家族や友人や、職場のパートナーに貸しても、何千ルーメンもあるTURBOで電気容量を浪費することもありません。安定して使い倒せる性能はとても重要だと思います。

軽量な樹脂ボディ、足元~中距離に優れたTIR、STREAMLIGHTの信頼性。明るさは控えめですが、それを捨てることによりバランスの良さを手にしています。道具箱に放り込んで傷も気にせずガンガン使えるライト。レスキューなどプロの現場に応える仕様。樹脂のライトを検討中の方は、ぜひこの「POLYTAC 90X USB」をお試しください。(アカリセンター価格:各色1万1406円)

<文・写真/アカリセンター

 

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