[Gear Maniax #009] ミニマムサイズの本体を外せるヘッドライト

付属品として専用のソフトケースが付きます。ヘッドライトを入れるのに使う必要があるのか分かりませんが、予備の電池を入れるくらいのことには使えそうです。可愛らしいケースで良いですよ。

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ライト本体をヘッドバンドに固定するマウントベースはシリコンゴム製。柔らかく、耐熱性に優れた素材です。ライト本体が大きいと少し弱い感じもしますが「H1 NOVA」ぐらい小さいとまったく問題なさそうです。

マウントベースからライトだけを外すとこのようになります。

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▲全長×ボディ径×ヘッド径:58.5mm×21mm×21mm

成人男性の小指の平均長よりも短いボディ。本当に小さいです。ライトは「小さいが正義」と思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、私は必ずしもそうではないと思います。重要な操作性を犠牲にしたサイズダウンは改悪以外の何者でもありません。しかし、この「H1 NOVA」はL字型?のカタチになので、これだけ小さくても操作性に不満を感じません。

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スイッチは頭頂部にあり、ボディよりも少しだけ窪んだ位置にスイッチカバーがあります。スイッチの周りにはわずかながらブルーにPVDコーティングされたリングベゼルが。これはレンズ部分にもあり、耐衝撃性を向上させるほか、審美性にも優れたパーツです。スイッチカバーがボディに対してツライチではないので、物理的に誤点灯し難くなっています。スイッチの押下感自体はソフトですが、押し切った時の「押した感」が残る良好なもの。機械式のようなカチっとしたモノではありませんが個人的には好感触です。

そしてもうひとつ気になったのがレンズの形状。表面は小さなハニカム状の格子の凹凸が付いたものですが、注目すべきはそこではなく、レンズ自体が凹んでいるところです。すり鉢状に内側にへこんでおり、レンズ中心部は逆に少し凸っております。コリメータレンズらしい形ではありますが、これで上手いこと拡散するのだろうか? と思えるものでした。単純に拡散光を得たのであればフロストレンズ(すりガラス)を使います。しかし、フロストレンズは透過性を意図的に落としたものなので、トーチルーメンは確実に落ちます。そして照射距離も極端に短くなります。ヘッドライトであれば「それでよし」とする意見もありますが、屋外で使ってみると「もうちょっと先を照らして欲しい」という不満が出てきます。その「もうちょっと」を解決してくれるのがこの独特なレンズではないかと思います。

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使用電池はCR123リチウム乾電池または16340形リチウムイオン充電池。電池の極性ですが、プラスがテール側を向きます。逆にしても点灯しません。電池を久しぶりに入れたときに間違い易いことなのでご注意ください。逆にしたからといって壊れることはありません。

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クリップが付属するので、ポケットに挿したりヘッドバンドを首に掛けたりできます。

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テールキャップの内側にはマグネットが付いており、鉄製のラックなどにくっつけられます。まぁ好き嫌いがはっきりと分かれるヤツなんですよね、マグネット。このライトではありませんが、同様の物で雪の日にタイヤにチェーンを巻きつけるのに役立ったことがあるので、これはこれで良いかなと思います。

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最大のセールスポイントであるこの配光。足元を照らしても中心光はなく、均一に広範囲を照らせます。まったくといっていいほどムラのない美しい配光です。それでいて光に「弱さ」を感じません。Lowモード15ルーメンであっても本当に手元しか照らせない…といったものではなく、充分に「前を照らして歩ける」くらいの明るさがあります。

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▲TURBO 500ルーメン

非常にワイドな配光です。頭に付けていると、感覚的には「死角なし」です。非常にナチュラルな視野が手に入ります。ライトを付けているのを忘れるくらい…はオーバーな表現と思うかも知れませんが、それくらい使いやすい視野が得られます。

ただしミニマムなサイズなので、ターボモードでは数分しか使えません。このライトには熱をモニターして自動で減光する機能があります。なので、冷ましてから使えば再びターボモードが使用可能です。仮にターボを使わなくても、Hiモード180ルーメンでストレスなく使えるのは非常に優秀ではないかと。使用電池がCR123サイズの電池になるので、乾電池を使用するといささかコストが掛かります。しかし、充電池も使えるので、用途や頻度に応じて電池を使い分ければいいのではないかと思います。

ちなみに基本調光は3段階になります。この三段階の他に、ターボと微光の2モードがあります。スイッチをダブルクリックするとターボモードに。消灯していても、点灯していてもターボにすぐに入ります。微光モードは、消灯時にスイッチを長押しするとなります。ただし、微光に入力されてからもスイッチを押し続けるとロックアウトし、スイッチを押しても微光での間欠点灯しかしなくなります。ロックアウトを解除するには再びスイッチを長押しすればOKです。逆にロックアウトした状態であれば間欠点灯ができるので、仲間や相手にシグナルをマニュアルで送ることができます。LEDはルーメンが低くても輝度(眩しさ)が高い光源なので、少し離れたところからでも正面であれば点滅しているのが確認できます。

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小さい、明るい、広角照射! ヘッドライトに求められる多くの要望を満たしたモデルです。小型なので長時間の点灯ができないのは致し方ありません。ランタイムを重視するのであれば18650形充電池が使用できるものをオススメします。例えばNITECORE「HC30」や「HC60」といったモデルです。

しかし、スポーツやアクティビティでは小型で軽量であることが大きな武器になります。そして「H1 NOVA」はトレッキングやランで最適な配光をユーザーに提供してくれます。ランタイムに関しては予備電池があれば事足ります。寒くて外に出るのが億劫な季節ですが、寒さに強いリチウム乾電池であれば雪山などでも使うことができるでしょう。この冬オススメの小型ヘッドライトです。

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(文・写真/アカリセンター・HATTA)

通販サイト・アカリセンターで懐中電灯の専門販売員をしておりますHATTAと申します。世界中の懐中電灯やギア物をお客様に紹介しております。ブログも絶賛更新中!
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