【マツダCX-5公道試乗】走りの上質さは国産SUVでNo.1!新型はガソリン車もイケる

2012年に発売された初代CX-5は、現在へと続くマツダの新世代技術群“スカイアクティブ テクノロジー”を採用した初のモデルでした。そして、尿素SCRシステムなどを使用することなく、排出ガス規制をクリアしたクリーンディーゼルエンジンの搭載車として、マツダの人気を大きく後押しした立役者でもありました。

そんな人気モデルだけに、失敗の許されないモデルチェンジであったはずですが、試乗前の説明会に登壇した開発スタッフの晴れやかな表情からは、自信のほどが伺えました。

マツダ CX-5

早速、試乗レポをお届けしたいところですが、新型CX-5はグレードやエンジンによって駆動方式なども異なりますので、その組み合わせについて、あらかじめ整理しておきましょう。

・2リッター“スカイアクティブG”(ガソリンエンジン)搭載車
20S(FF)
20Sプロアクティブ(FF)

・2.5リッター“スカイアクティブG”(ガソリンエンジン)搭載車
25S(4WD)
25Sプロアクティブ(4WD)
25S Lパッケージ(FF/4WD)

・2.2リッター“スカイアクティブD”(ディーゼルエンジン)搭載車
XD(FF/4WD)
XDプロアクティブ(FF/4WD)
XD Lパッケージ(FF/4WD)

というのが、新型CX-5のラインナップとなっています。

駆動方式に関しては、2リッターガソリン車がFFのみの設定となるのに対して、2.5リッターのガソリン車は4WDを中心とした展開。そして、人気のディーゼルエンジン車は、いずれのグレードもFFと4WDのセレクトが可能となっています。

新型CX-5は全長4545mm、全幅1840mmというボディサイズから想像されるとおり、十分な室内スペースを備えるサルーンとしても使えます。降雪のない地域でユーティリティ重視という人にとっては、2リッターモデルは最適な存在でしょう。そして何より、246万2400円〜という価格設定は、実に魅力的といえるのではないでしょうか。

一方、2.5リッターのガソリン車と2.2リッターのディーゼル車は、4WD中心のラインナップ。というコトからも、SUVらしさを追求したモデルということがうかがえます。しかし、ディーゼルのベースグレードであるXDのFFモデルは、277万5600円という、こちらもかなり買い得な設定となっています。

分類ついでに、搭載されるエンジンについても、それぞれの最高出力と最大トルクをチェックしておくと、

・2リッターガソリン=155馬力/6000回転、20.0kg-m/4000回転
・2.5リッターガソリン(FF)=190馬力/6000回転、25.6kg-m/3250回転
☆2.5リッターガソリン(4WD)=184馬力/6000回転、25.0kg-m/4000回転
☆2.2リッターディーゼル=175馬力/4500回転、42.8kg-m/2000回転

という設定になっています(☆は今回ドライブした仕様)。

最初にキーを受け取ったのは、ガソリンエンジン車の最上級グレードである、25S Lパッケージの4WD車。

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

走り始めてすぐに感じたのは「クリーンディーゼルが人気だけど、ガソリンもなかなかイイんじゃない?」ということでした。

マツダ自慢の“G-ベクタリングコントロール”ほか、最新の電子デバイスや安全装備などについては、これまでのレポートを参照いただくとして「ディーゼル一択!!」という前評判とは裏腹に、十分に魅力的なモデルだと感じるシーンが少なからずありました。

もちろん、CX-5といえば、販売比率の6割以上がディーゼル仕様。強大なトルクを生かした加速やクルージングはCX-5の大いなる魅力とは思いますが、2.5リッターガソリンが圧倒的に不利かといえば、そんなこともないようです。

機械抵抗の大幅な低減を図ったという2.5リッターエンジンは、4気筒ながら程良くトルクフルで、これまた程良くスムーズな回転フィール。空いた市街地や首都高速など、40km/hから80km/h程度の加減速が続くようなシーンでは、1590kgという車重を感じさせないキビキビとした走りを味わえます。歌うような音質、絹のように滑らか、といったタイプではありませんが、ミドルクラスのSUVにふさわしい静粛性と、十分に胸のすく加速を実現できていると思いました。

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

一方、横浜・山手エリアのように細かいアップダウンが続くような地形では、頻繁にシフトチェンジが繰り返されるため、この変速動作がわずらわしいと感じる人もいるかもしれません。ただし、音質や音圧の変化は少なく、同乗者が不快と感じることはないでしょう。

こうして、2.5リッターガソリン車でも十分満足できた筆者でしたが、続いてキーを受け取った2.2リッターディーゼル搭載のXDプロアクティブでは、その完成度の高さに驚かされました!

マツダ CX-5 XDプロアクティブ

パワー、トルクともクラスをリードするスペックですが、加えて、アクセル操作に対するクルマの反応をよりダイレクトにする“DE精密過給制御”や、ディーゼルのノック音を低減する数々のワザあり技術を採用しており、静粛性はガソリン車ともはや同等。

マツダ CX-5 XDプロアクティブ

むしろ、街中では十分すぎるトルクの恩恵で大きくアクセルペダルを踏み込む機会が少ない分、ゆるゆると周囲の流れに乗る分には「大型サルーンもかくや」という静かさです。

マツダ CX-5 XDプロアクティブ

特に、室内の静粛性についてはかなりの注意を払ったというだけあって、クラスの水準を大きくしのぐといっても過言ではないほど。これでまマツダ車は、ドライバーの“走る歓び”を追求してきましたが、新世代のCX-5では、クルマに乗る“すべての人の歓び”を追求した、とのこと。室内の静粛性の高さはその象徴であり、マツダのクルマづくりが新たなフェーズに入ったことを現している部分でもあるのです。

マツダ CX-5 XDプロアクティブ

具体的には、パーツ形状の最適化によって振動を抑えること、また、細かく振動をコントロールすることで、荒れた路面でのロードノイズを低減。また、タイヤ騒音や風騒音の低減に加えて、室内に侵入してくる音の反射を抑えるなど、徹底した騒音対策が施されています。

実際、リアシートに乗って街中を走ってみても、ドライバーの声はしっかり聞こえますが、クルマからの騒音はほぼ気になりません。確かに「エンジンが回っているな」「走っているな」といった音は聞こえてきますが、ワゴンボディにありがちな、ラゲッジスペースなど車両後部からの雑音が聞こえることはなく、実に快適なクルージングを楽しめました。

また、快適性全般については、やはりスムーズな車両挙動を実現するG-ベクタリングコントロールが効果を発揮しているな、と感じることが度々ありました。

背の高いSUVでは、交差点での右左折や高速道路の導入路などでステアリングを切り増したり戻したりする時、その挙動が想像と合わず、思わず体や頭がグラッと揺れることがあります。新型CX-5ではこういうシチュエーションに遭遇しても、予想外の“グラッ”につながるケースがなく、極めて自然にカーブを抜けていきます。こうした進化は、ドライバーはもちろん、助手席やリアシートに座る同乗者とってもありがたいのではないかと思います。

さらに、新型の魅力として挙げておきたいのは、室内のクオリティや質感が大きく向上したことでしょう。

たっぷりとしたサイズのシートは、マツダらしい、しっとりとした座り心地。ドアやインパネまわりに施されたステッチは、高級感を演出します。

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

さらに、水平基調のインパネデザインは、カジュアルだった先代のそれとは打って変わって、オトナも納得できる落ち着いた雰囲気。また、シフトレバー周辺や五角形のエアコン吹き出し口の造形など、ディテールの装飾や質感も上々で“いいモノ感”はクラスの水準を大きくしのぐ出来栄えといえるでしょう。

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

走りはもちろん、快適性や質感もひとクラス引き上げられた感のある新型CX-5。その内容を考えれば、かなりリーズナブルなプライスも大いなる魅力です。一方、ここまで上質な仕上がりなら「デミオ テーラードブラウン」や「CX-3 ノーブルブラウン」のように、ちょっと艶やかでゴージャスなプレミアムグレードが用意させてもいいのに、なんて思ってしまうのは贅沢でしょうか。こんな風に、さらなる進化や追加グレードを望みたくなってしまうくらい、新型CX-5はプレミアム感満点でした。

マツダ CX-5 25S Lパッケージ

<SPECIFICATIONS>
☆25S Lパッケージ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1590kg
駆動方式:4WD
エンジン:2488cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:184馬力/6000回転
最大トルク:25.0kg-m/4000回転
価格:321万3000円

<SPECIFICATIONS>
☆XDプロアクティブ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1660kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:175馬力/4500回転
最大トルク:42.8kg-m/2000回転
価格:322万9200円

(文&写真/村田尚之)


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