BEAMSの名物ディレクターが絶賛する山形県酒田市の「飾り菓子」【フーテンの寅みやげ】

●東西南北、日本全国を仕事で飛び回るBEAMS JAPANの名物ディレクター・鈴木修司さん。尊敬する人物は『男はつらいよ』の車寅次郎。寅さんのように年の1/3は旅の空という鈴木さんが、旅先で見つけた銘品を「フーテンの寅みやげ」としてご紹介します。

 

ビームスジャパンの鈴木修司です。2月初旬、日本海側の東北を巡る旅に出かけてきました。慣れない雪の中での移動が多く、大雪も心配だったのですが、大きなトラブルもなく無事に帰宅。それどころか、かなり収穫の多い大満足の旅となりました。

 

名居酒屋『久村の酒場』

というわけで、新潟からクルマで山形県の酒田市へ。最上川と日本海が交わる港町。上方と江戸、北海道を往復する北前船の中継地として栄えました。後述しますが、ここでしか手に入らない逸品があるのです。

慣れない雪道のドライブのため4時間もかかってしまい、市内に着いた頃にはすっかり真っ暗。凍てついた道を早歩きして向かったのは地元の名居酒屋『久村の酒場』。ここは私が敬愛する居酒屋探訪家・太田和彦さんの名著『日本居酒屋遺産』にも掲載されている名店。実は数年前、酒田市に寄った際、臨時休業と重なっていて断念せざるを得なかったので、どうしても再訪したかったのです。

 

『久村の酒場』の定番メニュー「あげ・げそセット」

暖簾をくぐると、やはり素晴らしい店でした。吹き荒ぶ寒風の中を歩いて冷え切った体に、庄内地方の郷土料理と地酒が染み渡ります。お酒もお喋りも深くなって、想い出に残る一夜に。ちなみに、一升瓶ごと温める熱燗には驚かされました。素朴で豪快、もし行くことがあればぜひ飲んでみてください。オススメです!

 

往時の反映を偲ばせる、巨大な米蔵が連なる「山居倉庫」

翌朝は酒田の街を散策。江戸時代に北前船の寄港地として繁栄した酒田には、京都から伝わった魅力的な産品がたくさんあるのですが、その一つが、1832(天保3)年創業の老舗和菓子店『小松屋』が作る「飾り菓子」。観賞用の美しい和菓子で、残念ながら食べることはできません。

 

酒田の名産品「飾り菓子」

飾り菓子は、緻密な木型からかたどったお菓子に丁寧に彩色を施した、思わず惚れ惚れする精巧な逸品。その飾り菓子を代々作り続けているのが『小松屋』さん。聞けば180年ほど続いた飾り菓子の歴史は一時、途絶えたそうですが、5年前に復活。まさに全国を見渡しても希少な逸品と言えます。

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