懐かしいのに新しい。「instax mini Evo Cinema」は“手に取りたくなるチェキ”

■豊富なアタッチメントでさらに楽しみが広がる

最初に手にしたときは正直、少し持ちにくそうだと感じました。独特の形状ゆえに、一般的なカメラのようにしっくりくるグリップ感とは少し違います。ただ、実際に使ってみると、最初の印象からはやや変化が。

シャッターボタンの位置は思ったよりも使いやすく、撮影中の取り回しは意外と悪くありません。

さらに、付属のグリップアタッチメントを付けると、持ちやすさが向上。自立しなくなってしまうのはちょっと残念ですが、小指の余りが解消され、長時間持っていても安定して撮影できます。

さらに、取り外し可能なファインダーアタッチメントも、このカメラらしいギミックのひとつだと感じました。実用性だけで言えば絶対に必要というほどではないですが、ファインダーを覗いて撮影するという行為そのものが楽しい。こうした“絶対に必要なわけではないけれど、ちょっと気分が上がる”ような仕掛けが、「instax mini Evo Cinema」の魅力を引き上げていると思います。

 

■操作性は完璧じゃない。でも、それを含めて“撮影体験”として楽しい

液晶画面は小さめで、画質もほどほど。高精細というほどでありませんが、そういったラフさもチェキの雰囲気にはむしろ合っているのかもしれません。

操作性についても、現代のカメラの快適さをそのまま期待すると少し違う部分があり、手放しで褒められるほど洗練されているわけではない、というのが正直な感想です。

ただ、このカメラはそもそもそこを競う存在ではないのだと思います。「instax mini Evo Cinema」の面白さは、操作のスピードや液晶の見やすさよりも、チェキプリントを通して写真というものをひとつの“体験”として楽しませようとしているところにあるのではないでしょうか。

たとえば回転式のプリントレバーは、そのひとつ。ただボタンを押すだけではなく、レバーを回してプリントする。そのひと手間が、写真をプリントする行為そのものを少し特別なものにしてくれます。

液晶からプリントが出てくるように見える演出も、そういった面白さに一役買っています。こういう仕掛けがあることで、ワクワク感が増します。“撮影すること”を楽しませる工夫が随所に感じられるカメラだと思いました。

 

■スペックではなく“触って気分が上がる”カメラだった

外装の素材感だけを見れば、金属の塊のような高級機とは違います。プラスチックっぽさがあったりと、細かく見れば割り切りも感じます。ただ、それでも見た目の質感は十分に高く、実際に手にしていて安っぽさはありません。むしろ全体としてのまとめ方が上手く、デザインの目新しさなどで所有欲もきちんと満たしてくれるカメラだと思いました。

「instax mini Evo Cinema」は、スペックを細かく語るよりも、まず触ってみてほしいタイプのカメラです。見た目に惹かれ、ダイヤルやレバーを触ってみたくなり、実際に使うとまた少し好きになる。そんなふうに、道具としての魅力をしっかり持っている。後編では、このカメラで実際に撮って、プリントして、遊んでみたときの面白さをもう少し深く見ていきたいと思います。

>> 富士フイルム「instax mini Evo Cinema」

>> 趣味カメラの世界

<取材・文・写真/田中利幸 モデル/Maho(@mahomemotion)>

 

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