雲丹のような味わい!? 秘境・平家の郷で800年受け継がれる伝統食「山うにとうふ」とは

◾️山深い土地で、冬のたんぱく源として生み出された「豆腐の味噌漬」

 

▲家庭の味として受け継がれてきた「豆腐の味噌漬」は、地域の人たちの貴重なたんぱく源だった

そんな『五木久領庵』の看板商品「山うにとうふ」のルーツは、この地で約800年にわたって受け継がれてきた「豆腐の味噌漬」です。

冬になると農業も狩猟も難しかったこの地で、たんぱく源を確保するために生み出されたものなのだとか。清流が流れるこの地では、大きくて固い「樫の木豆腐」が作られていました。その豆腐を味噌漬けにすることで、冬でも手軽に食べられるようにしたのだそうです。

「特別なものではなく、どの家庭でも作られていたお母さんの味。本来は『するめ豆腐』とも呼ばれるくらい固く、炙ってごはんのお供として食べられていました」と橋本社長。

 

▲九州の味にこだわり、今では10種類以上の味が販売されている

家庭の味だった「豆腐の味噌漬」を、五木村以外の人たちにも知ってもらいたい。

地域への思いから、先代社長の橋本悦治さんが『五木屋本舗』を創業したのは1991年のこと。今でこそ熊本市内でも手に取ることができますが、それまでは地域以外ではほとんど知られていないものでした。

先代が「橋本家の味」をベースに、近所の人たちの協力を得ながら数年かけて試行錯誤。秘伝のもろみに漬け込んで長期熟成させることで、食べやすく、柔らかな食感に仕上げました。試食した人が「まるで雲丹(うに)のようだ」と言ったことから、「山うにとうふ」と命名されました。

 

◾️常温タイプなら手土産にも!ごはんにもお酒にも合う万能選手

 

▲広く知ってもらいたいとの思いで開発した「常温タイプ」(650円)は、お土産用に人気だという

ソフトタイプの山うにとうふは、オリジナルのほか、辛子明太、わさび、ゆずなど、10種類以上の味わいが揃っています(各486円~)。

「お土産に買って帰りたいけれど、要冷蔵だと難しい」というお客さんの声から、常温タイプも発売されました。固めに仕上げられており、チーズにも似た風味と食感を楽しむことができます。

ごはんのおともにはもちろん、パスタソースにしたり、カナッペにしたり、そのままカットしてお酒のあてにもよく合います。

 

◾️新商品は長さ約27cmの巨大な油揚げ「かりふわ」

 

▲山うにとうふの材料にもなる「樫の木豆腐」を使った巨大な油揚げ「かりふわ」

店内には「山うにとうふ」のほか球磨焼酎や、山うにとうふの原料になる「樫の木豆腐」などが売られています。その中でも目についたのが、巨大な油揚げ。その大きさはなんと長さ27cmもありました。

「山うにとうふを作るには、まず豆腐を作るのですが、せっかくなので豆腐そのものも楽しんでもらえたら」と考え付いたのが、大きな豆腐を使った大きな油揚げ「かりふわ」(1,188円)。低温、中温、高温と三段階に分けて揚げることで、中はふわっと、外はカリッと仕上がるのだそう。「商品名もその食感からそのまま付けたんですよ」と橋本社長は笑います。

山深い秘境の地で約800年前から受け継がれてきた、素朴な家庭の味「豆腐の味噌漬」。郷土を盛り上げたい、郷土の味をなくしたくない、そして多くの人に知ってもらいたいとの思いから、「山うにとうふ」として進化してきました。

五木村の本店、五木久領庵、熊本城(桜の馬場城彩苑)、熊本空港、人吉店の県内5カ所の直営店のほか、オンラインショップでも購入することができます。五木の自然と歴史を感じながら、味わってみてはいかがでしょうか。

 

五木屋本舗 五木久領庵
住所:熊本県球磨郡五木村甲2997-64
TEL:0120-096-102
営業時間:8:30~17:30(季節により変動あり)
>>ホームページ

 

徳山理恵|地域創生食文化大使1期生・フードアナリスト。熊本生まれ。熊本育ち。現在は大阪と熊本の二拠点生活。食と旅が好きすぎて、本業の傍らライター&カメラマンとしても活躍中。>>Instagram:@riiiie.t

 

 

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