高画質化が進むスタンダードな前方録画モデル3選【ドラレコ完全攻略⑤】

■フルHDとWQHDの画質差は如実だが実用差はナシ

今回取り上げたモデルの中で、ケンウッドとコムテックはWQHD画質、セルスターはフルHD画質が最高画質となり、スペックが異なる。両者の解像度の差は約1.8倍もあるため写真を見比べると差があるのは当然だが、実用レベルで不満はないはず。

ケンウッドは、昼間の画質で全体に明るく映る傾向だ。コントラストはやや弱く色合いは浅いが、視認性という点ではまったく問題なし。レンズ性能が優れており、拡大しても極めてシャープ。信号機の名称などもハッキリと読み取れる。ビデオカメラ開発で培った技術が投入されているだけはある高画質だ。

コムテックもケンウッドと同様にWQHD画質搭載モデルでクッキリした映像だが、ややコントラストが高めでクッキリ。一般的なドラレコに比べて撮影画角が広く、横方向まで見渡せるのは安心感が高い。

セルスターはフルHD画質のために他の2モデルと比べると分が悪いものの、必要十分なシャープさ。フルHD画質モデルとしてはトップレベルの映像クオリティと言えるだろう。

そしてこのセルスターだが、実は夜間の映像がかなり優秀だ。隅々までクッキリと見えるうえにコントラストもあり、色も正確に再現している。周囲に照明が少ない場所ではヘッドライトが照らしていない場所も状況の確認ができるほどの高感度。同社がアピールする「ナイトビジョンVer.2」の効果が明確に出ているといえるだろう。

コムテックは、ヘッドライトが当たっている場所はとくにハッキリとしている。ケンウッドは、ヘッドライトが当たる部分と当たらない部分の差が少なく、HDR機能がしっかり働いている印象。全体に暗めに映ってしまったが画質の良さはさすがだ。

 

【動画再生】

▼ケンウッド「DRV-830」

【昼間】HDRの効果をしっかり発揮

WQHD画質ならではの高精細な映像で、ビデオカメラのような美しさだ。全体的に明るめに映る傾向でHDRの効果も高い。

【夜間】暗めだが高精細さはしっかり確保

全体に暗く映る印象。コントラストもそれほど高くない。光が当たらない路肩部分は少々暗めだが、昼間と同様の高精細さは維持する。

 

▼セルスター「CS-31F」

【昼間】実用レベルではまったく問題なし

フルHDと他の2モデルと比べて解像度がやや低いため、拡大をするとシャープさは今ひとつという印象だが、実用上の不満は特にない。

【夜間】驚くほどの高感度で明るくシャープ

おそらく業界トップクラスの夜間性能。明るくシャープに見えるうえ、光のにじみも気にならない。

 

▼コムテック「HDR852G」

【昼間】広角レンズで広範囲をカバー

業界トップクラスの高精細を誇るWQHD画質を採用。コントラストは高いが、やや暗めに映る傾向だ。広角レンズで広い範囲をカバー。

 

【夜間】夜間録画に強くキレイに見える

ヘッドライトの光が当たっている場所は特によく見える印象で、必要十分な能力が確保されている。ほとんどの人がキレイと感じられるはずだ。

 

■その他の注目モデル

▼動体や衝撃を検知して作動する駐車モードを搭載

hp
「f350s」(実勢価格:1万5000円前後)

世界的なPCブランドとして知られるhpのハイコストパフォーマンスモデル。ソニー製イメージセンサーによるフルHD画質記録ができ、明暗差を補正するWDRも搭載。動体や衝撃を検知して作動する駐車モードや連続運転を知らせる長時間アラートも備える。

 

▼車内や後方を記録するアングルにも調整可能

ユピテル
「SN-HQ90d」(3万4992円 Web限定モデル)

水平150度、垂直240度という超広角レンズを搭載し、一般的なドライブレコ ーダーの約3.5倍もの広い範囲を撮影可能。レンズ部は可動式で、アングル調整すれば「前方範囲を大きく」や「車内や後方も録画」といったカタチで記録ができる。無線LAN内蔵で、映像の確認や各種の設定操作は専用アプリをインスト ールしたスマホで行える。

 

▼広角レンズにより最大4車線を録画できる

ANKER
「Anker Roav DashCam C2 Pro」(1万3800円)

ソニー製CMOSイメージセンサーとNightHawkテクノロジーにより、昼夜を問わず鮮明な録画を実現。Wi-Fiを内蔵し、専用アプリをインストールしたスマホと記録映像の転送などが可能で、Gセンサーにより衝突などの衝撃を検知して録画を開始する機能も搭載している。

 

■まとめ

いずれのモデルも各社の上級機種だけに高い実力を備えている。ケンウッドは、高い操作性や昼間の高画質が大きな魅力だ。セルスターは、夜間性能の高さやバックカメラが接続できる便利さがある。コムテックは全体にバランスが取れており、どんな場面でも実力を発揮してくれるはずだ。

 

>> 特集:ドラレコ完全攻略

本記事の内容はCarGoodsPress89号30-33ページに掲載されています

 


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(レポート/浜先秀彰 CGP編集部 撮影/澤田和久)

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