2022年模型業界8大予測!【趣味な男の欲しいモノと秘密基地】

【TOPIC①】“積みプラ”を作る人の急増に伴い塗料の進化も加速する!?

海外も含めて水溶性塗料の人気が高まっています。臭いのきついラッカー系よりも使いやすいのが魅力。塗料系は今後さらに進化するはずです!(木村さん)

 

▼安心安全!家庭環境に優しい水性塗料

GSIクレオス
「アクリジョンシリーズ」(アクリジョン:各198円/ベースカラー:各330円/リターダー:198円)

木工用接着剤などと同じくエマルジョン系の水性塗料。溶剤の使用を極力抑え、より安全に設計された模型用塗料だ。隠ぺい性もあり、発色も良くなっている。もちろん水性なのでニオイが少なく、乾燥前であれば筆やエアブラシなどの塗装道具を水で洗浄できる。乾燥後もアクリジョン専用ツールクリーナーがあるので安心だ。

 

▼プレミアムな発色がやみつき!高級感たっぷりの仕上がりに

ガイアノーツ
「プレミアムシリーズ GP-09 プリズムブルーブラック」(1100円)

光の加減によってブラックからダークブルーに変化する偏光パールカラーのラッカー塗料。クリアカラーでコーティングすれば、より光沢のある表現に。ツヤ消しにすれば上質なビロードのような質感になるなど、アレンジも可能だ。プレミアムシリーズは貴重な原料を使用することで、今まで表現できなかった色を表現可能な特別なシリーズだ。

 

【TOPIC②】漆から和柄の模様まで塗り方のオリジナル化が進む!

立体が2Dのように見える“アニメ塗り”など、模型の塗装にはさまざまなトレンドの移り変わりがある。最近の流行は次のステージへと進み始めているようだ。そのひとつとして木村さんが例に挙げたのは“和柄”などをモチーフにする“オリジナル塗装”だ。

「着物のような模様を表現するなど、模型の表面をキャンバスとし、そこに絵を描くような感覚で塗装する人もいます。漆を塗るなど、新しい表現を追求する人も増えてきました」

SNSの発達により、技術や作品をTwitterなどで発信できるようになってきたが、ネット時代において情報が玉石混淆となってきたことを木村さんは危惧している。

「今、模型に関しても、多くの情報がネットにアップされていて、便利な反面、中には間違ったものも散見されます。今は“出戻り組”や初心者が模型を作る際、インターネットや動画配信を参考にすることも増えていますよね。間違った情報を信じた結果、思ったとおりに作れなくて模型をやめてしまうのが心配で、そして何より、ケガや事故などがあってはいけません。そこで『月刊ホビージャパン』の編集部では現在、模型のハウツーに特化したネット番組をリスタートする準備を進めています。模型の正しい情報をSNSなどで提供し、模型づくりの楽しさや魅力を伝えていく予定です。それをきっかけに模型に興味を持った人が雑誌を手にして“模型の沼”にハマってくれるといいですね」

 

▼新しい塗装スタイルを提案するエアブラシの新製品も登場

SNSの発達により、コンテストなどがなくても、自分で作品を発信できるようになりましたよね。今後もいろんな表現方法が増えてくると思います(木村さん)

PROFIX
「PROFIX Tech Liner 充電式エアブラシ TS1-B02 ハンドピース(TH-B02)付き充電式コンプレッサーセット」(1万1080円)

エアコンプレッサーとハンドピースが一体となったエアブラシ。USBによる充電式で、30〜40分ほど連続使用できる。塗料カップやスポイト、クリーニング用ブラシなど付属のオプションも充実しており、エアブラシ初心者が使用しても安心だ。

▲葛飾北斎風ジャパネスクカラー [富嶽の絵柄] ※出典『月刊ホビージャパン』2022年3月号

▲日本伝統工芸の“漆塗り”SDガンダム [漆塗り] ※出典『月刊ホビージャパン』2022年3月号

▲ネイルデコシールで晴れ着をまとう [桜のオマージュ] ※出典『月刊ホビージャパン』2022年3月号

 

【TOPIC③】3Dプリンターの高性能化で一体成型の緻密な商品が続々

昨今、模型の設計はデジタルモデリングが主流だ。その傾向は大手メーカーのみならず、アマチュア、プライベーターも含め、さらに加速すると木村さんは予想する。

「今までアナログで原型を作っていたベテランの原型師も、デジタルモデリングを習い始めている人が多いです。かつての3Dプリンターといえば高額でしたが、最近はリーズナブルな価格で性能のいい海外製が続々と上陸しています。低価格な3Dプリンターでも表面の仕上がりがきれい。ガレージキットでも、アマチュアディーラーのデジタルモデルの比率がもっと増えるでしょう」

デカールやエッチングパーツをはじめ、ディテールアップのためのカスタムパーツを幅広く用意するメーカーも増えてきている。中でもここ数年は、3Dプリンターで出力する改造パーツも多いそうだ。

「昔はレジン樹脂やメタル製が主流でしたが、3Dプリンターによる出力品が増えてきています。ロボットの拳やバイクのタイヤをはじめ、今年はさらにさまざまなデジタル出力パーツが増えるのではないでしょうか」

 

▼造形作家K氏が手掛けたAndroidシリーズ第2弾

海洋堂さんのデジタルガレージキットはクオリティが高いです。原型もデジタルとアナログのハイブリッドが増えるでしょう(木村さん)

海洋堂
「デジタルガレージキット Android HB02」(2万5300円)

海洋堂の造形作家育成プロジェクト「ワンダーショウケース」に選ばれたK氏によるAndroidシリーズ。デジタル出力の強みを生かし、人体の美しさとメカ的な要素を合わせた複雑な造形をプロダクトとして成立させている。

©2021 K All Rights Reservd.

 

【次ページ】新しい表現が生まれつつある中で次なるブームは!?

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