ハイエンド型とコスパ型、二極化が進む「ロボット掃除機」の現在【令和の新殿堂入り傑作モノ】

■ハイエンド型ロボット掃除機はAIテクノロジーも掃除能力もアップしている

ロボット掃除機は手頃な価格の製品が登場し始めた一方で、さらに高度な、進化した能力を与えられた機種も誕生してきている。

神原さんは「センサーに加えてカメラも搭載し、障害物の回避性がより高くなったモデルが多くなってきました。そのうえ、意外と面倒な水拭きの準備や手入れなども自動化されて、本当の意味で手間の掛からないロボット掃除機もあります」と話す。

単純に高精度のセンサーやカメラを取り付けただけでは、ロボット掃除機の性能は向上しない。それらが検知した物が何であるかを判断し、次の動きを命令するアルゴリズムを与えるプログラミングや、AIテクノロジーを使って学習させることが必要なのだ。

ハイエンド型のロボット掃除機は、AIテクノロジーが優れていると同時に、掃除能力もアップしていることは間違いない。クルマの運転アシスト機能や自動運転のレベルが進化しているように、ロボット掃除機の機能も日進月歩、そのうち人間は電源を入れるだけで、あとは全部お任せの機種が出てくるかもしれない。

神原さんが実際に使って選んでくれた、今買っておけば間違いない高性能のロボット掃除機を見ていこう。

 

【さらに進化を重ねている「ハイエンド型」】

■同社最強のオールインワンロボット掃除機

前面カメラ搭載で障害物の回避性能が高く、水拭きの準備や手入れも自動になった“本当に任せられる”ロボット掃除機です(神原さん)

DEEBOT
「X1 OMNI」(19万8000円)

抜群の物体回避能力とエコバックス史上最強の5000Paの吸引力で、カーペットの中に入り込んだ毛髪や埃までキレイにできるほか、全自動で水拭き掃除もできる。デンマークの世界的なデザイン事務所、ヤコブ イェンセン・デザインが設計を手掛けた。

▲床に密着するメインブラシとふたつのサイドブラシ、毎分180回転する加圧回転式モップで掃除する

▲120万画素、148.3度の超広角カメラで暗所でもはっきりと障害物を検知して回避行動を取る

▲15分毎にステーションに戻り、モップを洗浄&乾燥させて水補給してから水拭きを再開

 

■見分けて、避けて、掃除する賢いロボット掃除機

ルンバ初の前面カメラ搭載モデル。障害物回避能力が素晴らしく、ペットを飼っている家庭にもおすすめです(神原さん)

iRobot
「ルンバ j7+」(12万9800円)

コードやスリッパをはじめ、ペットの排泄物まで障害物を見分けて認識し、確実に清掃を実行するので、事前の片付けが必要ない。回避した障害物は掃除終了後に画像と位置がアプリに送信されるので、今後の対処をフィードバックできる。

▲クリーンベースが縦型から横型になった。デザインもシックでインテリア性に優れている。最大で1年間のゴミが収納できるのでゴミ捨ての手間が掛からない

▲エッジクリーニンブラシでゴミを掻き出し、微細なゴミや毛髪まで強力に吸引する

▲常にライトを点けてカメラで障害物を認識。回避データは任意でユーザーのクラウドに送られる

 

■ふたつのカメラ+センサーでインテリジェンスがさらに向上

障害物回避機能が高く、水拭き機能も優秀で、給水からモップ洗浄まで全自動なのが手間いらずでいいですね(神原さん)

Roborock
「S7 MaxV Ultra」(21万7800円)

顔認識技術を応用したストラクチャードライト&カメラとRGBカメラの搭載で、従来のS6 MaxVよりも障害物の認識速度が70%速くなり、回避精度が22%向上。水拭き性能が高く、毎分3000回の高速振動するモップで床をキレイにする。

▲ドックはゴミ収集からモップの洗浄、給水まで全て自動。水拭き時に水が不足するとドックに戻り給水を始める

▲毛足が4mm未満のカーペットを感知すると水拭きモップが5mmリフトアップして吸引掃除のみになる。4mm以上の場合はアプリでカーペット回避モードを選択

 

■3センサーで素早く学びアップデートで進化していく

洗濯物やおもちゃなどにぎりぎりまで近づいて床を素早くキレイに。約2cmまでの段差ならば乗り越え、敷物も巻き込みません(神原さん)

パナソニック
「RULO MC-RSF700」(10万2300円)

クリーンセンサー搭載で、ゴミが多い場合はパワーアップしたり、往復/首振り運動したりして、フローリングから絨毯まで見えないゴミもしっかり掃除ができる。

▲360度のレーザーセンサーで室内全体を検知し、正確に間取りを認識してマッピングする

▲スポットモードにすると人の足を検知して、掃除したい場所までついてきて開始位置を中心に螺旋状に掃除する

▲進行方向と逆回転してゴミを中心に集めるV字構造のブラシで集塵性を高めてしっかりと吸引

▲独自の三角形状ボディで部屋の隅までブラシが入り、ゴミをきれいに掻き出す

 

■部屋の状況を学習する拭き掃除のスペシャリスト

静音性の高い拭き掃除専用機として、唯一無二の実力を持つロボット掃除機だと思います(神原さん)

iRobot
「ブラーバ ジェット m6」(5万9800円)

ジェットスプレーで汚れやベタつきを浮き上がらせて拭き取るウエットモードだけでなく、ドライモードで静電気を利用してゴミや埃、毛髪を捕らえる乾拭きもできるので、毎日すっきりと床を仕上げ掃除できる。

▲iRobot Homeアプリを使用して掃除のスケジュールや場所を指定しておけば、操作の手間を最小限にして部屋をキレイに保てる

▲ルンバi2やj7とのセット使いがおすすめ。ルンバがしっかりゴミや埃を吸い取った後にブラーバが出動。キレイに拭き掃除の連携プレイができる

▲高精度のマッピング&ナビシステムで部屋の広さや形状を把握し、規則正しく動いて効率的に掃除する

>> 特集【令和の新殿堂入り傑作モノ】

※2022年10月6日発売「GoodsPress」11月号40-43ページの記事をもとに構成しています

<取材・文/松尾直俊>

 

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