知っておきたい接着剤選びのポイントと失敗しない使い方【達人のプラモ術<道具編>】

■瞬間接着剤

近年のプラモデルはエッチングパーツ(ステンレスや真ちゅう製の金属製ディテールアップパーツ)やレジン樹脂製パーツを組み合わせたキットが多くなっています。こうした異種素材はプラ用の接着剤では接着できないため瞬間接着剤を使用します。また瞬間接着剤は、接着のみならず継ぎ目処理や盛り上げ改造などプラモ製作のシチュエーションに応じてさまざまなタイプが発売されています。

 

▼タミヤ「タミヤ瞬間接着剤(ゼリータイプ)」(396円)

もともと接着面積が少ないパーツや繊細なエッチングパーツといった金属パーツなどの接着に使用する瞬間接着剤。粘度の高いゼリー状なので点着けがやりやすく、また硬化まで時間が取れるのでパーツの位置決めがしやすいといったメリットがある。

 

▼タミヤ「タミヤ瞬間接着剤(使い切りタイプ)」(484円)

一度開封した瞬間接着剤は、劣化しやすいので使い切らないうちにダメにしてしまうことが多い。使い切りタイプは、少量(2g)ずつ小分けされているため、むだなく使いきれる。

 

▼タミヤ「タミヤ瞬間接着剤(イージーサンディング)」(369円)

瞬間接着剤はパーツの合わせ消しなどにも使うことが多いのだが、一般的なものは硬化後に硬くなり切削や研磨しにくい。イージーサンディングはゼリー状で扱いやすく、硬化後もプラに近い硬度なので、切削性が良く加工性に優れた瞬間接着剤だ。

 

▼タミヤ「タミヤ瞬間接着剤(ブラシつき)」(770円)

瞬間接着剤といえば点着けのイメージだが、これはブラシで塗るタイプの瞬間接着剤だ。キャップ付属の刷毛で塗り広げられるので、広い面積に塗布したい場合に便利。プラスチックをはじめ合成ゴム、金属、コート紙などに使える。硬化促進剤と組み合わせて使うとより効果的。

 

▼Mr.ホビー「Mr.ジャスト 超速タイプ」(550円)

硬化するまでの時間が早いチューブ入りタイプの瞬間接着剤。貼り線等のパーツを素早く固定できるのがありがたい。サラサラタイプとゼリー状の中間くらいの粘度があるので、広い面積への塗布や小パーツでの使い勝手が良い。

 

▼アルテコ「アルテコ瞬間接着剤731(耐衝撃)」(実勢価格:750円前後)

アルテコはさまざまなタイプの瞬間接着剤を発売しているメーカーで、731は特に耐衝撃性に優れている製品。同社の瞬間接着剤の中でも金属接着強度が特に高く、衝撃が掛かる部分や点付けしかできないパーツの接着に使用すると効果的だ。

 

▼パワーエース「強力瞬間接着剤 高切削性 中粘度」(実勢価格:850円前後)

タミヤのイージーサンディングと同じく、硬化した後に極端に硬くならないので、切削や研磨など加工性に優れる。中粘度タイプなので盛り上げ(プライマー併用推奨)もできる。

 

▼パワーエース「強力瞬間接着剤 低白化・低粘度」(実勢価格:800円前後)

瞬間接着剤は湿度が高い時に使うと、接着面とその周囲の塗装面などに霜が降りたように白濁化しガサガサに荒れることがある。そういった時に低白化タイプの瞬間接着剤を使うと、白濁による塗装面へのダメージを抑えられる。

 

▼ウェーブ「瞬間接着剤×3G(高強度)」(495円)

通常瞬間接着の約2倍の引っ張りせん断強度を持つ。2gあたり約150円とコストパフォーマンスに優れ、劣化を避けるために小分けされた使い切りタイプ(3本入り)になっているのがありがたい。“×3G”シリーズにはハイスピードタイプと低白濁化タイプもある。

 

▼ボークス「盛着」(367円)

ボークスも各種瞬間接着剤をラインナッしており、盛着(モリチャク)はパテのように盛り固められるタイプの中粘度瞬間接着剤。プラモの改造工作などで使用頻度が高く、レジンパーツの気泡埋めやパーツの欠け補強などに使用する。

 

▼フィニッシャーズ扱い「一滴粘ワンパンチセメント2000(サラサラ)」(1320円)

海外製の瞬間接着剤だが、プラ、金属、レジン、ABSや紙など多用途に使用できる。また硬化後の切削性、強度も高い。白濁化しにくいサラサラタイプだが、一般的な瞬間接着剤に比べるとやや粘度があるので使い勝手が良い。高粘度タイプもある。

 

【次ページ】接着時にあると便利なアイテムとワンポイントアイデア

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