Uボートを翻弄する“吠える大西洋”をスタイロフォームで製作【達人のプラモ術<Uボート>】

■船体のウエザリング

艦船模型としてはパーツ数が少ないレベル社の1/144 Uボートですが、エッチングパーツ等のディテールアップを使用しなくても完成度が高いモデルなので、ストレートに製作してウエザリング塗装を施すことでリアルなUボートを仕上げられます。

ウエザリングは、航海で錆びた船体を再現。実際当事のUボートの写真を見ると、航海の後では船体が激しく汚れて錆びている様子が確認できます。作例では、タミヤのスミ入れ塗料『ブラン』で船体をウォッシング(薄めたエナメル塗料を船体全体に塗布、ウエスや綿棒で拭き取ることで汚れや錆を再現する技法)することで、錆びた質感を再現。さらにリアルタッチマーカー(ブラウン)を使い、凸モールドに沿って色を入れていくことで、溶接のラインを際立たせています。

【Before】

▲グレー2色で塗装下船体。ウエザリングを施していない状態

【After】

▲スミ入れ塗料とリアルタッチマーカーを使用して錆や汚れといった質感を再現した船体

 

▲ウエザリングを施す前に、U-96の艦橋に描かれた笑うノコギリ鮫のデカールを貼る

▲船体全体にタミヤスミ入れ塗料のブラウンを使いウォッシングを入れる。スミ入れ塗料は、攪拌しないで上澄みを使うのがコツだ。綿棒やウエスを使い、汚れや水垢の流れる方向などを意識しながらスミ入れ塗料を拭き取っていく

▲甲板と船体各部に設けられている注排水スリット部分には黒のスミ入れ塗料を使用して奥行きを再現

▲船体の溶接ラインのモールドをリアルタッチマーカー(ブラウン)で塗装

▲綿棒でグラデーションを付けながら陰影を強調する

▲注排水スリットはマーカーを使い、錆が流れた跡を描いていく

▲ウエザリング塗装が完了した船体

▲時には1カ月以上にもなる航海から帰投したUボート。船体がかなり激しく錆ついているのが分かる

 

【次ページ】スタイロフォームとモデリングペーストで荒れる大西洋を再現

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