■可動部にはミニ四駆用グリスを使用
クレーンの旋回台はクレーンのアームやワイヤーのドラムといった可動部分が存在するので、“パーツを組んでしまって一気にイエローに塗装”ができません。パーツ単位で塗装した後、ワイヤードラムの可動部分は塗装を剥がしてスムーズに動くように擦り合わせをしつつ組み上げていきます。
この際ワイヤードラム(パーツD2・D3・C12)とワイヤーの巻き上げ用リールとなるパーツC4は、軸部分グリスを塗布しておくとスムーズに可動させられます。グリスはシリコンオイルなどを使います。作例は、スチロール樹脂を侵さないミニ4駆用グリスを使用しています(CRC556のような潤滑用オイルはスチロール樹脂を劣化させて割れてしまうので絶対使用しないこと)。またクレーンアームの油圧ステーはビスで固定するのですが、ステーの向きとネジの締め過ぎに注意してください。
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▲旋回台はパーツの成型色が白なので、下地の白塗装をせずに直接イエローで塗装できる。塗装最低でも24時間は乾燥させること
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▲クレーンの油圧ステーは可動させるためビスで固定するが、締め過ぎると破損するので要注意
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▲クレーンのワイヤー(糸)を巻き取るためのリール(矢印の部分)は旋回台基部に設けられており、開閉可能なカバーを閉めておけば外部から見えない工夫がなされている
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▲組み上げた旋回台をシャシーと組み合わせた状態(この時点でシャシーの補器類ボックスの組み間違いに気付いた…)。大砲のように見えるにはクレーンの油圧アームだ。やはり建機にはイエローがよく似合う
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▲タミヤ「ミニ四駆Fグリス(フッ素樹脂配合)」(440円) 本来はミニ四駆のギアなど可動部に使用する。ベースオイルに100%化学合成油PAOを使用し、低温でも硬くなりにくくプラスチックを侵さないため可動部分の潤滑にも最適なグリス
■フロアの製作。フィギュアの組み付けとデカール貼りのタイミングに注意!
旋回台が完成したらフロア(運転席)を組んでいきます。シートにダッシュボード、ハンドルなど、カーモデルの製作にいちばん近い工程でもあります。基本的にはインストの指示製作を進めていきますが、いくつか注意点があります。
キットには出来の良いオペレーターのフィギュアが付属しています。運転席を組む際にハンドルを先に取り付けてしまうと、パーツが干渉してしまうため後からオペレーターを乗せられなってしまいます(インストにはオペレーターを乗せる順番指示がない)。組み立て順としては、まずフロアにシートを接着。続いてオペレーターをシートに接着。その後にダッシュボードを取り付けて、最後にハンドル(パーツK4)を接着します。またシートとフィギュアを接着する前にフロア左側サイドコンソールにデカールを貼っておかないといけません。
デカールの指示がインストではなく塗装図に記載されているため、デカールを貼るタイミングが分かりにくく、フロアを完成させた後、工程17『キャブの組み立て』でドアパネルをフロアに取り付けていくのですが、この時点ではドア内側のデカールを貼ることができません。
ところで運転手を組んでいて気が付いてちょっと感動したですが、建機ではよく見る運転中に片手でハンドルを操作する旋回ノブが再現されていたことです。フロア組み上げちゃったらほとんど見えないのですが…こういうこだわり大事ですよね。
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▲インテリアのパーツ。少ないパーツだが塗装することでリアルな仕上がりを得られる
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▲フロアに、組み上げたダッシュボード、ハンドルを取り付けてしまうと、足がハンドルと干渉してしまい、後からオペレーターのフィギュアが乗せられなくなってしまうので注意
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▲パーツの不要部分だと思って削り落としそうになった1ミリほどの突起は片手でハンドルを操作する際の旋回ノブを再現したもの
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▲インストでは『フロア内部の塗装及びデカールは別紙のマーキング及び塗装図を参照してください』となっているのだが、ちょっと説明不足で、サイドコンソールのデカールはシートとオペレーターのフィギュアを取り付ける前に貼る必要がある
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▲塗装図でドアパネル左画の塗装及びデカールの貼りと併せて、サイドコンソールへのデカール貼りが指示されている
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▲外側は黄色、内側はグレーでドアパネルを塗装する
■オペレーターのフィギュアの塗装
最近はカーモデルでもドライバーフィギュアが付属しなくなりました。フィギュアを乗せてしまうとせっかく塗装したインテリアが見えなくなる、またフィギュアの顔の塗装が苦手という理由から嫌遠されることが多かったのも事実です。
今回製作のラフテレーンクレーンはミリタリーモデルと同じ1/35スケールということもありますが、オペレーターのフィギュアが付属しています。
フィギュアを乗せるメリットは、人間と対比することで、メカのサイズが実感できることだと思います。クルマなど身近に存在するものは大きさも実感しやすいですが、戦車や戦闘機などはなかなか実際のサイズが想像できません。そこにフィギュアがあれば「おおぉこんなサイズなのね」と対比できます。
今回は建機ですが、やはりオペレーターを乗せることで普通のクルマと比べて着座位置は高いんだ、車体もタイヤもデカいのねと実感できるワケです。
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▲オペレーターのフィギュアはインストの指示に沿って塗装。顔と腕は赤みを強めに調色した色(ラッカー系)で塗装し、タミヤのスミ入れ塗料(オレンジブラウン)を塗布することで顔のモールドを強調している。ヘルメットはツヤありの白で塗装しているので、別塗装して後から取り付ける
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▲タミヤ「スミ入れ塗料(オレンジブラウン)」(440円) 色調はオレンジがかった茶色。奥まった部分のサビや履帯のサビ表現、流れたサビの表現に使用するが、フィギュアのアクセントにも使える。モールドの奥まった部分に塗布するだけで、塗料がモールドに沿って流れてことでディテールを強調できる
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▲組み立てと塗装が完了したキャブ(運転席)とフィギュア
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▲シャシーに仮組みしてみると視界確保のため着座位置が高いのが良くわかる