ゴジラの仇敵、金色の宇宙超怪獣「キングギドラ」を作る!【達人のプラモ術<キングギドラRe:イマジネーション>】

【達人のプラモ術】
海洋堂
「ARTPLA SCULPTURE WORKS キングギドラRe:イマジネーション」

▲「ARTPLA SCULPTURE WORKS キングギドラRe:イマジネーション」(9900円)

TM & © TOHO

 

■宇宙超怪獣がアートプラ完全新金型で登場!

この11月に新作『ゴジラ-0.0』が公開になります! すでにPV映像が公開されており、映像の中でゴジラに声とは明らかに違うモンスターの声が流れたことで話題を集めました。NYで行われた最速上映の場において、山﨑監督の口からキングギドラ登場の発言があったそうです。いやますます楽しみになりました!

そして今回は、先ごろ発売されたばかりの海洋堂アートプラ“Re:イマジネーション”の新作キングギドラを製作しました!

『ゴジラ-0.0』に登場するキングギドラも楽しみではありますが、海洋堂がリリースしたゴジラシリーズ第5作にあたる『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年公開)に登場した宇宙超怪獣キングギドラです。以後の作品でもゴジラと対峙、人気の高い悪役怪獣です。

キットは動物や恐竜などのネイチャーフィギュアの第一人者である松村しのぶ氏が原型を製作。当時の宣伝ポスターをイメージした迫力あるシーンが再現されています。

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。タミヤ公式YouTubeチャンネルなどでもハウツーレビューを配信中。

 

■組み立てはサクサク

キットのパーツ数は170個。かなりのボリュームがありますが、パーツ構成がとてもよく考えられています。この手のモデルとしてはパーツ数が多いように感じられますが、製作はサクサクと進られます。

ウロコに覆われた胴体も2本の尻尾も、芯となるパーツに緻密なウロコがモールドされた外皮を張り込んで組み上げていく構成になっており、それぞれ表情が異なる3本の首も同様です。体表面に不自然なパーツの接合線が出ません。また大きな2枚の翼はそれぞれ1パーツ構成となっています。

展示ベースは42個のパーツで再現するようになっており、破壊された橋や、岩が崩れ落ちたトンネル、神社の鳥居などが42パーツで再現されており、『三大怪獣 地球最大の決戦』のワンシーンを再現しています。

▲箱を開けるとミッチリと収められたパーツが目に飛び込んで来る。総パーツ数170個はアートプラシリーズの中でも多い方だろう

▲胴体と2本の尻尾は、素体となるパーツに緻密なウロコがモールドされた外皮パーツを貼り込んでいくいく構成なっているので、パーツ合わせ目がほとんど目立たない

▲3つの顔はそれぞれ表情が異なる。頭部と首もパーツの接合線が目立たない構成だ

▲部位によって形の違うウロコの形状に注目。架空のモンスターでありながら生物的なディテールがよく現れている部分

 

■元々は3色の翼だったキングギドラ

『三大怪獣 地球最大の決戦』で隕石の中から出現し金色に輝く宇宙怪獣、というイメージで記憶に焼き付いているキングギドラ。模型とかソフビ製人形とかで幾度となく見てきて、これまではなんの疑問も抱いていなかったのだけれど、今回、いざ体色を塗るとなった時に「うむむむ、キングギドラって何色塗ったらいいんだろう」と悩んでしまったのであります。

そりゃまあ艶やかなゴールドで塗り上げちゃえば完成! でも良いのだけれど、そんな安直な仕上げじゃキングギドラに申し訳ない。

キングギドラは元々の設定では、青い体に赤・白・青の3色の翼だったそうです。そしてスチール撮影本番直前、スタッフから「金星から来る怪獣なので、金色なのかと思ってました」と言われ、円谷監督がそれを気に入り、全身金色に塗り直されたといいます。なので、『三大怪獣 地球最大の決戦』公開時のポスターでは「翼が3色」のスチール写真が使われているそうです。

オリジナルの青いキングギドラも後年フィギュアとして発売されてるあたり、キングギドラ人気を物語っているなぁと深く関心したりする次第ではあります。

しかし私の中でのキングギドラはやっぱり黄金色の宇宙超怪獣なんですよね。

ただ、これを模型で再現するとなると、なんとも悩ましい。DVDで『三大怪獣 地球最大の決戦』も見直したし、模型的にどう仕上げたら5000年前に金星文明を3日で滅ぼした宇宙怪獣のらしさが表現できるのか…。ぶっちゃけ、映画の中のキングギドラは、画面上で見る限り、まんま缶スプレーの金色なんですけどね。

余談ですが、この金色、塗料がスーツのラッテクスを侵蝕してしまい、補修が大変だったそうです。

“宇宙超怪獣”、はたまたその後の『怪獣大戦争』では“怪物ゼロ”の名をで呼ばれるキングギドラ。黄金色の体を持つ巨大宇宙生物なワケで、いかに巨大生物らしさを、それも金色塗装で表現するかはかなり悩みました。

あえて金色を使わず、巨大宇宙生物としてのリアルさを表現するのも面白いのですが、今回は当時10歳だった少年が銀幕の向こうで焔の中から現れる金色の超怪獣のインパクトそのままに、輝く金色の体色を「アートプラ・キングギドラRe:イマジネーション」に落とし込んでみました。

 

■金色の宇宙超怪獣をイメージして塗装

このキットで再現されているウロコのディテールが凄いのです。

芯となる素体にウロコがモールドされた外皮を貼り込んでいく構造で、体表面に接合線が出ない構成となっています。また筋肉の流れや関節部に沿って彫刻されているウロコは単調なパターンの繰り返しではなく、背中や胸、足、胴体など部位によっての形状やサイズが1枚1枚異なっています。1枚1枚のウロコのディテールが極めてシャープなのには驚かされました。このこだわりは凄いです。

では塗装について。まず下地色として艶ありの黒を塗装し、その上から全体を青金(※1)をエアブラシで塗装しました。そしてウロコ全体にはエナメルの墨入れ塗料で薄くウォッシングすることで、ウロコのディテールを強調。さらに背中や、翼の付け根、足の皺などには、赤金(※2)とスモークブラックを重ねることで、単調になるのを抑えつつマッシブな筋肉の陰影を強調しています。

全体のイメージとしては、劇場のスクリーンで10歳の少年の眼を釘付けにしたギラギラと輝く金色の宇宙超怪獣です。また翼には初期設定カラーへのオマージュとしてクリアレッドとクリアブルーを使い薄くグラデーションにつけています。もう少し濃くても良かったかな。

3つの顔はそれぞれ表情が違い迫力満点。エナメルブラックでのスミ入れで陰影を強調しつつ、初代キングギドラの特徴でもある赤い目にし、瞳は黒で描いています。さらに首の後ろのタテガミ?はレッドブラウンで塗装し、ゴールドでドライブラシを入れることでディテールを強調しています。

※1 赤金とは
黄色みが強い一般的な金色に比べ、少し赤みや銅色に近い落ち着いた温かみのある金色。純金に近い色でもある。

※2 青金とは
赤金(純金に近い赤みの強い金色)に比べ、銀が含まれており、見た目は白っぽくやや暗い感じの青みを帯びた金色。

▲金の金属感を強調するため下地はグロブラックで塗装。その上からMrカラーGXブルーゴールドを重ねている

▲ブルーゴールドで塗装後、墨入れ塗料のブラックでウォッシングし、ウロコのディテールを強調。翼の付け根はスモークブラックで陰影を入れた

▲さらに同じくMr.カラーGXのレッドゴールドで筋肉の盛り上がりや首の付け根などに陰影を入れていく

▲翼は初期設定カラーへのオマージュとして赤と青のグラデーションを入れている

▲頭部は黒のスミ入れでディテールを強調。角は白、眼は白目部分が赤、瞳は黒で描いている。立髪は、流れる感じを出すためにレッドブラウンで塗装後にゴールドでドライブラシをかけている

 

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