新ジャンルとして多くのユーザーに親しまれ、満を持して麦100%の生ビールへと進化する「本麒麟」。その背景には、おいしさを追求してきた歩みとさらなる高みを目指す開発者たちの挑戦があった。
■開発秘話を語ってくださったのは…
キリンビール マーケティング本部マーケティング部ビール類カテゴリー戦略担当ブランドマネージャー 田中寛人さん
▲「妥協せず、手を抜かず、誠実に」
キリンビール 技術イノベーションセンター 八巻幸太郎さん
▲「胸を張って“うまいビール”と言えます」
■8年間の進化を続け、ついに「麦100%生ビール」へ

手頃な価格で本格的にうまいビールを日常的に楽しみたい。そんな消費者の思いに応えるべく、2018年に誕生した「本麒麟」。発売から8年、うまさを磨き続け、いよいよ麦100%の生ビールへと進化する。「発売当初から酒税が一本化される時代を見据え、将来的なビール化を構想していました。そのため、新ジャンルというカテゴリーにとらわれず最初から本格的な味わいを追求してきました。日常的に手に取っていただくものだからこそ妥協せず、手を抜かず、誠実に向き合ってきました」
そう語るのは、ブランドマネージャーの田中寛人さん。発売当時、世間的に新ジャンルはビールに劣るものという認識もあった。だからこそ“キリンの最高品質のデイリービール”を掲げ、長年培ってきた醸造技術や哲学を注ぎ込んだ。
「“あなたの一番うまい! になる”は、発売当初からブランドの根っこにある言葉です。ジャンルの垣根にとらわれず、お客様にとって1番うまいビールを目指してきました。ブランド名に『麒麟』の2文字を冠したのも覚悟の表れです。今回のビール化も小手先の選択ではなく、積み重ねてきたものが結実して生まれた進化だと思っています」
一方、中味開発を担当した八巻幸太郎さんはビール化に際して新たな味作りに挑んだ。麦芽の使用量の制約がなくなり、選択肢が広がったからこそ目指す味わいを見極めることが重要となった。
「これまで培ってきた『本麒麟』らしさを大切にしながら、新しいおいしさを届けたい。単にビール化するだけでなく、本当においしいビールとは何かを考えました。こだわったのは麦のうまみとすっきりとした後味のバランスです。麦芽と大麦を組み合わせ、ひと口目には麦のうまみや香ばしさを感じ、後味はすっきりと。試作と議論を重ね、飲みやすく飲み飽きないおいしさを目指しました」
発売以来、今回のビール化に至るまで実施した試飲回数は4万回以上にもなるという。「思い描いた味わいを実現できたときは達成感がありました。でも、ビールとして生まれ変わった今が新たなスタートライン。これからも磨きをかけ、胸を張って“うまいビール”と言えるものを作り続けたいですね」
ブランドが守り続けた信念と開発者の尽きない探究心。その積み重ねが麦の豊かなうまみとすっきりした後味を併せ持つ、新しい「本麒麟」を生み出した。その進化をぜひ味わってほしい。
▼変わらないポイントも!
・長期低温熟成(※)
・ヘルスブルッカーホップを使用
「本麒麟」らしいすっきりとした後味と質の良い苦みを支えるこだわりはそのまま。長い時間をかけて熟成させる「長期低温熟成」とドイツ産「ヘルスブルッカーホップ」を全ホップの半分以上に使用する原料へのこだわりを継承した。
※キリンビール伝統の低温熟成期間を1.2倍にした製法/当社ビール比
■ビール化のポイント
▼麦100%を実現

麦芽の使用量に制約がなくなったことで、麦芽と大麦を組み合わせた麦100%の生ビールが実現。麦芽由来の豊かなうまみや香ばしさを引き出しつつ、大麦の特徴であるすっきりとした後味も生かした。両者の配合比率を何度も調整し、「本麒麟」らしい味わいを実現。
▼ALC度数5%の設計へ

新ジャンル時代は麦芽の使用量に制約があり、アルコール度数を6%に設定して飲みごたえを補っていた。ビール化によって麦芽由来の厚みを十分に出せるようになったため、度数を最適化。辛さや重さを抑え、デイリービールにふさわしい飲みやすさに仕上げた。
▼飲みごたえと飲みやすさを両立

飲みごたえと飲みやすさは、一方を高めるともう一方が損なわれやすい。そこで着目したのが、飲み始めから後味までの“時間軸”。ひと口目に麦の香りや甘みが広がり、後味はスッと抜けていく。飲み進めても重さが蓄積しにくいよう、味わいに抑揚を付けた。
■毎年進化し続けてきた8年間
▲左から2018~2015年
2018年の発売以来、キリンのブランドで唯一毎年リニューアルを続けてきた「本麒麟」。その原動力となったのが“あなたの1番うまいになる”という信念であり、8年間にわたりその味わいを磨き続けてきた。麦100% の生ビールとなった今もその進化は続いていく。
>> キリンビール「本麒麟」
<取材・文/嶋田咲喜 写真/橋本真美>

























