コーヒーのプロに聞くおいしいアイスコーヒーの淹れ方

■ドリップ用のコーヒー器具を準備する

まずは、ハンドドリップでアイスコーヒーを淹れる際に必要な道具を紹介します。

▲写真左から、 “ストレーナー”  “コーヒー豆”  “ドリッパー”  “ペーパーフィルター”  “ミキシンググラス(サーバー)”  “ドリップポット”  “マドラー”  “金属製タンブラー”  “氷”

アイスコーヒーをおいしく淹れるポイントは、大きく分けて2点。濃い目に抽出することと、抽出後は急激に冷やすことです。急冷することで、コーヒーの香りや風味がたち、濃い目の抽出は、急冷する時に氷が溶けて薄まるためです。

それでは、実際にアイスコーヒーを淹れる工程を、6ステップに分けて紹介していきます!

第1ステップ:コーヒー豆をミルで細挽きにして微粉を落とす

▲今回は1人分の分量で淹れました。豆の分量は20gで、100cc抽出します

「抽出の時に大切なのは、氷で薄めることを想定して、風味を強く出すことです。

お店では、ホットコーヒー用の豆は粗挽きですが、アイスコーヒー用の豆は細挽きで抽出しています。お湯の量や抽出時間が同じでも、コーヒーを抽出する際に出る、旨味・酸味・苦味は、細かい挽き目の方が濃く抽出できるからです。

自宅でもできる限り細かく挽くことをオススメします。手挽きのミルを使用している人は調整ができないと思いますので、その時は温度で調節してください」

次に、ストレーナーで、引いた際に出る微粉をトントンとおとします。粒が揃ったコーヒー粉で抽出することは、味を均一に出すために重要なポイント。細かな一手間が味を左右する決め手となります。

第2ステップ:フィルターにコーヒー粉をセット

▲コーヒー粉をフィルターにセットしたら、表面を平らにならします

第3ステップ:90度のお湯を回し入れ、30秒蒸らす

▲コーヒーの端から1cmぐらいの位置でお湯を回し入れます。サーバーにコーヒー液が1〜2滴落ちる程度まで注いだら、30秒蒸らします

「お湯の温度は90℃が適温です。抽出量は100ccですが、多めに用意してください。温度計がない場合は、沸騰させたお湯を一度サーバーに移してから、戻し入れる方法でもだいたい90℃になります。お湯が空気に触れることで、温度が下がります」

第4ステップ:再びお湯を注ぎ、45秒を目安に100cc抽出する

▲30秒後、お湯を注ぎ入れます。この時、ペーパーフィルターにはお湯がかからないようにしましょう。縁側からお湯を注ぐと、粉にお湯がほとんどかからないまま落ちてしまうからです

▲100ccまで抽出したら、ドリッパーを外します。この時、お湯を多めに注ぎ、100ccまで落ちた時点でドリッパーを引き上げることもポイント。こうすることによって、雑味が入ることを防ぎます

第5ステップ:コーヒー液を80gの氷で急冷する

▲コーヒーを “ミキシンググラス(サーバー)” に移したら、氷をすぐに入れます

「すこし冷ましてから氷を入れるのではなく、抽出したての状態から一気に冷やします。さらに美味しさをアップさせるには、ボウルに氷を入れて “ミキシンググラス(サーバー)” を外からも冷やすといいでしょう。いかに急激に冷やすか、がポイントです」

第6ステップ:氷を入れた容器にコーヒー液だけを注ぐ

▲マドラーでゆっくりかき混ぜてコーヒーを十分に冷やしたら…

▲コップにコーヒー液だけを注ぎます

「コーヒーと氷を分けるよう、“ストレーナー” でコーヒー液だけを入れましょう。氷が入らなければいいので、茶漉しやスプーンで押さえれば十分です」

▲美味しいアイスコーヒーの出来上がり!

実際に飲んでみると、普段飲んでいるアイスコーヒーとは比にならないほど香りがたち、深い味わいに驚きました。ハンドドリップで淹れたホットコーヒーの香り、味わいはそのままに、冷たくなったよう。これは一飲の価値アリです!

【次ページ】アイスコーヒーに向いている豆の選び方とは?

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