なるほどね!4774人が考えた「理想のキッチン」

昨年、住宅・不動産の総合サイトの「SUUMO」がレシピサイト「クックパッド」の会員(4774サンプル)を対象に、『理想のキッチン』に関する調査を実施したが、そこから見えてきたキッチンに対する要求に応えた『理想のキッチン』がついに完成したという。手がけたのは、千葉県で中古住宅のリノベーションを中心に事業を展開している株式会社秀建。夢の国にほど近く、都内にも1時間以内でアクセスできる好立地のマンションの一室を、このアンケートの結果を踏まえてリノベーションしたという。

そこで料理好きの男目線でそのキッチンを調査してみた。

アイランドとカウンターのいいとこ取りの『理想のキッチン』

アイランドとカウンターのいいとこ取りの『理想のキッチン』

開放感あふれ、作業スペースの広い「アイランドキッチン」がたまらない

アンケート結果によると、希望のキッチンレイアウトは?という問いに対して、最も多かった回答が「対面式(49.3%)」、続いて「アイランドキッチン(33.2%)」だったという。そこで、採用したのは、一部配管を壁で隠した形の半アイランドキッチンと言うべきだろうか。解放感にあふれ、しかし、アイランドキッチンでは気になる、リビングダイニングから、作業場所が見えすぎるという欠点をファンクションウォール(レンガの壁)で隠した、まさにいいとこ取りのキッチンだ。

キッチンの天板も落ち着いた色合いだ。

キッチンの天板も落ち着いた色合いだ。

見所は多数あるのだが、個人的に最も惹かれたのがL字型のシンクと角に設置された水栓だ。この構造により、キッチンの内側だけでなく、外側からも水回りを使うことができる。ちょっと水を飲みたいとき、手を洗いたいときにもサッとできるのだ。

また、L字型のシンクは料理中の作業効率も飛躍的にアップさせてくれそうだ。たとえば、鍋などの洗い物が溜まった状態で野菜を洗いたいといったシーン。普通のシンクなら、先に洗い物を片付けるか、その上で洗うしかなかった。しかし、L字型のシンクなら、鍋などを奧にやることで、シンクを広く使える。これは非常に便利だと感じた。

フライパンを奧に置いて、手前でお皿を先に洗うなんてことも。

フライパンを奧に置いて、手前でお皿を先に洗うなんてことも。

さらに「マンションの配管を隠す必要があった」(秀建)ために必要だったファンクションウォール(レンガの壁)にはレードルやトングなどの小物を引っかけるポールを用意。さらにはスマートフォンやiPadなど引っかけて置ける「スマホラック」を用意することで、「クックパッドや料理本を見ながら料理するときの台が欲しい」というニーズにも対応したという。

これなら、食材の汚れや水、油がかからないので、キッチンでもそれらを広げやすそうだと感じた。

iPadも見やすい位置に置けるので、クックパッドも見やすい。

iPadも見やすい位置に置けるので、クックパッドも見やすい。

「コンセント倍増」だから多彩なキッチン家電を駆使できる

著者は数々の調理家電を試す仕事をしていることもあり、キッチンには、多くの最新調理家電が並んでいる。そんなときに困るのが、置き場所とコンセントの確保だ。忙しい現代人にとって、調理家電を有効に活用して、短時間で料理をする機能は欠かせない。

アンケートでも「料理をする上で重視していることは(複数回答)」という問いは、「効率良く料理できること(83.8%)」が1位となった。そのために今回のリノベーションでは、キッチンに設置するコンセントを一般的な4カ所(8口)から、10カ所(20口)へと倍増したという。

たっぷりとコンセントがあるおかげでレギュラー化できる家電が増えそうだ。

たっぷりとコンセントがあるおかげでレギュラー化できる家電が増えそうだ。

具体的にはファンクションウォールの2面にそれぞれ、2口と、2口×2を設置。これだけあれば、コーヒーメーカーやジューサー、ハンドブレンダー、電気ケトルなどを常用しても、コンセントが足りなくなることはなさそうだ。

また、電子レンジやオーブントースターなどを設置するエリアには、普段はそれらを隠しておける開き戸を配置。棚の中にコンセントもあるため、使いたい時に戸を開くだけでそれらのキッチン用品をつかうことができそうだ。

 

レンジ類は棚の中に設置。ゴミ箱も隠せるのがうれしい。

レンジ類は棚の中に設置。ゴミ箱も隠せるのがうれしい。

 

可動カウンターにウォークインパントリー、ステキです!

このほか、今回のリノベーションではさまざまなアイデアが盛り込まれている。最初に部屋にはいったとき、LDKのサイズにしてはキッチンが大きめだなと感じた。しかし、そのはずだ。アイランドの右側はカウンターとして稼動できる仕組みとなっているのだ。これを、ファンクションウォールの前に置くことも出来、するとキッチンの右側に解放されたスペースが生まれる。

キッチンとカウンターを長く繋げることで、料理と食事を一体化したスタイルで利用でき、リビングスペースをより広く使えるというわけだ。

また、個人的に非常に惹かれたのが、パントリー(食材庫)を用意していること。今回リノベーションした部屋は、元々独立型のキッチンを採用していたという。キッチンをリビングに向き合う形のアイランド型に変更したことで、あまった元々のキッチンスペースをパントリーとして活用しているのだ。

どんな使い方をするか、考えるだけでワクワクするパントリー。パソコンを置いて作業場にもなる。

どんな使い方をするか、考えるだけでワクワクするパントリー。パソコンを置いて作業場にできる。

このスペース、単にパントリーと言っているが、日当たりもよく、コンセントも確保。ドアこそないものの、ちょっとしたプライベートスペースとしても使えそう。料理を作っている間に、ちょっとだけ籠もって本を読むといった自分だけの時間が過ごせそうだ。

このほか、子育て世代には便利な、引き出すだけでサッと使える踏み台なども用意。子どもといっしょに料理をしたり、洗い物を手伝ってもらうといったコミュニケーションもとれる。

キッチン台の下段引き出しの一部は踏み台も兼用。子どもが乗るのにピッタリだ。

キッチン台の下段引き出しの一部は踏み台も兼用。子どもが乗るのにピッタリだ。

リノベーションを担当した秀建によると、場所柄子どものいる共働き世代を想定したということで、夫婦2人、もしくは子どもも手伝って一緒にキッチンが使えるような設計になっていた。また、前述の可動カウンターは子どもが小さい間は、勉強机としても使えそう。両親が料理を作っている間、子どもが宿題をするの見守るなんてこともできそうだ。

コンロ奥のスペースを利用して、ワゴンも収納。使いたい時だけ取り出せるのがうれしい。

コンロ奥のスペースを利用して、ワゴンも収納。使いたい時だけ取り出せるのがうれしい。

料理好きの男目線では、ガスの3口コンロを採用していること、キッチン家電を複数同時に活用できること、溜まってしまってパニックになりがちなシンクが非常に大きく洗い物がしやすいことなどが気にいった。もちろん、ビルトインの食器洗い乾燥機も設置されている。

ガスの3口コンロもうれしい。ガラストップなのでメンテナンス性も高い!

ガスの3口コンロもうれしい。ガラストップなのでメンテナンス性も高い!

ここまで紹介しておきながら、今回の物件はすでに売却済みだ。秀建の担当者によると、SUUMOとクックパッドの企画に併せてのリノベーションであることなどを公開する前に、一人目で内見された方が、即決したという。筆者もそれだけの魅力のあるキッチンだと感じた。

いつか、自宅のキッチンをリノベ-ションすることがあったら、是非参考にしたい。

(文/コヤマタカヒロ)