ご飯を美味しく写せる!「iPhone 8」のカメラはさらに進化していた!

■軽快に動くARアプリに未来を感じる

カメラ関連の機能としては、「AR(拡張現実)」も気になりました。ARの基本は、カメラに移った現実世界の映像と、画面上に表示される情報がリンクし、位置や方向が反映されるということ。例えば、ARとして表示された猫や犬は宙に浮かず、きちんと床を歩けるようになるわけです。

▲「IKEA Place Demo」では、実際の床に家具を置いてサイズ感を確かめられる

「ARKit」自体はiPhone 6s以降やiPad ProなどもサポートするのでiPhone 8/8 Plusが独占的に対応した機能ではありません。しかし、最新のA11 Bionicチップには、ニューラルエンジンが内蔵されており、こうしたAR機能を活用する際にも、負荷を軽減し、サクサクと動かせるメリットがあります。

▲星座の位置を確かめられる人気アプリ「Sky Guide」がARKit対応へ。従来は端末を向けた方向に何があるかわかるだけだったが、AR対応になることでカメラに写る景色と星座マップがリンクするように

ARは今後、教育分野において、重要なテクノロジーになっていきます。例えば、解剖学の教科書は、あらゆる角度から見られる立体映像に変化するかもしれません。全部ARで構成された図鑑とか出てきたら面白そうですね。

▲「InsightHeart」は、心臓の立体図を正確に見ることができるアプリ。心臓は宙に浮いて鼓動しており、近づくとTaptic Engineで再現された心拍が伝わってきた。心臓内部の描写もかなりリアルだ

実際にいくつかのARアプリを検証してみましたが、どれも使い心地は非常に滑らかで驚きました。いまはサードパーティ製のアプリのみですが、そのうち標準アプリにもAR機能が搭載されるかもしれないと考えるととてもワクワクします。

いつの日か、「道路上に矢印で表示されるナビゲーション」や、「QRコードを読み込むとその場に現れるツアーガイド」とかも実現するのでしょうか。勝手な妄想はどんどん膨らみます。

 

■ワイヤレス充電でライフスタイルが変わる

iPhone 8/8 Plusで忘れてはいけないのは、ワイヤレス充電への対応です。これは新たにガラス背面のデザインを採用したことで実現した機能のひとつ。

▲Belkinのワイヤレス充電マット「Boost↑Up Wireless Charging Pad」。最大7.5Wの充電をサポートする

ワイヤレス充電の規格は「Qi(チー)」といいます。同規格に対応するアクセサリーならば、原則的にどのメーカーの製品でも使用可能。今後、カフェやレストラン、空港など町中にも、続々と対応スポットが増えていくでしょう。

使い方は説明することがないほどシンプル。通電したワイヤレス充電マットの上にiPhone 8/8 Plusを乗せるだけでOKです。特に筆者が良いなと思ったのは、Lightningケーブルを頻繁に抜き差ししていたデスク周りでの使用シーン。充電しては外して、また充電しては外して、という煩雑な作業から解放されそう。ケーブルの端子が壊れる頻度も低くなるでしょう。

ベッドサイドやデスク周りで散らかっていたケーブルが、充電マットに置き換われば、部屋も少し整然として美しくなるはず。そして2018年に「AirPower」が発売されれば、Apple Watchなども同時に充電できるようにもなります。早く購入したい!

ちなみに、発表時にはあまり目立っていませんでしたが、iPhone 8/8 Plusのスピーカーは音量が25%アップしています。充電しながらApple Musicでプレイリストを再生すれば、ちょっとしたオーディオ機器替わりにも使えそうですよ。

*  *  *

iPhone 10年目を記念する年に登場した“正統派iPhone”。その使い勝手が悪いわけがありません。iPhone Xを待てない人、やはりホームボタンが欲しい人、そしてちょっとでも安く手に入れたい人。iPhone 8/8 Plusは、買う価値アリですよ。

>> Apple「iPhone 8/8 Plus」

 


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(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

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