It’s LOADMATIC~側にあるだけで…♪ 昭和の国産メカニカルを愛用してみた!

私個人にとっても、この56系ロードマチック(56LM)は思い入れの強い腕時計のひとつです。「ヤフオク!」でジャンク品が安く入手できたので、時計を分解していじるキッカケとなった腕時計。部品を取り出そうとして飛ばして紛失して、さらにもうひとつ落札するハメに…(以降ループ状態)、なんてほろ苦い思い出がいっぱいです。56LMが無かったら、こんな“時計の分解&修理”なんてマイナーな趣味の泥沼にはハマらなかったかもしれません(笑)。

いったい何が56LMの魅力かとポイントを列挙していくと…

・自動巻き、手巻き、秒針規制などの各種機能付き
・市場にタマ数豊富でパーツ確保が容易
・状態によっては安価で入手できる
・豊富すぎるケースや文字盤のバリエーション

等々、数え上げればキリがないのですが、「メカニカル腕時計をいじって遊びたい」という私のような者のために存在するような腕時計なのです。そんな56LMの名ムーブメントにもひとつだけ、弱点があるのですが…。

と、ひと通り私の56LMへの愛情を語ったところで本題に入ります。

今回、落札したのは、5601-9000という型番の56LMで、人気の高いノンデイト(日付無し)タイプです。不動品ジャンク状態での出品でしたが、修理に使えそうな部品は手元にソコソコあるので、不動品なのはあまり気にしませんでした。それよりも重要視したのは、前回記事にも書いたように文字盤の状態。文字盤の“焼け”や“剥がれ”といった劣化は私のような素人にはどうにもできないので大事なポイントなのですが、コチラの個体はコンディションも良さそうなので落札額の上限も少し高く設定。その結果、送料含め4996円で見事落札!

ブレスレットやケース、プラ風防などの外装にはそれなりに小キズもありましたが、前回のシチズンと同じような流れで分解して清掃、研磨とキレイにしていきました。最初は不動状態でしたが、特に部品の破損なども見当たらず、組み立てを終えると普通に動き出しました。オッシャー!

先述した56LM唯一の弱点というのが日付&曜日のカレンダー部分。ココの故障が大変多く、故障すると日付&曜日の早送りが不可になってしまうですが、ノンデイトタイプはそもそもカレンダー機構が無く、その心配がないから安心! というワケで人気があるのです。あと単純にデザイン的な観点で見ても、デイト窓のない方が整っていて見栄えがイイですしね。この辺りは個人の好みもあるでしょうが。

カレンダー故障の原因としては禁止時間帯(56系は20時~翌1時の間)に日付&曜日の早送りを行うと壊れやすいようで、実際オークションに出ている56LMで“動作保証無し”や“ジャンク”と記載されているのは、たいていカレンダー部分にトラブルを抱えているので注意が必要です。

ロードマチックはビジネスウォッチなので、日付&曜日カレンダー付きの方が少し高価格に設定されながらもよく売れていたようですが、そんな事情もあり、今では需要が逆転してしまったという皮肉…。メカニカル腕時計は実用品から嗜好品へと変わってしまったということでしょう。

56LMではしばしば見られる裏蓋のないワンピースケース。汗などが裏側から浸入することはありませんが、表側はプラ風防なので雨の時とかは使用を控えた方が無難ですね。オールド腕時計の防水性はあまりアテにしないように考えています。バックル部分は結構深いキズが入っていて、研磨しても取りきれませんでした。トホホ…。

文字盤の状態はとても良好でひと安心。ここ数日間、着用していましたが、時折盤面を眺めては、その美しさに「…イイ!」とニヤニヤと笑みがこぼれる私。我ながら若干キモイ(笑)ですが、5000円弱で大変満足度の高い買い物ができました。

こちらはリストショット。バーインデックス&ドーフィン針、この「ザ・セイコー」な趣きがオジサンっぽくてステキです。純正ブレスレットもセンター4連タイプでひとつひとつのパーツが細かく、その分フィット感があって良好な着け心地。現代の腕時計に比べてひと回り小さい(リューズ含めて本体幅36mm)ですが、私のような標準的Mサイズの日本人にはしっくりくる大きさ。細部に至るまで作り込まれた感があります。

50年前に誕生した往年の名機56LM。国産メカニカルの最盛期に思いを馳せつつ、明日も着用することにします。

 


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(文・写真/伏せ字)

ふせじ/時計好きサラリーマン

腕時計好きの趣味が高じて、記事を執筆することに。一介の時計好きサラリーマン。好きな時計の傾向は、ダイバーズ、青焼き針、56系LM。

>> 伏せ字だらけ~よもやま時計ブログ~

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