世界中で愛されるセイコーダイバーズウオッチの超定番「ブラックボーイ」

「SKX007」はセイコーの海外向けモデルで、国内セイコー公式のラインナップには含まれていません。そのため、大きな広告に載ったりなどはしていないのですが、質実剛健な作りと確かな防水性、クセのない完成されたデザイン、そしてお手頃な価格帯と、いくつもの魅力を備えた、時計好きの間では有名な人気ダイバーズモデルです。

サイクルが比較的早めなセイコーの腕時計ですが、この「SKX007」は1996年から20年以上(ほぼほぼ同じ形状のクオーツモデル「PYH018」も含めれば、なんと40年!)にわたって販売されている超ロングセラー。“ブラックボーイ”という愛称で世界中のセイコーマニアから愛されているダイバーズウオッチなのです。

黒ベゼル黒文字盤の「SKX007」の他にも、カラーバリエーションで、いわゆる“ペプシカラー”と呼ばれる赤青ベゼルに濃青の文字盤の“ネイビーボーイ”(「SKX009」)や、文字盤がオレンジ色の“オレンジボーイ”(「SKX011」)などもあるのですが、セイコーマニアにとって“ボーイ”と言えば、コイツらの総称になります。

さらに、ひと回り小さいボーイズサイズの“ボーイ”(まぎらわしい…!)という、そちらも根強い人気のモデルが存在するのですが、そんな“ボーイ”ファミリーについては、また別の機会に語ることとしましょう。

購入する際にはひとつ注意が必要で、セイコー海外向けモデルにはよくあるコトですがコチラの「SKX007」も、型番の末尾に付く文字からJモデルとKモデルの二種類があります。

両者は製造地域の違いと言われていて、基本的にはほぼ同じ製品です。明確に違うのは価格(Jモデルの方が数千円高いコトが多い)と、文字盤の端にすごく小サイズの「MADE IN JAPAN」という文字の有無、それと曜日カレンダーの文字の組み合わせで、Jモデルは英語とアラビア語、Kモデルは英語とスペイン語で構成されています。

ちなみに、2018年8月現在の新品実勢価格でKモデルのメタルブレスレットタイプは約1万8000円〜2万円、同じくKモデルのウレタンバンドタイプは約1万7000円〜1万9000円、Jモデルのウレタンバンドタイプは約2万3000円〜2万5000円といったところでしょうか(Jモデルのメタルブレスレットタイプは見当たりませんでした)。

個人的には「MADE IN JAPAN」に特にこだわりを感じないのであれば、安く買えるKモデルの方がオススメです。

本体仕様については、廉価帯の「セイコー5」などでよく使われる自動巻きムーブメント「7S26」を搭載していて、手巻きとハック(秒針規制)機能は無し。ケース幅は約42ミリ(リューズ含まず)で、高い防水性を確保するためにリューズはねじ込み式。リューズが大きめなので変に力を入れなくてもねじ込みできて、時間調整や日付&曜日変更の際に快適なリューズ操作が行えます。

【次ページ】まずは研磨、そしてバンド交換

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