ル・マン優勝の787Bに感涙!“1日限りのテーマパーク”でマツダの魅力を再発見

■滅多に見られないマツダのお宝モデルが多数登場

クルマ関連のイベント、それも、サーキットで開催となると、コース走行会のようなイメージを抱いてしまいがち。でも「Be a driver.Experience」は、マツダの社員が発案・制作したコンテンツを通じて、クルマの楽しさや作り手の思いに触れられるイベントとなっているのが特徴です。

そして何より驚かされるのは、コンテンツの豊富さ。ひと言で語るのは難しそうなので、今回の「Be a driver.Experience at FUJI SPEEDWAY」のイベントの様子を、エリアごとにダイジェストでご紹介しましょう。

ピットビル

2018年の「Be a driver.Experience at FUJI SPEEDWAY」のメイン会場となったのは、富士スピードウェイのピットビル。

まずは1階、レジェンド展示スペースには、ル・マン24時間耐久レースで優勝を飾ったレーシングカー「787B」のほか、マツダのレース史を彩った名レーシングマシンのレプリカなどが展示されていました。当日はそれらのデモランも行われ、展示中もメンテナンスが実施されて、ピットからロータリーエンジンのサウンドが響くと、熱心なファンがカメラを持って駆けつける…というシーンも見られました。

そのほか、ミニカーをはじめとしたマツダグッズの販売スペース、子どもが自動車整備を体験できるキッズ整備体験といった、ファミリー向けのコーナーも用意されており、親子そろって楽しんでいた方も多くいらっしゃいました。

2階は、主にマツダのクルマづくり、モノづくりを学べるコーナー。次世代技術&デザイン展示のコーナーでは、東京モーターショー2017で発表されたコンセプトカー「魁 CONCEPT」などがディスプレイされたほか、次世代エンジンやデザインに関する展示・講演も行われました。

講演の語り手は、マツダが誇る現役のエンジニアやデザイナーですから、まるで大学の講義…というほどレベルが高く、マニアックな内容。それでも、会場内には立ち見の人が出るほどで、マツダ車オーナーのテクノロジーに対する興味の高さがうかがえました。

屋上の3階スペースは、マツダの歴史を振り返る展示やモノづくり体験といったコンテンツがズラリ。「R360」や「キャロル」といった、マツダの乗用車製造の礎を築いた軽自動車や、世界初の実用・量産ロータリーエンジン搭載車となった「コスモスポーツ」などの実車が展示されたほか、パネルなどでマツダの歴史を振り返ることができるスペースとなっていました。

中でも、1980年代中盤にWRC(世界ラリー選手権)に挑んだ「サバンナRX-7」のラリーカーや、世界的にも珍しい、ステンレスボディをまとった初代「カペラ」のコンセプトモデルなど、滅多に見られないモデルも注目を集めていました。

そのほかモノづくり体験コーナーでは、プレス機によるバッジづくりのほか、エンジンや車両部品などの技術展示スペースが設けられ、エンジニアによる説明なども行われました。また、タミヤのRCカー体験コーナーでは、レース用のコースが設置され、走行体験を実施。多彩なコンテンツが用意されたピットビルは、さながら“マツダのテーマパーク”といった状況になっていました。

イベント広場

グランドスタンド下にあるイベント広場では、マツダ車のチューニングメーカーによるカスタマイズ車両を展示。現行型ロードスターだけでなく「RX-7」や「RX-8」といった絶版車もチューニングカーとして今も人気が高く、色とりどりの車両を熱心に眺める人の姿が多く見受けられました。

またその横には、ガルウイングドアを備えた軽スポーツカー、オートザム「AZ-1」が一堂に集結。

美しく磨き上げられたAZ-1がピタリと並び、ドアを開け放つ姿はまさに圧巻。生産終了から20年以上経ったクルマですが、オーナーたちの愛情の深さを感じさせました。

駐車場・カートコース

駐車場では、人馬一体体験や先進安全装備体験といった試乗コンテンツを実施。被害軽減ブレーキなど、公道では体験する機会の少ない先進技術の実力に触れられるチャンスとあって、なかなかの人気を集めていました。

また、富士スピードウェイのレーシングコースをイメージしたカートコースでは、ファミリーでカート体験を楽しむ人たちの姿も見られました。

レーシングコース

多彩なコンテンツが用意された今回の「Be a driver.Experience at FUJI SPEEDWAY」ですが、メインイベントといえばやはり、パレードランと歴代レーシングカーのデモランだったのではないでしょうか。

パレードランは車種ごとに分かれ、オーナー自らのドライブでサーキットコースにてパレードを行いますが、美しく磨き上げられたマツダ車がコースを埋め尽くす光景は、まさに壮観。ロードスターや「アクセラ」といった現行モデルだけでなく、「ファミリア」や「コスモ」といった懐かしい旧型モデルも参加しており、来場者の注目を集めていました。

そして、同イベントのハイライトが、レースマシンによるデモランでしょう。

今回は、1991年のル・マン24時間耐久レースで優勝した787Bの55号車が登場。ステアリングを握ったのは、ル・マンに29回チャレンジし、4度のクラス優勝という偉業を成し遂げている“ミスター ル・マン”こと寺田陽次郎氏。人気マシンと人気ドライバーの共演とあって、787B・55号車の周りには、出走前から大勢のマツダファンが集まり、熱視線を送っていました。

ちなみに55号車は、2011年にレストアが完了。現在は広島のマツダ本社に併設されるマツダミュージアムにて動態保存されています。そのデモランを見られる機会は、特別なイベントの際など、ごくわずかであるだけに、サーキットを走る勇姿は、まさに貴重なワンシーンであるのはいうまでもありません。

そして787Bを先頭に、レジェンドマシンによるデモランがスタート。787Bに搭載される4ローターエンジン“R26B”の快音がサーキットに響き渡ると、来場者からは思わず歓声が上がります。わずか6ラップほどのデモランではありましたが、富士スピードウェイ全体が大いに盛り上がったのはいうまでもありません。

このように、文化祭と体育祭が同時にやってきたかのような2018年の「Be a driver.Experience at FUJI SPEEDWAY」。最新技術や自動車史に触れられるコンテンツが充実していたので、まさに家族で楽しめる体験型イベントといった内容でした。そのため、熱心なマツダファンはもちろん、クルマ好きならきっと満足できたはず。次回はどこで「Be a driver.Experience」が開催されるのか、早くも期待に胸が膨らみます。

(文/村田尚之 写真/村田尚之、マツダ)


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