ラバッシュにチーズにビール!ユニークで豊かなアルメニアの食を堪能!

■アルメニアの食材と郷土料理

アルメニアは、カスピ海と黒海に挟まれたコーカサス山地にあり、海はなく、岩山が多い国です。山岳地帯での酪農で肉や乳製品が作られ、湖や渓流で川魚が育ちます。

農産物では、麦、果物、ドライフルーツ、ナッツ類、ハーブが名産です。

果物ではザクロとアプリコットが双璧で、ザクロはザクロワインにもなります。

アプリコットは、6、7月の収穫時期には生で食べられますが、お土産にするならドライアプリコットがオススメです。私も買ってきました。

アルメニアは世界で初めてキリスト教を公認した国家です(紀元301年)。肉食のタブーはなく、牛肉、鶏肉、豚肉、ラム肉がよく食べられています。上の画像は炭で焼いた牛肉で、肉質はやや硬め。野菜を包んだラバッシュが添えられていました。

挽肉と野菜、米などを混ぜた餡をブドウの葉で巻いて蒸し煮にした「ドルマ」も、この旅で何度か食べました。ヨーグルトソースやサワークリームソースなどをかけていただきます。

キャベツで巻くキャベツバージョンもあり、まさにロールキャベツ。ドルマは成人男性の親指ほどの小振りサイズに作られ、お皿いっぱいに盛り付けられて供されます。

ドルマは黒海、カスピ海周辺の国ではポピュラーな料理です。ルーマニアでワイナリーを訪問した時には、大皿にこれでもかと盛り付けたドルマでもてなしてくれました。ルーマニアの惣菜店や、ギリシャのレストランでも登場しました。いずれもサイズが小さいので、いくつでも食べられてしまいます。

挽肉にたっぷりの香辛料を混ぜて焼いた挽肉のケバブもポピュラーです。レストランではもちろん、カジュアルなテイクアウト店、お祭りの屋台でも売られていました。

アルメニアのワイナリーを訪問すると、ソーセージ類の盛り合わせがよく出されましたが、その中に、ソーセージとはちょっと違ったものがありました。左下の長楕円形のものは、水分を抜いた生の牛肉に香辛料をすり込んで乾燥させた「バストゥルマ」です。ソフトでスパイシーなビーフジャーキーといったところで、赤ワインのお供にぴったりでした。

小麦と肉(牛、豚、ラムが伝統)を混ぜて火にかけ、大きな木のスプーンでかき回しながら煮込んだ大鍋料理の「ハリサ」もアルメニアの伝統食です。食べる時にバターをトッピングしていただきます。大量に作るので、お祭りや人が集まるときの定番料理みたいですよ。

やさしい味のハリサですが、麦がお腹にたまるので、レストランで注文するならシェアをお勧めします。でないと、他の料理が食べられなくなります(笑)。

301年、キリスト教の宣教師グレゴーリが60日間の布教活動を行ないながら作り、また、1915年のオスマン帝国によるアルメニアジェノサイドの際、帝国内からアルメニアに逃れようとした人々を救ったのもハリサ。ハリサの語源は、かき回す、だそうです。

天ぷらのかき揚げとお好み焼きの中間のような、小さなお焼きもよく見ました。写真は朝食に出てきたものですが、レストランの料理の付け合わせにも出てきました。焼きたては表面がカリッとし、中はふっくら。

海がないアルメニアは、渓流や湖のマスやイワナを食べます。特に、アルメニア東部の標高1900メートルの高地にあるセヴァン湖(琵琶湖の面積の1.5倍)の冷たい水で育ったイシュハンマスが有名です。写真の魚はイシュハンマスか不明ですが、やさしい塩味の蒸し焼きで、アルメニアならではのザクロがトッピングされていました。

スーパーの魚売り場では、生魚もありましたが、燻製にした魚がずらりと並んでいてびっくり。保存性を高めるため、日本では魚は干物にしますが、アルメニアは燻製なんですね。ロシアも燻製です。あぶってウオツカのつまみにするようですが、今回はチャンスがなく残念!

中身をくり抜いたカボチャに、米とドライフルーツを詰めて焼いた「ガママ」、ヨーグルトスープの「スパス」などもアルメニアの伝統料理ですが、今回は出合えませんでした。

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