トラブル続きのイタリア旅行で「ポケトークS」に助けられた話

■シンプルな端末

▲編集部から借りた「ポケトークS」

まずは電源を入れて初期設定と仕様をチェックしていきます。

本体は名刺とほとんど同じ91.6×53.8×11.5mmで、上着のポケットに入るサイズ。最新機種にしかない特徴としては、4G/3G回線を世界中で2年間使えるグローバル通信(2年)付きモデルが用意されていること。Wi-Fiやネット回線を考える必要なく、そのまま世界中に持ち出せます。

▲初期設定では日本語を選択して、通信を有効に

起動すると画面に翻訳対象の言語が表示されるので、タップで切り替え。翻訳したい時には“ボタンを押したまま話す”、これだけ。ガイドも毎回画面に出るので、迷う余地もありません。

▲基本の使い方は下の”トークボタン”を押しながら話すだけ

▲画面タップで言語を選択。ちなみにこの画面でも言語を音声サーチ可能

▲他にもさまざまな便利機能が付いているので、活用は後ほど

電源OFFからONにして翻訳可能になるのまで約30秒かかるので、頻繁に使うなら電源ONの状態で画面が消えているスタンバイ状態にしておきましょう。利用頻度次第ではありますが、3日くらいなら充電ナシで使えます。

さあ、早速、最初の目的地であるイタリア・ヴェネツィアに飛んでみましょう!

 

■ヴェネチアは53年ぶりだというとんでもない状態…

▲秋の雨のシーズンに当たってしまったイタリア・ヴェネツィア

皆さん、ヴェネツィアがどんな街がご存知ですか? 今なお街中には車は入れず、街中を走る運河をゴンドラで移動する歴史ある街です。最寄りのベネチア・マルコポーロ空港はイタリア本土にあるので、そこからヴェネツィアの島まで陸路か水路で移動します。

せっかくなので“船でヴェネツィア入り”をしようとワクワクしながら空港の荷物受け取りに到着したら、サンマルコ広場直通の船を運行しているAlilaguna社のチケット販売機を発見。何やら張り紙がしてありますが、まだ頭が外国語モードに切り替わっていません。そんな時は「ポケトークS」の出番。

▲カメラ翻訳を起動して背面のカメラで撮影

搭載されたカメラに翻訳機能あり。何事もなくイタリアのケータイ電波も掴んでいるので、「ポケトークS」背面のカメラを向けて試してみると…、イタリア語、英語とも画像から文字を認識して日本語化!

▲15秒ほどで文字を認識して日本語化

日本語の文章としての出来は完璧ではありませんが、意味は理解できます。“高潮のため運行中止”とのこと。ああ、しっかり情報収集できてよかった! しかも、僕がヴェネツィア入りした11月15日は53年ぶりの記録的な高潮による水没被害の最中なのでした。

▲宿泊したホテルのロビーも水没していたヴェネツィア

翌日、少し水が引いていたのでヴェネツィア街内の観光に乗り出します。ヴェネツィアといえばゴンドラが有名ですが、ゴンドラはあくまで観光用。移動の足としてはACTV社の運行するヴァポレット(Vaporetto)と呼ばれる水上バスが一般的です。

▲ヴェネツィアの日常の足であるヴァポレット(Vaporetto)

せっかくなので、「ポケトークS」で“72時間券をください”と注文してみます。

 

使い方は予め言語を選んでおき(僕の旅行ではずっとイタリア語の設定)「ポケトークS」の本体下にある“トークボタン”を押しながら日本語で話すだけ。

▲この旅で初めて「ポケトークS」を使ってイタリア語で話しかけてみる

“72時間のチケットをください”と話しかけると、スピーカーからイタリア語で再生。待ち時間は1秒くらい。窓口の女性の方は、大きくウンと頷いてチケットを用意してくれました。翻訳の際に日本語でどんな文章と認識しているか画面に表示されるため、誤認識でおかしな文を喋るような心配もありません。

▲半分水没していたサンマルコ広場(翌朝さらに記録的水没)

その後、半分水没したサンマルコ広場に出かけたり、ガラス細工で有名なムラーノ島に足を伸ばしたり、建築家・安藤忠雄氏が設計を手掛けた現代美術館プンタ・デラ・ドガーナに向かってみたりとヴェネツィアを満喫。3日目の17日には街の3/4が水没してましたけどね。

▲ムラーノ島のレストランの看板を翻訳

▲現代美術館プンタ・デラ・ドガーナにも向かってみたり

割と旅慣れている僕の感覚としては、「ポケトークS」の音声翻訳を毎回使うかと言うと、日本語から翻訳を通すくらいなら不得意でも英語で話す方が早い…というのが本音。観光客が行くような有名観光都市では、だいたい英語が通じますからね。

 

【次ページ】天空の街でやってしまいました…

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