【アウディ新A4試乗】ほぼ“自動運転”を実現!進化したFFの走りにも注目

前のクルマに付かず離れず付いていき、道が右に曲がっていれば、そっと添えた両手の中でステアリングホイールがするすると勝手に動き、車線をはみだすことなく、かつドライバーを不安にさせることなく、新アウディA4は道に沿って走っていきます。

それも、「なんとか機能するね」といったレベルではなく、むしろ「オレより運転、上手いかも…」と感心させられるほど。ステアリングは早めにゆっくりと切っていき、前走車が減速するとやんわり制動がかかる。それどころか、停まる直前、スッとブレーキを抜いてショックをやわらげる気遣いまで見せてくれるほどなんです!

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以前、日産の先進技術を取材した際に、速度が変化する前走車への自動追従や、車線逸脱を防ぐためにステアリングをクルマ自ら操るシステムが実用化しており、高速道路での自動運転は「ある程度、目処が立っている」…とリポートしましたが、ここへきて、さまざまな自動車メーカーから実用化の発表が行われるようになりました。

ニューA4の新機能もそのひとつ。具体的には“トラフィックジャムアシスト”と呼ばれるもので、その名のとおり、高速道路で渋滞に遭遇した時に活用します。車載レーダーで先行車との距離をチェックし、同様にカメラで白線の位置などを確認。65km/hまでドライバーのステアリング操作をアシストします。

「65km/hまで」というのは、もしかしたら当局への配慮を含んで便宜的に決められたスペックかもしれません。お分かりの方がいらっしゃるかもしれませんが、トラフィックジャムアシストは前走車に追従する“アダプティブクルーズコントロール”と、車線からの逸脱を防止する“アウディアクティブレーンアシスト”を融合させたもの。なので65km/hを超えても、トラフィックジャムアシストの機能がクルーズコントロールとレーンアシストにシームレスに移行するだけで、ドライバーは「おや、トラフィックジャムアシストがオフになった!?」などとは、一切感じないのです。

まだまだ課題の多い市街地での作動はさておき、交通の流れがある程度整理され、白線をはじめ路上や道路脇の表示が整備された高速道路上では、いよいよ自動運転の足音が聞こえて来た…。そんな印象を強く受けたA4の新機能なのでした。

 ■プラットフォームは“evo”バージョンへ進化

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