【アウディ新A4試乗】ほぼ“自動運転”を実現!進化したFFの走りにも注目

今回ドライブした赤い2.0 TFSI クワトロ スポーツが、まさにそのSライン パッケージ装着車でした。専用バンパーに、やはり専用デザインの18インチホイール。室内は本革の内装で、バケットタイプのシートには「S」のロゴが入れられます。またインパネに貼られたデコレーションパネルには、マットブラッシュトアルミニウムが使われます。

運転席に座ってまず気づいたのは、ドライバーの足元が広くなったこと。先代A4の右ハンドル仕様は、ギヤボックスなどが室内側へ大きく張り出していて、想像以上に窮屈な思いを強いられました。でも新型は、その点において問題なしです。

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ステアリングは軽めで、A4 クワトロは相変わらず、クールに速い。細身のスーツでビシッと決めて、日々のハイウェイクルーズをさり気なくこなす…。そんな使い方が似合いそう。憧れます。

ニューA4には、対向車や先行車の有無によって照射範囲を自動調整する“マトリクスLEDヘッドライトパッケージ”(34万円)がオプションで用意されます。これを装着すると、メーターパネル内をディスプレイとして使える“ヴァーチャルコクピット”がセットで付いてきます。すでにアウディ「TT」でお馴染み(!?)の装備ですね。

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ただ、A4の場合、インパネ中央の上部に8.3インチのディスプレイを備えているので、双方に地図データを表示するのはなんだかマヌケ。「そうか! 縮尺を変えて、大きな地図と細かい地図とを使い分ければいいんだ!」と気づいたのは、試乗を終えてからでした。

もう1台、FFモデルの2.0 TFSIもドライブしました。こちらの試乗車は、オプションのレザーパッケージ(45万円)と17インチホイール(9万円)などを装着していたので、装備面では赤い2.0 TFSI クワトロ スポーツと遜色ありません。

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操作系の軽さに加え、車重自体も赤い2.0 TFSI クワトロ スポーツの1660kgと比較して120kg軽い1540kg。その上、トランスミッション、先代のCVTから、ダイレクト感の強い7速“Sトロニック”ことツインクラッチタイプに変更されたので、走りが軽やか。ドライバーのペダル操作に対して、きっちりクルマが付いてきます。

さらに、フロアの下を縦断するプロペラシャフトがないので、駆動系に起因する“ざわめき”がありません。そんなことも、スッキリした運転感覚を加速させます。新しいA4のFFモデルは「クワトロは高価で手が届かないからコチラで…」と我慢して選ぶ存在ではなく、積極的に選びたくなる魅力を備えたモデルでした。

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最後に1点だけ、気になったことを。

新型A4のシフトパターンは一般的なそれとは異なり、一番前が「R」(後退)。「P」(=駐車)レンジは、シフトレバーに付いたボタンを押す方式を採っています。

長年、AT車に慣れ親しんできた人ほど「パーキングに入れたつもりが、バックになってビックリ!」という経験をするのではないでしょうか。電子技術を駆使した安全装備を満載するA4だけに、ちょっと不可解な仕様です。慣れの問題なのでしょうか? 栄えある新型A4オーナーの方々は、どうかお気をつけください。

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<SPECIFICATIONS>
☆2.0 TFSI クワトロ スポーツ
ボディサイズ:L4735(Sライン装着車は4740)×W1840×H1410mm
車重:1660kg
駆動方式:4WD
エンジン:1984cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7AT(デュアルクラッチ式)
エンジン最高出力:252馬力/5000〜6000回転
エンジン最大トルク:37.7kg-m/1600〜4500回転
価格:624万円

<SPECIFICATIONS>
☆2.0 TFSI
ボディサイズ:L4735×W1840×H1430mm
車重:1540kg
駆動方式:FF
エンジン:1984cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7AT(デュアルクラッチ式)
エンジン最高出力:190馬力/4200〜6000回転
エンジン最大トルク:32.6kg-m/1450〜4200回転
価格:518万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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