1週間限定!和牛の“鼻先から尻尾まで”味わい尽くす

2004年『Nose to Tail Eating: A Kind of British Cooking』という著書でも発表されたファーガスの料理哲学は、「食の原点回帰」という文脈で現在も各国のフードシーンをリードするシェフたちを刺激し続けている。ある意味、食の最先端ともいえるこの潮流が、2016年5月16日より約1週間、東京・新宿「パーク ハイアット 東京」52階「ニューヨーク グリル」でも味わえるという。

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東京・新宿「パーク ハイアット 東京」52階「ニューヨーク グリル」

「ニューヨーク グリル」では昨年に続き、牛肉の消費量世界一を誇るアルゼンチン出身の料理長・フェデリコ ハインツマン氏の総指揮のもと、和牛の魅力をまるごと堪能する特別なディナーコース「NOSE TO TAIL(ノーズ トゥ テール)」を実現する。昨年、3日間限定で開催されたこのコースが予想を超える反響だったことを受け、今年は開催期間を1週間に拡大。2016年5月16日より、“Smoked & Cured(スモーク&キュア)”をテーマに国産和牛の魅力をあますことなく食べ尽くす「Nose to Tail」第二弾が開催する。

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2014年2月より「ニューヨーク グリル」料理長に就任したフェデリコ ハインツマン氏。精肉について深い造詣を持つ彼は、様々なメディアの肉特集にも登場。「Nose to Tail」ではその真骨頂が味わえる

 

今回使用される部位は、舌、心臓、テール、ブリスケット、フランクなど多彩な部位。“肉料理”に精通するフェデリコシェフの知識を全方位で駆使し、塩・砂糖・スパイス、バーボンなどでのマリネや、熟成やスモークなど、じっくり時間と手間をかけて下ごしらえした素材を、それぞれの部位の持ち味を生かす独創的な料理(調理法)で提案する。

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〈コース2皿め〉牛ハツのパストラミ 黄身の味噌マリネ ピーナッツソースとスモークバター。塩・砂糖・スパイスで65℃の低温加熱調理した牛ハツの下には、味噌でマリネしたポーチドエッグの黄身。アルゼンチンではお馴染みのピーナッツソースで融合したひと皿は、こっくりとした風味のなかにほどよく酸味を効かせている。牛テールのスープを添えて

 

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コースのテーマにのとって、使用する和牛の牛脂を練り込んだパン「パン・デ・ペシャ」も登場。スモークバターをたっぷりのせていただくのがオススメ

 

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〈コース3皿め〉「黒毛和牛のブリスケット BBQソース 人参キヌアのリゾット サンモールチーズ」。ブリスケットを塩・砂糖・スパイスで3日間マリネし、5~6時間スモーク。翌日65℃の低温でさらに5~6時間かけて調理されるという、通算5日間かけて完成する贅沢の極みともいえるひと皿

 

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〈コース4皿め〉「バーボンでマリネした黒毛和牛フランクステーキ スイートガーリック パタゴニアソルトとスモークした根セロリのピューレ トリュフソース」。“フランク”(外腹のお尻側にある稀少部位)を上質なバーボンとブラウンシュガー、塩でじっくりマリネ。表面は焼くことで軽くキャラメリゼされ、バーボンの熟成香やカスクの香りがひとくちごとに様々な風味を奏でる。添えられるパタゴニアソルトは世界最古の塩と言われるもので、熱に溶けない特性をもつ。ぜひこのソルトをアクセントに加えつついただきたい

 

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〈コース5皿め〉「“パンケケ”キャラメルクリーム ビターチョコレートアイスクリームとカカオクランブル」。アルゼンチン版クレープ“パンケケ”をニューヨークグリル風に進化させたデザート。外側はカリッとキャラメリゼされ、なかは驚くほどもっちり。ラテンアメリカではこどもから大人まで広く親しまれる“ドゥルセ デ レチェ”(クリームキャラメル)を添えて。80%カカオのビターチョコレートアイスとのコントラストも楽しい

 

下ごしらえだけでも約5日間かけて調理される料理もあり、内臓や稀少部位には慣れている日本人にとっても新たな発見が多い。前菜からメインまで、和牛の奥深い世界が体験できる「Nose to Tail」は、ディナーコースのみ全5コースで提供される。肉好きはもちろんだが、肉好きならずとも、ぜひこの貴重な1週間をお見逃しなく!

 

【NOSE TO TAIL(ノーズ トゥ テール)】
パーク ハイアット 東京 52階「ニューヨーク グリル」
期間:2016年5月16日(月)~5月23日(月)
料金:ディナーコース(5コース)2万円(税・サ別)
営業時間:ランチ 11:30-14:30 / ディナー 17:30-23:00
予約・問い合わせ: 03-5323-3458

 

(文/松浦 明

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まつうらあかり/エディター、ライター

英国・ロンドン「Sotheby's Institute of Art」で西洋美術史を学び、帰国後は美術図録の編集に携わる。ギャップ出版入社後、ライフスタイルマガジン『gap』や数々の書籍の企画・編集を手がけ2003年に独立。現在は雑誌・ウェブマガジンでの記事執筆、食ブランドや企業のフリーペーパーなどの企画・編集等を手がけている。

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