シトロエン初のPHEV仕様で何が変わった?C5エアクロスSUVの「Power of Choice」

■PHEV仕様では何が変わったか

クルマ好きなら1度は「あのモデルのエンジンが〇〇だったらなぁ」という悩みを経験したことがあるのでは…。デザインや装備はお気に入りなんだけど、希望するエンジンの設定がないというのは、少なからず遭遇する”クルマ好きあるある”かもしれません。

シトロエン「C5エアクロスSUV」は2019年5月に2リッターのディーゼルターボモデルが先陣を切って日本に導入されました。2020年4月には1.6リッターのガソリンターボエンジンモデルが追加設定され、その後もエンジンマネジメントの見直しやLEDヘッドライトの標準装備化など、バリエーションの拡大や装備の充実を図ってきました。

そして今年6月24日、ガソリンターボエンジン+電気モーター、リチウムイオンバッテリーを搭載した「C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド」が日本導入となりました。

搭載されるエンジンは排気量1.6リッターの直列4気筒ターボで最高出力は180馬力、最大トルクは300Nmを発生します。フロントに積まれる電気モーターの最高出力は110馬力、最大トルクは320Nmを発生、エンジンと合わせたシステムのトータル出力は225馬力、360Nmを発揮します。組み合わされるトランスミッションは湿式多版クラッチと電動モーターを組み合わせたPHEV専用の8速ATであるe-EAT8という設定です。

充電や電欠を気にせず走れるハイブリッド車ではありますが、モーターだけで走るエレクトリックモードの走行可能距離は65km(WLTCモード)を実現しており、近所のお買い物や通勤程度は十分にカバーできそうです。ちなみにリチウムイオンバッテリーの容量は13.2kWhで、リアシートの下に配置。室内空間や荷室は従来どおりのスペースを確保しています。

バッテリーの充電は200V普通充電器による外部充電に対応しており、コンセントタイプの普通充電器(200v 3kW)で満充電に約5時間、ウォールボックスタイプの普通充電器(200V 6kW)では約2.5時間となります。また、スマートフォンアプリ「My Citroën」を車両と連携させれば、充電状況の確認や予約、エアコンの作動も可能です。

ボディサイズは全長4500mm、全幅1850mm、全高1710mmと、ガソリン車・ディーゼル車と同じですが、車両重量は1860kgと200kgほど重くなっています(ガソリン車:1520kg/ディーゼル車1640~1670kg)。ちなみに、重量配分で見ると、ガソリン車がフロント60:リア40、ディーゼル車は61:39であるのに対して、PHEVは56:44となっています。また、リアサスペンションはトーションビーム式ではなく、マルチリンク式に改めらましたが、こうした変更が乗り味にどのような影響を与えているのか気になるところです。

さて、肝心のお値段は税込で550万円。ガソリン車が420万円、ディーゼル車が439万円(ナッパレザーパッケージは476万円)なので若干お高めではありますが、同クラスの輸入PHEVやC5の車格を考えると、かなり頑張った価格設定といえそうです。

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