手に伝わる精度と質感!ミニマムなCRKT「9912」は存在感抜群のマルチツールだ

▲クリップのついたエンド部分を抜いてビットを差し込みます

スクリュー式の蓋を外すと中に4個のドライバービットが入っています。いずれも本体との接合部はヘックスタイプで、ビットはトルクスヘッドT6、T8、マイナスヘッド0.6x4.5、プラスヘッドPH1の4種類。

ドライバービットはクリップの付いているテール部分を引き抜いた穴に差し込んで使います。ビットを挿入する穴の内側には脱落防止用のOリングが入っていて、差し込んだビットを確実に保持。非常に適合性が良いので使用中にビットが脱落するような心配はありません。

▲短い鉛筆を持つような感じで握ります

全長90mmと短くストレートなボディなので固く締まったネジを外すには不向き。構造上強いトルクをかけることはできません。緩んだネジや仮止めなどに適しています。

デフォルトで付いているT6やT8は海外製のツールではポピュラーなビット。特にマルチツールのクリップや各種ツールをハンドルに固定するネジなど、あまり頻繁に外さないネジに使われる傾向があり、それらの取り外しやメンテナンスには重宝しそうです。

▲マルチツールのメンテナンスにも

比較的硬めに締め付けられたネジでも、上から体重をかけてゆっくりトルクを掛ければ外れることもあります。

また、付属するドライバービットはどれも精度良好。マルチツールに付属するドライバービットの精度に関して不満を抱くユーザーは少なくありませんが、このツールのビットであれば納得してもらえるのでは。

もし付属のビットがあまり使わないものであれば、頻繁に使うであろうドライバービットと入れ替えて使ってもいいかもしれません。

▲ドライバービットを収める蓋の部分にも止水用のOリングが付いている

非常にシンプルなツールですが、細かい部分に至るまで精緻に作られています。ボディの細かな削り、ニッケル風の表面仕上、真鍮のテールキャップに丈夫なステンレスクリップなど実に丁寧で質の高い仕上がりです。

鍵束に付けるだけでなく、リュックやバッグのオーガナイザーに引っ掛けておいてもいいですね。

▲以前紹介したCRKT「グッピー」とのサイズの比較

ナイフやレンチを装備していないのでスリムなのは当然ですが、ドライバーをメインで使用する人にとってはこれで十分かもしれません。

▲ドライバービットを収めるだけのツールだが存在感がある

マルチツールが好きな人は単純に”便利”という理由だけでそれを所有することはないと思います。性能を越えた存在そのものに惹かれるという部分もあるのでは。

精緻なツールを日頃持ち歩けることこそが、ユーザーの満足に繋がるのではないかと考えます。今回紹介したCRKT「9912」はまさにそんなツールのひとつです。シンプルで良いものを選びたい、そんな人にオススメのアイテムです。

>> 山秀

 

>> [連載]男前マルチツールの世界

<取材・文/GOL>

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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