お土産・ランチ・かき氷!銀座の老舗が手がける「モダン煎餅カフェ」

 

松崎_内観

同店のコンセプトづくり、企画のすべてを担うのは「松崎煎餅」八代目・松崎宗平さん。まだ若き八代目が目指したのは「地域密着」「原点回帰」をテーマにした“街のせんべい屋さん”だという。

店内では「松崎煎餅」の看板商品でもある瓦煎餅や草加煎餅、あられ、おかきなどを販売すると同時に、カフェスペースでは甘味などのメニューだけでなく「ハンドドリップコーヒーと瓦煎餅」といった新しい食べ合わせを提案。また、ランチタイムには若手料理家がプロデュースするヘルシーな定食をメニューにラインナップするなど、八代目ならではの新しい発想をふんだんに取り入れながら、いわゆる“せんべい屋さん”に対する固定概念を打ち破るようなコンテンツを展開する。

松崎_ハンドドリップコーヒーちょこっと瓦煎餅付

神奈川県葉山町、一色海岸そばにあるスペシャルティコーヒーショップ「THE FIVE BEANS」の豆を使ったハンドドリップコーヒー。コーヒーを注文すると、瓦煎餅のおまけがついてくるというユニークなメニューも同店ならでは。「ハンドドリップコーヒー(ちょこっと瓦煎餅付)」540円

 

夏季限定(~9月30日)メニュー「抹茶あずき かき氷」(864円)*プラス各108円でアイスクリーム、白玉、練乳などのトッピングも追加可

ボリュームたっぷり。「クリームあんみつ」(918円)も隠れた人気カフェメニューのひとつ

ボリュームたっぷり。「クリームあんみつ」(918円)も隠れた人気カフェメニューのひとつ

ランチ(1日数量限定)は2種をラインナップ。写真は料理研究家の稲垣晴代さんが主宰するフードユニット「MOMOE」がプロデュースするランチメニュー「お惣菜7種盛定食」(1080円)。旬の素材をふんだんに使った惣菜は彩り豊かでヘルシーだ

ランチ(1日数量限定)は2種をラインナップ。写真は料理研究家の稲垣晴代さんが主宰するフードユニット「MOMOE」がプロデュースするランチメニュー「お惣菜7種盛定食」(1080円)。旬の素材をふんだんに使った惣菜は彩り豊かでヘルシーだ

 

あえて昔ながらの風情を感じる商店街に出店し、中に一歩踏み込めば驚きの展開が待っている。今まであるようでなかった「街のせんべいスタンド」のルーツは1804年創業の「松崎煎餅」にある。

江戸の華やかかりし頃、芝魚藍坂に創業。三代目によって現在の地・銀座に店を移したが、ゆうに200年以上の歴史を長きにわたり脈々と紡ぎ続けている、言うまでもなくせんべい店としては老舗中の老舗である。

「菓子業界が驚くようなスピードで多様化する今だからこそ、創業当時と同じ在り方、原点でもある〈街に根付いた店〉を提案したかった」と語るのは八代目・松崎宗平さん。

ふたを開けてみると、創業当時からの看板商品「瓦煎餅」が店で1番人気を誇るそう。瓦煎餅に絵を描くための版アーカイブスも相当数にのぼる。写真は、「江戸瓦 暦」8枚セット1080円

 

老舗が伝統を守りながらもあえて枠を壊し、新たに提案する「街のせんべい屋さん」。ここでは、物販・飲食だけでなく「体験」も提供する。

店内では「瓦煎餅の絵つけ体験」などのワークショップも不定期に開催。次回のワークショップは2016年8月28日(日)を予定。アイシングクッキーデコレーターとのコラボレーションイベントで、親子はもちろん、大人でも楽しめる内容になっている

 

松崎_新作3種

 

また、同店では、お酒に合う大人仕様にこだわった揚餅など、老舗においては実験的な新作も次々投入。これらは他の商品とパッケージも異なる同店限定商品になるのだが、オープン以降好評につき7月末にはまたあらたな新作「小揚丸(胡麻)」「八穀おこげ」「ざらめひとくち煎餅」が登場した。どれも“ひとくちサイズ”でつまみやすく、クセになる味わい。発想は新しいが、老舗ならではのクオリティはその風味・食感から十分に体感できる。

 

同店限定商品のパッケージに使われる「松崎」のロゴは、かつて使っていた紋をあらためて復刻したもの。揚餅(塩・マヨネーズ・バジル)、「小揚丸(胡麻)」は各378円、「八穀おこげ」「ざらめひとくち煎餅」は各432円と価格も値ごろで、手土産にもオススメだ

同店限定商品のパッケージに使われる「松崎」のロゴは、かつて使っていた紋をあらためて復刻したもの。揚餅(塩・マヨネーズ・バジル)、「小揚丸(胡麻)」は各378円、「八穀おこげ」「ざらめひとくち煎餅」は各432円と価格も値ごろで、手土産にもオススメだ

八代目の松崎宗平さん。裏家業ではないが、実はプロのミュージシャンとしてロックバンド「SOUR」のベーシストでもある

 

「伝統を次世代へ繋ぐための新しい提案」、「受け継がれるべき老舗ならではの職人技」などをベースにしながら、「もちろんそれ以上の体験を提供する場にしたい」という気概を感じさせる八代目・宗平さん。実は素顔ではプロのミュージシャンとしても活躍する今どきの38歳だ。もしかするとだが、いつかそのパフォーマンスを店で見れる日がくるかもしれない? とあらぬ期待をふくらませながら、ぜひともぶらりと通いたい店である。

【松崎煎餅 松陰神社前店】
東京都世田谷区若林3-17-9
(松陰神社通り商店街内)
03-6884-3296
11時30分~19時(カフェ L.O.18時30分)
ランチは数量限定 水曜日定休
http://1804.matsuzaki-senbei.com

 

(文/松浦 明

まつうらあかり/エディター、ライター

まつうらあかり/エディター、ライター

英国・ロンドン「Sotheby's Institute of Art」で西洋美術史を学び、帰国後は美術図録の編集に携わる。ギャップ出版入社後、ライフスタイルマガジン『gap』や数々の書籍の企画・編集を手がけ2003年に独立。現在は雑誌・ウェブマガジンでの記事執筆、食ブランドや企業のフリーペーパーなどの企画・編集等を手がけている。

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