愛車のオフロード性能を引き出したことはある?「NAEBA SUV DRIVEFES 2026」でジムニーノマドを走らせてみた

■オンロードでのクセがオフロードで威力を発揮

森さんの思いを体感するべく私たちも受付を済ませ、さっそくコースを走らせてもらいましょう!

苗場スキー場内にあるキャンプ場『ライジングフィールド苗場』をスタートし、ゴルフ場跡地のカート道を進みます。そして150mほど進んでからカート道を外れ、いよいよダート路に入ります。

取材時は晴天が続いていたこともあって土は乾いていましたが、ここで副変速機を4Hに入れます。まだゲレンデを上るセクションには入っていないため2WDでも走行はできる場所。でも4WDにしてメーター内に前輪と後輪が繋がったことを知らせるランプが点灯すると、テンションが上がります。

▲4WDにするとメーターに挟まれたマルチインフォメーションディスプレイ内に緑色の4WD表示灯が点灯。そして4Lに入れるとESPとデュアルカメラブレーキサポートがオフになる

 

このセクションでは4WDの性能以上に、ジムニーシリーズの伝統であるリジットアクスル式サスペンションとボール・ナット式ステアリングの威力を実感できました。

路面が土なので少し雨が降るだけでぬかるんでくるのでしょう。ぬかるみ時はタイヤが空転して土を掻き上げるので道が凸凹になり、轍もできています。そのため走行中はタイヤが凹みに入り、車体が左右に大きく振られます。このような状況でもボディ下を轍にヒットしないのは単に最低地上高が高いだけでなく、リジットアクスルによってロードクリアランスがしっかり確保されているから。さらにこの方式によりしっかりと荷重がかかってタイヤが路面に食いついていることも伝わってきます。

ジムニーシリーズは高速道路を走っていると車体がふらつきやすいのが弱点。そして軽自動車だと80km/h、普通車でも100km/hを超えてくると横風の影響を受けることが増えてきます。また、ステアリングの遊びも多く、走行中は細かく修正舵を当てています。

ところが得意フィールドであるオフロードに行くと、柔らかい足が路面をしっかりと捉え、遊びが多めのボール・ナット式ステアリングは路面からの衝撃をうまく吸収してくれているのが伝わってきます。

愛車が得意とするフィールドを実際に走ることで、日常走行時に現れる“クセ”の理由を体感できるのも、このようなイベントの楽しみの一つです。フィールドがもっとぬかるんでいれば4Lに入れた際に働くブレーキLSDトラクションコントロールの威力も体感できたのですが、それは次の機会に取っておきましょう。

■泥だらけになった愛車がカッコよく見える!

 

ダートコースから再びカート道に戻ると、今度は山を上っていきます。しばらくは舗装路なので、2Hに戻して走行。やがて舗装がなくなり、土と石が混じったザレ場の急斜面が現れます。

ザレ場へと進入する前に4Lに落としてからスタート。しかしコーナーが鋭角なので一度では曲がりきれず、2回ほど切り返すことに……。最小回転半径はジムニーが4.8m、ジムニーシエラが4.9mなのに対し、ホイールベースを延長したジムニーノマドは5.7mとミドルサイズのSUV並に大きくなります。そのためタイトコーナーは不得意です。私のジムニーノマドはMT車なので街中でも切り返しに苦労しますが、急斜面だと大変さがより顕著になります。こういうシーンで自分の未熟さを知ることで、今後の運転で何を注意すべきかに気づくことができました。

4Lで1速のまま走り出すと、路面の凸凹や岩によってボディを左右に振りながらもグイグイと急斜面を上っていきます。そして4Hの時以上に前輪と後輪が直結されている感覚が伝わってきます。「利便性を高めたノマドであっても、ジムニーはやっぱり本物のオフローダーだ」と実感できました。

今回のオフロードコースの最高標高地点であるリフト降り場で撮影していると、現行型のトヨタ RAV4アドベンチャーが上ってきました。ボディサイドは跳ねた泥で汚れまくっていますが、オーナーは満面の笑み。

「いやあ、自分のクルマでこんなところまで上がってこられるなんて驚きました。すごく楽しい! 汚れたRAV4もカッコいいですね(笑)」

RAV4以外にもジープ ラングラー、三菱 デリカD:5、トヨタ ランドクルーザー70、米国トヨタのタンドラなどがイベントに参加。みんな泥だらけになりながら笑顔でオフロード走行を楽しんでいました。

下りは先程のザレ場や芝生など、滑りやすい急斜面が続きます。そこで4Hに入れた上で、ヒルディセントコントロールを作動させます。ブレーキを踏んで車速をコントロールしなくても自動でブレーキを制御して低速で下ってくれるのはとにかく楽。作動時の「ガガガッ……」という音も新鮮です。

 

スタート地点まで戻りあらためて自分のクルマを眺めながら、ジムニーノマドはとても頼もしい存在だと感じました。同時に軽自動車や小排気量のコンパクトモデルで本気のクロカン性能を持ったジムニーシリーズを作り続けるスズキの心意気も伝わってきました。

クルマはもちろん、アウトドアギアやアウトドアウェアも、タウンユースで楽しめるもの。でもたまには本来のフィールドで使ってみることで、街中ではわからなかった実力に気づくことができる。そして実力を味わうことで、街中でも一層の愛着を持って使うことができるようになる。そんなことを感じさせてくれるイベントでした。

まだオフロードコースを走ったことがないSUVオーナーは、本イベントの2回目以降の開催を期待して待ちつつ、告知が出たらぜひ参加してみてください。それまで待ちきれない人は、ぜひ近場のオフロードコースを探してみてください。

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

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