わからないからこそ、わかりたいと思う。愛犬家とは、犬のことを考え続ける人 【with DOGS】【DOG LOVERS PRESS】

娘である10歳のはなちゃんと9歳ののちゃんは生まれたときから常に犬と一緒だ。ただ、犬を迎えることは大人である誠さん、芳美さん夫妻の選択。「子どものために犬を飼う」という発想はない。

「この前、子どもたちに話したんです。『あなたたちは僕の人生のおまけだし、逆に言うと、あなたたちの人生のおまけがパパ。だから、自分の人生を好きに生きるように』って。子どもとはいえ他者なので、どこかで線を引いて付き合っています。それは犬も同じで、どこかで獣だと思っているから、あまり擬人化せず、犬は犬として付き合っていますね」

とはいえ、犬の訓練所には娘たちも連れて行くし、姉妹はグランと訓練競技会に出たこともある。昔ながらの訓練法と最新のトレーニング法、真逆の考え方をする訓練士のところにも両方連れて行く。そこから誠さんも娘たちもいろいろ考え、感じる。犬との暮らしが子どもに与える影響として、誠さんが期待することがあるとしたら、答えを教えるのではなく、考えるネタを与えること。

▲姉妹は、犬に対する姿勢も違う。ののちゃんは小型犬が好き。ポーキーは河合家初の小型犬で、子どもたちの近くにいることが多い

▲中・大型犬が好きなはなちゃんとグラン

「犬との共生って、家畜や使役犬としてだったらイメージできると思うんですけど。現代のコンパニオンアニマルという意味では、ちょっと人間側に寄せすぎだと感じていて、犬も人間に合わせるのが大変だろうなと思います。僕自身は、犬のゴハンや病気のことは専門家に頼ればいいし、全部ほどほどでいい。今の我が家の生活環境だと、訓練もそこまで必要ない。もう少し肩の力を抜いて、もっともリスクが少なくて、長く楽しく続けられる犬との暮らしを提案してくれる人が増えたらいいな、と思います」

誠さんとの会話は哲学対話のようだ。問いがあり、それぞれの異なる考えがあって、そこからどれも否定することなく掘り下げていく。しかし、正解はない。これこそが“他者と違うまま、ともにいること”=“共生”に必要な根本姿勢なのでは、と気づかされる。

「訓練士が『犬はかまいすぎもよくない』って言うじゃないですか。だったら犬と暮
らさなければいいのになって考えてみたり。なんで一緒に暮らすんでしょうね?」

▲成犬時に迎えたグランを、最初は少し怖がっていたののちゃんも、今ではすっかり打ち解けた

▲「子どもたちがブラッシングをしている写真がたくさんある」と河合さん。世話は大人が全部するのではなく、子どもたちにも役割を担わせる

 

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<文=山賀沙耶>

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