私たちの暮らしに寄り添う犬たちも、犬種によって個性はさまざま。では、彼らのキャラクターを音でたとえると?犬好きで音楽にも精通するライターに、ぴったりの曲をセレクトしてもらった。
【選曲したのは……】

犬好き音楽ライター 黒田隆憲さん
1990年代後半にロックバンドCOKEBERRY でメジャー・デビュー。2013年と2018 年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影を行った。主な共著に『シューゲイザー・ディスク・ガイド revised edition』『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』、著書に『プライベート・スタジオ作曲術』『メロディがひらめくとき』などがある。
【黒田さんの新刊はこちら】
発売・発行:KADOKAWA
『きみがぼくになるまで 犬と家族になって一生を見届けた18年』
犬とともに生きる人なら、いつか向き合う愛犬との別れ。その日を迎えるまでに何ができるのか、そして喪失をどう受け止めるのか。出会いから最期までを実体験でたどるノンフィクションエッセイだ。愛犬家の曽我部恵一さん(サニーデイ・サービス)も推薦する一冊。
■NO MUSIC, NO DOGS, NO LIFE.
▼ゴールデン・レトリーバー

『You’ve Got a Friend』
Carole King
寄り添うような温度と安心感のある歌がゴールデンの穏やかな気質を映し出す
もともと鳥猟犬として活躍してきたゴールデン・レトリーバーは、賢く従順で、人と協調しながら動くことに長けた犬種です。現在、家庭犬としても高い人気を誇るのは、明るくフレンドリーなだけでなく、相手の気持ちを受け止めながら信頼関係を築ける懐の深さゆえでしょう。そんなゴールデンと相性がいいのが、シンガーソングライターとして数々の名曲を生んできたキャロル・キングの定番ナンバー。無条件の優しさをたたえた歌詞と、ピアノがやさしく寄り添う温かな曲調、包み込むような歌声が、ゴールデンのイメージによく合います。
▼フレンチ・ブルドッグ

『Comic Strip』
Serge Gainsbourg
フレブルにも通じるとぼけた愛嬌と洗練されたムードが同居するフレンチポップ
つぶれた鼻先や大きな立ち耳、むっちりとした身体つきまで含めて、どこを見てもユーモラスなのがフレンチ・ブルドッグ。そして洒脱さやとぼけた色気まで持ち合わせているのがこの犬種の特徴です。菊池亜希子さんやカヒミ・カリィさんにも愛された犬種としても知られ、都会的で肩の力の抜けた雰囲気を醸し出しています。そんなフレブルの印象といえば、セルジュ・ゲンズブールが「B.B.」ことブリジット・バルドーをフィーチャーしたこの曲。オシャレでコミカル、聴くほどにクセになる空気感が、フレブルのお茶目さや脱力感と重なります。
▼ミニチュア・ダックスフンド

『ダックスフンドにシンパシー』
ヤバイTシャツ屋さん
ユーモラスなシルエットにコミカルな仕草。そんな愛されキャラへの想いを直球で歌い上げる
胴長短足の独特なシルエットと、賢く陽気で人懐っこい性格。人気犬種ランキングでもトイ・プードルと並び常連なのが、ミニチュア・ダックスフンドです。ちょこちょことした歩き方と、利発そうなイケメン顔のギャップもグッときますね。そんな個性的な犬のテーマソングともいえそうなのが、ヤバイTシャツ屋さんのこちら。ひたすらダックス愛にあふれた歌詞と、ポップかつパンキッシュなサウンドが最高!軽快で耳に残る一曲で、タイトルからして直球ど真ん中のセレクトです。思わず口ずさんで、身体が動き出すような楽しさがあります。
▼柴

『桜 super love』
サニーデイ・サービス
日本的な侘び寂びの感覚がにじむ楽曲で和犬の静かな存在感と響き合う
すくっと立ったときの凛々しい佇まいと、喜怒哀楽に富んだ愛らしい表情。忠実そうに見えて、どこか猫のような気まぐれさもあるのが、柴の持ち味です。和犬を代表する存在であり、曽我部恵一さんも柴と暮らすひとり。愛犬「こはる」にインスパイアされた曲も出しているサニーデイ・サービスの楽曲が、自然と頭に浮かびました。桜の季節の柔らかな光と、日本の春らしい情緒が漂うこの曲は、桜が似合う柴犬の素朴さと端正な姿を思わせます。少し距離を保ちながらも、ふと親しみをのぞかせる——そんな和犬らしさが際立つ一曲です。
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