走る超大容量ポタ電。ダイハツ「e-ハイゼット カーゴ」を乗り回して実感したメリットとデメリット

■実際の航続距離や活用シーンは!?

電気自動車で多くの人が抱える不安要素が航続距離でしょう。カタログスペックは257kmですが、実際のところどれくらい走れるのかが気になるところです。このクルマの場合、メーターの中央に現在の走り方であとどれくらい走れるかを示す数値が表示されます。満充電での値は168kmでしたが、これはエアコンを使用した場合の距離。実際に街中や高速道路などを走ってみましたが、エアコンをONにしたままだとほぼ正確で、OFFにするともう少し伸びるというのが実感でした。

充電は普通充電とCHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電に対応しています。カタログスペックでは電欠ランプが点灯した状態から充電率80%までは約50分で充電できるとされていますが、CHAdeMOの充電器は個体によってスペックが異なります。試乗中は90Wの出力を持つ充電器で、残量約44%から30分の充電時間で84%まで回復できたので、ほぼスペック通りに使える印象です。

筆者は車中泊をする機会も多いのでその視点で考えると、電気自動車のメリットはエンジンを動かさずにエアコンを稼動させられること。近年は各都道府県にアイドリングストップ条例が存在するので、この機能はありがたく感じます。試しにクルマを駐めた状態でエアコンだけを稼動させてみたところ、1時間でだいたい走行距離10km分の電力を消費しました。バッテリーの残量にもよりますが、一晩エアコンを使ったとしてもバッテリーを使い切ってしまうことはなさそうです。

もう1つ、便利に感じたのが1500WのAC100Vコンセントが使えること。業務用で使う場合、PCや電動工具、空調服など充電が必要なものは増えていますから、移動中にこれらが充電できるのは便利でしょう。ハイブリッド車などにも搭載されている機能ですが、ハイブリッド車の場合は停車中でもエンジンがかかってしまうことがあります。電気自動車だとエンジンが掛かることはないので、休憩中なども充電を続けられるのがメリット。実際、エアコンを使いながらPCをコンセントに繋ぎ仕事することができました。

車中泊シーンで考えてみても、近年はポータブル電源を利用する人が増えていますが、電気自動車はいわばポータブル電源がクルマと一体となっているようなもの。車内で送風機や電気毛布などを動かせるので、エアコンを動かすよりも省電力で快適性を高めることもできます。個人的には自転車やバイクなどを積み込んで出掛け、目的地近くで車中泊し、次の日はアクティビティを楽しむような使い方がピッタリだと感じました。

車両価格は314万6000円~ですが、購入時には35万6000円のCEV補助金が利用できます。また、東京都の場合は自治体の補助金も30万円出るので、実質的な価格は249万円~に。それでも安い買い物ではありませんが、ランニングコストがガソリン車に比べると圧倒的に抑えられることを考えると、ガソリン価格の先行きが不透明な中では検討する価値があるのではないでしょうか。

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BEVの商用車は、カーボンニュートラルという人類的な目標達成のためには欠かせない乗り物だといえますが、個人の趣味のクルマとして考えてみてもそれなりに魅力があると感じました。特に200kmを超えるような遠出はあまりしないけれど、気軽に荷物を積んで出掛けられて車中泊やアウトドアアクティビティを楽しみたいというユーザーには魅力的な選択肢になるかもれません。

>> ダイハツ「e-ハイゼット カーゴ」

>> [特集]みんなの軽トラ・軽バン

<取材・文/増谷茂樹 写真/松川忍>

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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