保証や純正ケースを付けると3年で約50万円。それでも「iPhone Duo」は買いなのか

“フォルダブル”ってもう沢山あるのに、やっぱり「iPhone」として出てくると改めて気になりますね。

日本時間9月10日に発表されたフォルダブルiPhoneの製品名は、「iPhone Duo(デュオ)」。10月16日に予約開始、23日に発売予定、ということでポチるかどうかを決めるまでにはもう少し猶予があります。本体価格36万4800円〜という数字には正直ビビっちゃいますが、例えばApple Storeの36回払いなら月1万133円〜なので、どうあがいても手が届かないという距離でもないのが憎い。

そんなiPhone Duoは、果たして“買い”なのか。仕様や特徴を整理しつつ、その概要を改めてチェックしていきましょう。

 

■パスポートライクなサイズ感

iPhone Duoのサイズは、ヒンジを開いた状態で使う「インナーディスプレイ」が7.6インチ、閉じた状態で使う「アウターディスプレイ」が5.4インチです。縦横のアスペクト比は、どちらの画面も約1:1.4で統一されています。

iPhone Duoの製品イメージ

▲「iPhone Duo」(画像出典:Apple)

仕様表で確認できる端末のサイズは、開いた状態で幅164.6 × 高さ117.8 × 厚さ5.2mm、閉じた状態で幅84.1 × 高さ117.8 × 厚さ11.3mm。おそらくカメラバンプの厚みは含まれていない数値なので、カメラ周辺の厚みは+αで考えておきましょう。発表時に使われていた「パスポートくらいのサイズ」という表現が分かりやすいですね。ただ、日本のパスポートは幅91 × 高さ125mmらしいので、縦横ともに7〜8mmくらいの誤差はあります。

重量は254g。発売済みの現行世代と比べてみると「iPhone 17」が177g、「iPhone 17 Pro」が206g、「iPhone 17 Pro Max」が233gですので、まぁスマートフォンとしては結構ずっしりしている部類ですね。一方で、iPad miniのWi-Fiモデル(8.3インチ)が293gなので、これを“超コンパクトなタブレット”と捉えるならば、納得感のある重さなのかもしれません。

ただし、競合となるであろう「Samsung Galaxy Z Fold8」の重さは201g。厚みも開いて4.5mm、閉じて9.7mmと、ひとまわり軽量かつスリムです。「Galaxy Fold」シリーズの初代モデルが2019年発売だったことを思うと、満を持して高い完成度で登場したiPhone Duoが“7年遅れの後発機”であることも思い出します。

 

■折り目が目立ちづらい大画面

iPhone Duoのディスプレイは、リフレッシュレート最大120Hz対応で、常時表示やTrue Toneもサポート。輝度は、屋外表示のピーク輝度が3000ニトで、コントラスト比2,000,000:1、P3対応の広色域にも対応するなど、従来のProシリーズと同等のスペックを誇ります。コンテンツを視聴するには最高です。

iPhone Duoを開いた様子

▲開いて7.6型。iPad miniの8.3インチと比べるとひとまわり小さい(画像出典:Apple)

一方、フォルダブルスマホといえば、画面の折り目(あるいは“窪み”や“溝”)がつきもの。製品のイメージ写真は綺麗に整えられていても、現物を見た時に、多かれ少なかれ、どうしても折り目は存在します。ここをどう低減するかは、各メーカーがヒンジの精度を高め、ディスプレイパネルのレイヤー構造をどうするか、とあれこれと苦心しているところであって、iPhone Duoも例外ではありません。

iPhone Duoに関しては、ヒンジの部品精度を高めたうえで、さらにMacやiPadの上位モデルが搭載してきた「Nano-Texture」というコーティングを採用しているのがキャッチーなポイント。このコーティングは、MacやiPadの文脈だと「反射や写り込みを低減する」というメリットを持ち、屋外や窓辺での視認性が上がる役割を果たしました。一方で、iPhone Duoの場合には、どうも「折り目を見えづらくする」という点でも機能しているようです。

折り目が見える瞬間はどうしてもあるものの、既存のフォルダブルスマホのなかでは、かなり目立ちにくい部類である、くらいの認識でいるのがよいかなと思います。現状では評価できない部分ですが、実際に数年使ってみたうえで、折り目の目立ち方がどうなってくるのか、でiPhone Duoの真価が問われるのかもしれません。

ちなみに、年内にはApple Pencil(USB-C)もサポートするとのこと。もしiPad向けの手書きアプリ等が使えるとなれば、いろいろと面白そう。

 

■背面2眼カメラと画面下に隠れたインカメラ

フォルダブルスマホのカメラは、いわゆる“背面カメラ”のほかに、“前面カメラ”が2箇所に取り付けられる構造になるのが一般的です。これは、折りたたみ時と、開いた時とで、そもそも“前面”が2種類あるから。

というわけで、(1)背面カメラ、(2)折りたたみ時(アウターディスプレイ側)の前面カメラ、(3)開いた時(インナーディスプレイ側)の前面カメラについてそれぞれチェックしておきましょう。

まず、背面カメラは、4800万画素のメイン(光学相当の2倍ズーム対応)+4800万画素の超広角というデュアルカメラシステムを採用しています(※Appleではそれぞれ「Fusionメインカメラ」「Fusion超広角カメラ」と呼称します)。構成としては、「iPhone 17」のそれと似ていますね。

ちなみに、フォルダブルにも「Galaxy Z Fold8 Ultra」(29万6780円〜)のように望遠カメラを使える機種がすでに存在するので、iPhone Duoの36万4800円〜という価格を考えると、この点はちょっと惜しい。もしカメラメインの運用ならば、Duoと同時に発表された可変絞り機構搭載の「iPhone 18 Pro」の方が魅力的に映ります。

続いて、アウターディスプレイ側の前面カメラ(FaceTimeカメラ)は、1200万画素です。形状については、従来のiPhoneシリーズに採用されていたノッチや楕円形のパンチホールではなく、Androidでよく見かけるような円形のパンチホール型。正直言うと、好みです。ただ、生体認証で「Face ID」が使えないので、その点は把握しておいた方が良いでしょう。

▲「アンダーディスプレイFaceTimeカメラ」はこの位置に配置されている

そして、インナーディスプレイ側の前面カメラは、「アンダーディスプレイFaceTimeカメラ」と表記されるように、画面下に忍ばせる形で搭載されました。インカメラ用の穴が見えない仕様は、大画面でコンテンツを表示するときに没入感を高めてくれるのが嬉しい。ただ、仕様表にはカメラの解像度が記載されておらず、1080pでのビデオ撮影はできるものの、解像度や画質はあまり期待できないのかもしれません。要するに、ビデオ通話なら開いた状態でも良いけれど、記念撮影は閉じた状態で行った方が良いのかも。この辺りの“お作法”は、まだまだ未知数です。

 

■フォルダブル構造を活かす撮影機能

フォルダブルスマホといえば、画面の折り曲げや、カメラ側で確認できるディスプレイを活かした撮影ができることも魅力。iPhone Duoも例に漏れず、こうした機能を豊富に備えます。

例えば、「スマート撮影」は、ヒンジに少し角度をつけてスマホを立てておき、被写体がポーズをとるのを合図にシャッターを自動で切れるという機能です。ジェスチャー撮影に近い体験ゆえに、さほど目新しさは感じないものの、使い所は多いはず。

また、背面カメラで撮影中に、被写体側に向かってアウターディスプレイを表示する機能もあります。具体的には、写りをリアルタイムに確認できる「Duo Preview」や、アニメーション表示で子どもやペットの視線を惹きつけられる「キッズキュー」などがこれに相当します。

「キッズキュー」機能の使用イメージ

▲アニメーションで被写体の視線を誘うという「キッズキュー」機能(ただ、位置的にちょっと視線ずれそうな気もするけれど……)(画像出典:Apple)

ちなみに、Proシリーズと比べると対応していない機能もあります。例えば、「空間写真/ビデオ」「ProRAW/ProResビデオ撮影」などは、iPhone Duoでは使えません。また、iPhone 18 Pro/Pro Maxが新対応したAI活用で被写体にフォーカスを追従する「スマートフォーカストラッキング」機能もiPhone Duoでは非対応です。仕事レベルで凝った撮影をする人にとっては、もの足りないことがあるかもしれません。

 

■バッテリー持ちは最大31時間

iPhone Duoは、チップセットに「A20 Pro」を搭載します。これは同タイミングで発表されたiPhone 18 Pro/18 Pro Maxのそれと同じ。当然「Apple Intelligence」や「Siri AI」にも対応しており、インナーディスプレイの広い表示は、それらを使ううえでの快適さにも繋がるでしょう。

常時表示を活かしたスタンバイモードの使用イメージ

▲ちなみに、就寝時などに置き時計っぽく使うこともできるらしい(画像出典:Apple)

また、バッテリー持ちについては、インナーディスプレイを使用した場合とアウターディスプレイを使った場合で数値が異なるのが特徴です。特に、端末を開いてインナーディスプレイを使った方が消費電力は増加。公称値では最大31時間のビデオ再生、最大26時間のストリーミングでのビデオ再生が可能だとされています。アウターディスプレイ使用時にはこれがそれぞれ最大44時間、37時間へ伸びます。もちろん、ずっと画面を広げて使うことはないと思うので、現実的な数値は26〜37時間といったところ。

例えば、既存のスタンダードモデルである「iPhone 17」では、最大30時間のビデオ再生、最大27時間のストリーミングでのビデオ再生が可能とされているので、iPhone Duoのスタミナとしては通常のiPhoneと遜色ないと想像しておいて問題ないでしょう。

関連したところで、充電や外部機器との接続に使用するUSB Type-Cポートは、既存のProシリーズと同じく、データ転送速度最大10Gbpsに対応した「USB 3」。ワイヤレス充電については、MagSafe・Qi2をサポートし、最大25Wでの充電が可能です。

 

■AppleCare+は年2万9800円

フォルダブルスマホといえば、「おそらく壊れる」と思って買うのが大事。「万が一の落下で破損させてしまったときや、何かしらの不具合が発生したときに、修理が必要になる」という心構えを、通常のスマートフォン以上にしておくべきです。

前提として、iPhone Duoでは耐久性を高めるコーティングとしては、前面に「Ceramic Shield 2」が、背面に「Ceramic Shield」が使われています。そして、防水防じん性能はIP68。最大水深6メートルで最大30分間耐えられ、ホコリや砂などの内部侵入をしっかり防げるという仕様です。

ただし、どんな端末も壊れるときは壊れます。こうした仕様は「耐えられる」範囲が広いだけであって、絶対に壊れない保証ではありません。例えば、防水性能自体も経年劣化しますし、お湯も対象外です。風呂場でのんびり漫画を読むみたいな使い方は結構リスキー。価格を考えると避けたい使い方です。ただ、屋外での急な雨天などでも、絶望しなくて済むのは安心できるポイントでしょう。

製品ページのAppleCare+の表記

▲製品ページのAppleCare+の表記(https://www.apple.com/jp/shop/buy-iphone/iphone-duo)

Apple公式の保証としては、すでに「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」の値段を確認できました。価格は2980円/月または2万9800円/年。解約しない限り自動更新です。最新世代の「iPhone 18 Pro」でも1940円/月または1万9400円/年なので、iPhone Duoの保証はかなり高額な印象です。ただ、それでも入っていた方が良いでしょう。ご予算にはこの数値を含めておくことをお忘れなく。

*  *  *

最後に、発売日と価格をおさらいしておきます。iPhone Duoは、10月16日に予約開始で、同月23日に発売予定です。カラーバリエーションは「スターホワイト」と「ナイトスカイ」の2色から選べます。

ストレージ容量は256GB、512GB、1TB、2TBの4サイズ。Apple Storeでの価格はそれぞれ以下の通りです。

・256GB:36万4800円
・512GB:39万9800円
・1TB:46万9800円
・2TB:57万4800円

純正の保護ケースとしては、シンプルな「iPhone Duoケース」(1万4800円)やスタンド付きケースの「iPhone Duo Folio」(2万4800円)が用意されています。加えて、サードパーティ製のアイテムも続々と展開されるでしょう。

「iPhone Duoケース」の装着イメージ

▲「iPhone Duoケース」を装着した製品イメージ(画像出典:Apple)

本体価格が36万円台からで、純正保護ケースをつけると40万円弱。さらに先述したようにAppleCare+で年3万円弱がかかるので、キャリアの端末購入補助等を使わずに購入して3年使うとなると、50万円弱は見積もっておいた方がよいでしょうね。ハードルは低くありません。

ただし、例えばiPad miniとiPhoneを2台持ちする場合、iPad miniが9万9800円〜、iPhone 17が15万9800円〜なので、もし両方買うと25万9600円〜。場合によっては、そこにApple Care+の料金がかかっています。それをiPhone Duo単体で済ますことで、2台持ちのデメリットがなくなり、取り回しが良くなるわけです。差額にだけ目を向ければ、iPhone Duoを買う価値があるか、冷静に検討しやすくなるかもしれません。

 

でも、やっぱりちょっと高いなぁ…。

>> Apple

<文/井上

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

 

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