ワンダー、グランド、スポーツ… “あの頃”の「シビック」を振り返る

■4代目(1987年~) VTEC搭載のSi-Rが登場

全長を150mm、全幅を50mm拡大し、「グランドシビック」と呼ばれた4代目シビック。4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションでコーナリング性能を高め、レスポンス性に優れたエンジン(1.3L、1.5L、1.5Lデュアルキャブ仕様、1.6L、1.6L DOHC)を採用するなど、スポーツ性能が大幅にアップ。エクステリアには大型エアロバンパー、ドアミラー、三次元テールゲートなど、空力性能を高めたものが採用されています。ボディタイプはワンダーシビック同様、3ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアのシャトルが用意されました。

主力は1.5Lでしたが、走りを求める若者からじは1.6Lを積むSiが支持されます。そして1989年9月のマイナーチェンジでは、ボディ剛性が向上するとともにリッター100馬力(160ps)に到達した1.6L DOHC VTECエンジンを搭載するSi-RとSi-RⅡが追加されます。

1980年代後半から'90年代はグランドシビックをチューンして峠や環状線を走る若者が激増。当時の仕様のクルマは現在でも中古車サイトで見かけます。

 

■5代目(1991年) カップルがとことん楽しむクルマに変貌

スポーツシビックと呼ばれた5代目は、5ドアのシャトルが廃止され、3ドアと4ドアの展開に。4ドアはシビックフェリオという名前になりました。1993年にはアメリカで販売されていたクーペが日本でも発売されます。

このモデルではスポーツ性と低燃費の両立が図られ、エンジンは3タイプのVTECが用意されます。Si-Rに搭載されたDOHC VTECは最高出力170馬力を7800回転で発生。リッターあたり106馬力を超える出力を発揮しながら13.4km/L(10モード)という当時としては低燃費を実現。サスペンションはスポーティな4輪ダブルウィッシュボーンに。

3ドアハッチバックのリアゲートは上下2段にで開閉するツインゲートを採用。大きなゲートをすべて開けなくても荷物の出し入れができるように。これまでシビックは3ドアでも室内の広さを重視し大人4人がゆったり乗れることをコンセプトにしてきましたが、スポーツシビックはクルマは2人のもの。後席も前に座る2人のためにあるという「ワンルーム&ツインゲート」という発想で開発されています。さらに若者の体形に合わせてタイヤハウス位置などを設計するなど、“カップルのためのクルマ”を前面に押し出しています。

 

■歴代シビックに今乗るなら?

中古車情報のカーセンサーnetを見ると、初代と2代目の中古車はほとんど流通していません。ワンダーシビックも流通量は全国で5台ほど。手に入れるならグランドシビックかスポーツシビックが現実的と言えるでしょう。ちなみにグランドシビックの価格帯は30万~180万円、スポーツシビックは50万~120万となっていました。

ただ、どちらも流通しているのはかなり走り込んだSi-Rが中心。さらに何かあったときにパーツが手に入るかどうかわからないため、シビックに詳しい専門店を見つけて相談するようにしたいところです。

 


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(文/高橋 満<ブリッジマン>)

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