ダイソン、バルミューダの実力は? 2017年家電のトレンド総決算<後編>

■調理家電は続々と注目製品が登場!

安蔵:毎年魅力的な商品がキラ星のごとく登場する調理家電ですが、2017年も相変わらずウキウキするような製品が目白押しでしたね。

奈津子:バルミューダは炊飯器の「ザ・ゴハン」も発売しましたけど、私は「ザ・レンジ」がとても魅力的に感じました。機能面で目を見張るものはないんですけど、シンプルで分かりやすい設計が逆に新鮮で、「そう来たか!」という感じでした。

▲バルミューダが2017年12月に発売した「バルミューダ ザ・レンジ」(実勢価格4万7000円~)

安蔵:デザインがよくて操作しやすく、機能も電子レンジにオーブン機能が加われば十分。割り切ってますよね。

奈津子:レストランの外観をイメージしたというLED照明のデザインと、アコースティックギターで作られた操作音、温め完了後にディスプレイに表示される「ENJOY」という表示など、日々の生活が楽しくなりそうな演出が好きです。

安蔵:日本の大手メーカーは多機能、高機能ばかりに目を向けがちで、近年どんどんおしゃれになるキッチンにどう映えるかという発想がちょっとなおざりな気がします。そういう演出の面では、もっとバルミューダを見習ってほしいですね。

奈津子:自宅に置いたことで「慌ただしかった朝の時間が少しだけ楽しいものになった」という寺尾社長のエピソードにもうなずける、遊び心あふれる一品です。昨年はなんとオリジナルの「カレー」まで発売したバルミューダには、今年も目が離せません。

 

■2017年調理家電のベストは「ロティサリーグリル&スモーク」?

安蔵:個人的にはかたまり肉を回転しながら焼いたり、くん製機として使えるパナソニックの「ロティサリーグリル&スモーク」がとても魅力的でした。

▲パナソニックが2017年11月に発売した「ロティサリーグリル&スモーク」(実勢価格4万7400円)

奈津子:ちょうどいいかたまり肉をスーパーで探しづらいという意見をちらほら聞きましたけど、実際に購入したというホムパ好きの私の友人たちからはすこぶる評判がいいです。

安蔵:「肉のハナマサ」とか「コストコ」のような業務系スーパーに行けばかたまり肉も普通に手に入りますし、まあ大きめのスーパーならだいたい買えますよ。

奈津子:通常のオーブントースターとしても使えるので、ローストビーフやチャーシューだけでなく、毎朝のトーストにも使えて便利です。くん製機能が付いているところもポイント高いですよね。ホムパ好き&飲んべぇにはマストアイテムなのではないですか?

安蔵:まさにそうなんですよ。まだちょっと高いですし、これを買ったら“宅飲み”が進むこと間違いないです(笑)。

 

■“ほっとく家電”「ヘルシオ ホットクック」も第3世代に

安蔵:調理家電では、最近「自動調理鍋」が注目されていますよね。シャープの「ヘルシオ ホットクック」も第3世代になって、さらに進化しました。

▲シャープが2017年10月に発売した「ヘルシオ ホットクック KN-HW24C」(実勢価格7万3700円)

奈津子:IoT対応で、メニューの選択時に番号入力をしなくてよくなった点が本当に便利です。「まぜ技ユニット」がついていて、カレーなども自動的にかき混ぜてくれるので、時短調理家電の革命的な存在と言えるんじゃないでしょうか。

安蔵:高齢者の方にはもうちょっとディスプレイが大きい方がいい気もしますが、画面だけ見て操作できるのは便利ですよね。

奈津子:新モデルを実際に3カ月ほど愛用しているのですが、専用のスマホアプリと連携できる点がかなり便利です。アプリ内では使いたい食材を複数選択して最適なメニューを検索できる上に、使いたくない食材の指定ができたり、調理時間の指定で検索をできたりもします。

▲奈津子さんが愛用しているというヘルシオ ホットクックで作った「無水カレー」

安蔵:私はまだそこまで試せていないのですが、それは便利そうですね。予約調理もできるので、共働き家庭にも便利だと思います。

奈津子:大量調理が手軽にできるので、「忙しいけど家で食事したい」という独身の方にもピッタリです。冷凍してそのまま弁当の材料にも使えますから。「占い」機能を使えば、ちょっとした質問にいくつか答えるだけで最適なメニュー提案もしてくれます。

安蔵:「占い」と言っていますが、要するにアンケートですよね(笑)。

奈津子:まあそうなんですけど(笑)。シーフードカレー、ポトフ、パスタ、うどん、ロールキャベツなど一通り作りましたけど、どれも本当においしかったです。

▲ヘルシオ ホットクックで作ったロールキャベツもおいしく仕上がったとのことだ

安蔵:ハイアールの「アイスデリ」シリーズもかなり魅力的な製品でしたね。

奈津子:そうなんです! これまでのアイスクリームメーカーは事前冷却式だったのですが、これはペルチェ式冷凍方式のため事前に本体を冷やす必要がなく、食感を6段階で選べる点も◎。実際に製品を借りて何度もアイスクリームやシャーベットを作りましたが、気分に合わせてレシピを選べる点や、ゲストの好みに毎回応えられる点が超優秀です。

▲左からハイアールが2017年5月に発売したアイスクリームメーカー「アイスデリ プラス」(実勢価格1万300円)と「アイスデリ」(同7200円)

安蔵:冷製調理に使えるというのも魅力ですよね。

奈津子:そうなんですよ。サラダ用のドレッシングや冷製パスタなどが手軽にできるため、調理の幅がかなり広がりそうな気がします。

▲「このアイスクリームのおいしさは、一度試してみてほしいです!」

安蔵:ここで紹介しきれないほど調理家電には魅力的な商品が登場しましたね。

奈津子:そうですね。私のような独身者だけでなく、共働き世帯でも「時短調理」というのは重要ですから、今後も「自動調理家電」なども含めて魅力的な商品がたくさん出てくることを期待したいです。

 


【家電女優・奈津子×安蔵靖志の「最新家電レポ」】


(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

 

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あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

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なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」

 

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