そして、同社が東京と京都で運営するクラフトビアレストラン「スプリングバレーブルワリー」の名物黒ビールが「Afterdark」(ハーフ:700円~)だ。下面発酵酵母仕立ての爽快感をもちながら、乳糖による甘香ばしいコクが絶妙で、裏テーマは“黒ビールが苦手な人でも美味しく飲める黒ビール”。
▼黒ビールの個性を味わおう
▲左から、麦汁の贅沢なうまみを生かした「キリン一番搾り <黒生>」。超シルキーな泡も魅力の「ドラフトギネス」。乳糖の甘みがロースト香と調和した「スプリングバレーブルワリー」の代表的な黒ビール「Afterdark」
田山さん自身「ブラックコーヒーが苦手な人でも、砂糖を入れたら飲める。みたいな世界観」とはにかむ自信作だ。乳糖の甘みはスイーツとの相性もよく、同店ではケーキとのペアリングも積極的に推している。
では、黒ビール全体としてはどんな料理がよく合うのか。田山さんにフードペアリングのオススメを聞くと、カギは「ロースト」にあるとアドバイス。「黒ビールは麦を焙煎しているため、料理もローストされたものがより合うんです」とのこと。
例えば魚なら刺身より炙りが合うし、野菜も生や蒸しよりグリル。肉なら、炭火で仕上げた焼き鳥が最高ってな感じだ。また、飲み方としては「乾杯の1杯目もいいですが、お腹も落ち着いた2、3杯目からは黒ビールで趣向を変えるのもオススメですよ」とにっこり。
フードペアリングといえば、キリンビールが新たに始めた工場見学の特別ツアーも見逃せない。同社の工場見学は全国9カ所で実施されているが、今春からプレミアムな有料プラン「キリン一番搾りエクスペリエンスツアー」が新登場。
そこでは3種類の「キリン一番搾り」に合わせたフードが提供されるが、黒ビールには各地域の特色を活かしたスイーツをペアリング。「ほとんどの工場では、チョコやあんこ系など“黒いスイーツ”が選ばれています」とは田山さんの談だが、色を合わせる手法はフードペアリングの近道。参考にしてみよう。
▼黒ビールが「寅さん」なら、スイーツは「さくら」だよ
▲「特製焼きチョコレートケーキ」(800円)。2015年の開業時から「Afterdark」とのペアリングが絶賛されてきた傑作。チョコの濃厚なコクとビールの甘香ばしい風味がドンピシャで、フレークソルトもイイ
夏はビアガーデンも盛況だが、その多くで「ハーフ&ハーフ」が提供されている。これは基本的に「ピルスナー」と黒ビールをブレンドした飲み方であり、「ハーフ&ハーフなら飲む」という人も少なくないだろう。ならばぜひ、訪れていただきたいのが前述「キリンシティ」だ。
同店では全3種の「ハーフ&ハーフ」が用意され、なかでも「達人ブレンド」が人気。もちろん、ビール専門店ならではの「キリン一番搾り <黒生>」もご馳走レベルの美味しさだ。
▲「達人ブレンド」(レギュラー700円~)。「キリン一番搾り <黒生>」と「キリン ブラウマイスター」を合わせたコク深い一杯で、「キリンシティ」のブレンドビールでは人気No.1を誇る
▲バブル絶頂期1988年の意欲作「キリンハーフ&ハーフ」
いくつかトピックスを紹介したが、黒ビールの魅力をわかっていただけただろうか。「でも近所に売ってない」という声も聞こえてきそうだが、それを言っちゃあ、おしまいよ。シックでクールな黒モノとともに黒ビールも気に入っていただけたら、結構毛だらけ猫灰だらけである。
※2026年7月6日発売「GoodsPress」8・9月合併号「GoodsPress Premium」10-11ページの記事をもとに構成しています
<文/中山英明>
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