ジュラルミン&蛇行迷彩「飛燕I型丁」のメッキ仕様キットを製作!【達人のプラモ術<飛燕>】

■今年新たにメッキ仕様が発売に!

▲タミヤ「1/48 川崎三式戦闘機 飛燕I型丁 シルバーメッキ仕様(迷彩デカール付き)」(4730円)

今回製作する1/48飛燕は、2016年にタミヤが発売したキットですが、2021年9月メッキ仕様が発売されました。本土防空戦にてB-29の迎撃で活躍した有名な高島俊三少佐機は、ジュラルミンの地肌に特徴的な蛇行迷彩に必勝と書かれた赤い尾翼で、飛燕の中でもモデラーにも人気が高い機体です。しかながら、この迷彩を塗装で再現しようとすると、これがなかなか大変なんです。エアブラシを駆使しても大変手間がかかります。

そこでタミヤは考えてくれました、キットをメッキ仕様にして、複雑な迷彩はデカールにしてしまえば、誰でも労苦せずカッコ良い飛燕が作れるじゃないかと。というわけで、今回はこの1/48飛燕を製作します!

▲メッキといってもギラギラしたクロームメッキではなく落ち着いた半光沢仕上げになっている

▲パイロットもメッキされてギラギラ輝いています

▲日本機独特の蛇行迷彩をデカールで再現。胴体左右と主翼左右に分割されている。丸く抜けているのは日の丸が入るため

 

■メッキキットの悩みどころ

キットは見ての通り、リアルなジュラルミンの金属感をメッキで再現してくれています。とはいうもののコクピットやエンジン、プロペラといったパーツはやはり塗装しないとサマになりません。

なので塗装が必要なパーツはメッキを落とさなくてはいけないのです。そのままでも塗装はできますが、メッキの表面は塗料が定着しません。

メッキは塗料用シンナーでは落とせません、研磨して落とすのも無理があります。そこで今回は、タミヤが発売しているペイントリムーバーを使います。

▲今回使用したタミヤ「ペイントリムーバー」(1210円)。樹脂表面を傷めることなく塗料とメッキを落とすことができる溶剤だ。水溶性で刺激臭も少ない

本来はアクリル塗料、ラッカー塗料などをお落とすための溶剤ですが、素材のプラスチックを痛めることなくメッキも落とすことができます。

▲タッパのような容器にペイントリムーバーを注いでパーツをつけておけば1時間程度で、表面のクリアーコートもろともメッキを落としてくれる

▲塗装が必要なパーツはまとめてペイントリムーバーに1時間ほど漬け置き

▲これは模型メーカーのハセガワが発売している「模型用目メッキはがし剤」(2200円)。パーツを浸けておくだけで、メッキを浮かせて剥がせる。表面のクリアー塗料とプライマー(下地剤)も同時に剥がし一回の行程でメッキを離作業を完了できる

 

■パーツ表面に切り取り跡が残らないアンダーゲート

もうひとつのメッキキットの悩みが、パーツの切り口です。ランナーからパーツを切り離した際に切り口部分のメッキは削れてしまいます。これではせっかくのメッキが台無しになってしまう。いやいや安心してください胴体や主翼などの主要パーツはすべてアンダーゲートになっていました。

アンダーゲートとは、パーツのゲート(ランナーと繋がる部分)をパーツの断面部ではなく、接着面に設けているもので、これでランナーから切り離しても表面に傷がつかないようになっています。

▲ランナー主翼、胴体の接着面につながって凸になっている。これがアンダーゲート

そしてパーツの接着ですが、メッキにはプラ用の接着剤が効きません。だから接着面はデザインで削ってメッキを落としておきます。これで通常の接着剤が使えます。小さなパーツには瞬間接着剤を使います。

▲そのままでは接着剤が効かないので主翼パーツの合わせ目部分のメッキを削り落としている

次回から本格的に製作に入ります。お楽しみに!

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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