飛行機モデルの見せ場!エース機のコクピットを塗装でリアル再現!【達人のプラモ術<飛燕>】

■組んでから塗装する

コクピットはサイドパネルを含めると20個以上のパ-ツで構成されています。インスト(説明書)ではそれぞれのパーツの詳細な塗装指示がなされていますが、ともかく細かいので個々に塗装していくには手間がかかります。

▲愛用のタミヤ「精密ピンセット(ツル首タイプ)」(1540円)。精度が高く、はさんだパーツを飛ばしにくい。ステンレス製ではさむ際の弾力が強すぎず弱すぎず使いやすい。これを使って組んでいく

そこでコクピット本体やサイドパネルをできる限り組みあげてしまい、指定の機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)で一気に塗装し、レバーやスイッチ類は後から筆で塗装していくことで、効率的に製作を進められます。

▲コクピットはレバー類など非常に小さいパーツが多いので、組み立てにはピンセットが欠かせない

▲操縦桿やレバー類、サイドコンソールは塗装前に接着してしまう。シートや計器盤フレームのフットペダルなども同様。それぞれをブロックとして組み上げておいて塗装する

▲まずは下地に黒を塗装

▲塗装を済ませたコクピットパーツ。下地の上に機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)を塗って仕上げている。スイッチやレバー類は筆で色を乗せていけばOK。計器盤はデカール

▲塗装して組み上げたコクピット。精密感抜群で、完成後の見せ場になる。計器盤後ろの黒いパーツは機首の機銃だ

 

■メッキを落とせない部分はメタルプライマーで下地処理

コクピットの両サイドとなる胴体内側部分も、パーツを取り付けて機内色で塗装しなくてはいけないのですが、当然ながらメッキされています。胴体の外側はメッキを活かすのでメッキ落とし剤は使えません…。困りましたね。

そこで、この部分は金属パーツへの塗料の食いつきを良くする下地剤「メタルプライマー」を使います。

▲エッチングパーツやダイキャストパーツといった金属パーツの下地処理用として使えるプライマー一種「メタルプライマー」(550円)。塗料の食いつきが良くなり塗膜のはがれを防いでくれる

メタルプライマーを胴体内側のメッキ面に塗布しておくと、その上から機内色で塗装しても塗膜が剥げにくくなります。メタルプライマーであってもメッキの表面では塗料の定着を若干良くする程度ですが、胴体内側内部は完成後に手で触れることはないので、これで問題ありません。

▲メタルプライマーを塗布した状態

▲メタルプライマー塗布後、機内色の下地色としてセミグロスブラックを塗装しておく。これで陰影が強調される

▲機内色(タミヤ「アクリルミニ XF-59 デザートイエロー」)の塗装が完了した胴体内部。スロットルレバーやスイッチ類は面相筆で色を乗せている

ならばコクピットのパーツもわざわざメッキを落とさずともメタルプライマーでいいのでは? と思われるでしょうが、小パーツにプライマーを塗装すると塗膜の厚みでパーツのシャープさが失われてしまうので使用を避けています。

 

■メッキパーツはプラ用接着剤が使えない

メッキを落としたパーツは通常のプラ用接着剤が使えますが、メッキパーツは接着剤がプラ材を溶かせないため使えません。胴体内側の小パーツ類は瞬間接着剤を使用して接着しています。メッキをはがしてプラ用接着剤を使う際も、接着強度を増すために接着面のメッキ被膜をカッターやヤスリで削ってから使用します。

▲胴体に取り付ける座席後部は接着面のメッキを削り落として取り付ける。瞬間接着剤はメッキ表面にはみ出すと白濁するので、ここは流し込み接着剤を使用する

▲パーツは取り付け後にパーツ裏側から流し込み接着剤でしっかりと接着する。その際、接着剤の刷毛では奥まで届かないので、面相筆を使うと作業がラク

 

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