【もうすぐ出ますよ!注目の日本車】3年ぶり復活のトヨタ「RAV4」は大ヒットの予感!

■“キムタク”で話題を呼んだ人気車はなぜ日本から消えた?

初代RAV4

新型の解説をする前に、まずはRAV4の歴史について振り返ってみたいと思います。

初代RAV4は、1994年に登場。5ナンバー枠に収まる日本の街中にもマッチしたボディサイズと、人気絶頂だった“キムタク”こと木村拓哉さんをイメージキャラクターに起用したプロモーションなどが話題を呼び、デビュー当初から人気を集めました。

当時のSUVといえば、トヨタ「ハイラックスサーフ」など、ピックアップトラックをベースに開発されたモデルが主流で、使い勝手やスタイルは魅力的でありつつも、乗り心地を始めとする走行性能に関しては、洗練されていないクルマが多かった時代です。

ハイラックスサーフ

そんな中で初代RAV4は、乗用車向けに作られたシャーシをベースに車高を上げた、“クロスオーバーSUV”の先駆けとしてデビュー。過酷な悪路での走破性よりも、レジャーシーンや都市部での普段使いに重点を置き、街乗りでも快適な走りを実現していました。

初代RAV4 V(ファイブ)

こうして新しいSUV像を打ち出した初代は、日本だけでなく世界中で大ヒット。RAV4は瞬く間に、トヨタの人気ブランドへと成長します。余談ですが、歴代のRAV4がこの25年間で記録したグローバル市場における累計販売台数は、実に800万台オーバー! そのうち300万台以上を北米マーケットでセールスしています。実際、日本では販売されていなかった先代の4代目モデルは、2017年、北米市場で41万台という過去最高の販売台数を記録。米国で一番売れたSUVの称号を勝ち取っただけでなく、北米で販売されるトヨタ車の中で、一番売れたモデルとなりました。

そんな大ヒットモデルであるにも関わらず、なぜRAV4は2016年を最後に、日本での販売を終了したのでしょうか? それは、世界的なヒットを受け、北米市場でのニーズに応えるべく、2代目以降、ボディサイズが拡大されたこと、そして、日本市場ではミニバン人気が高まったことなどが、その要因として挙げられます。

しかし今、日本市場は空前のSUVブーム。日本車はもちろん輸入車にも、魅力的なモデルが多数ラインナップされ、販売的にも成功しています。また人気SUVは、ほとんどが3ナンバーサイズと大型化。そうした状況も、RAV4復活の追い風となったのは間違いありません。

■RAV4らしく力強くも洗練されたデザインを採用

ニューヨーク国際自動車ショー2018で発表された新型RAV4の一番の注目ポイントは、トヨタが取り組むクルマづくりの構造改革“TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)”に基づいた、新型プラットフォームの採用です。その結果、ボディの高剛性化と低重心化が図られ、走りにも好影響を及ぼしていると予想されます。

“オクタゴン(八角形)”をモチーフにしたエクステリアは、従来モデルと比べて全幅が10mmワイドになったほか、最低地上高もアップ。大径化されたタイヤ&ホイールと相まって、SUVならではのタフで力強く、アクティブな印象を受けるとともに、都市にもマッチする洗練されたルックスとなっています。この辺りは正式デビュー後、実車でしっかりチェックしたいところですね。

また、トヨタ自動車の公式ホームページ上では、日本仕様のプロトタイプをベースに、トヨタ系列のチューニングブランドであるTRDやモデリスタがドレスアップしたモデルの写真も公開済み。オーナーの好みに合わせて思い思いのモディファイを楽しめる点も、新型RAV4の魅力のひとつといえそうです。

インテリアは、先行デビューした「C-HR」や「カローラスポーツ」のそれに通じる、水平基調のインパネ形状が特徴。ドライバーにとっては、前方、側方の視界が良さそうなレイアウトになっています。また、インパネの中央上部に、カーナビゲーションなどを表示するモニターをビルトインするためのスペースを設け、視認性を高めているとともに、その下にエアコンを始めとする空調の操作パネルを集約し、シンプルなデザインと優れた操作性を両立しています。

トヨタ自動車の公式ホームページ上で公開されている、日本仕様プロトタイプの写真では、明るいグレーを基調色とし、オレンジの差し色が入ったポップな印象のものと、黒一色のシックな印象のもの、2種類のインテリアが公開されています。どうやらグレードなどによって、インテリアのカラーコーディネートも差別化が図られる模様です。

ちなみに、北米市場などで販売されていた先代モデルより、ホイールベースが30mm延長されているため、リアシートにも十分なスペースが与えられていることが想像できます。

■ガソリン仕様には新しい4WDシステムを投入

ニューヨーク国際自動車ショー2018で発表された新型RAV4には、2種類のパワーユニットが用意されていました。

ひとつは2.5リッターのハイブリッドで、こちらは「カムリ」に搭載されるものと同じものと思われます。ちなみにカムリに搭載されるパワーユニットは、エンジンの最高出力が178馬力、同最大トルクは22.5kgf-m、モーターの最高出力が120馬力、同最大トルクが20.6kgf-mとなっています。

北米向けの新型RAV4は、ハイブリッドのほかに2.5リッターの直列4気筒ガソリンエンジンが用意されていますが、日本向けは税制などを考慮し、先にデビューしたレクサス「UX200」と同じ、高効率な2リッター直列4気筒ガソリンエンジンになると予想します。ちなみにUX200のエンジンスペックは、最高出力174馬力、最大トルク21.3kgf-mとなっています。

ニューヨーク国際自動車ショー2018で発表された新型には、FFと4WDというふたつの駆動方式が用意されていましたが、こちらは日本仕様でも同様になると思われます。中でも注目は、ガソリンエンジンに組み合わされる4WDシステム“ダイナミックトルクベクタリングAWD”。これは、油圧多板クラッチを使い、前後だけでなく、リアの駆動トルクを左右それぞれコントロールするという新世代のもので、優れた走破力と操縦安定性を実現するだけでなく、燃費の向上にも寄与すると見られています。ちなみにハイブリッド仕様の4WDは、“E-Four”と呼ばれるリアタイヤをモーターで駆動するシステムになりそうです。

先行してTNGAを導入しているC-HRやカローラスポーツが、走りの面で高い評価を得ていることを考えると、新型RAV4の走りも相当期待できそうですね。

もちろん最新モデルだけに、予防安全装備も充実。ニューヨーク国際自動車ショー2018で公開された新型では、歩行者や自転車の検知機能を備えた“プリクラッシュセーフティ”や、車線を維持するために必要なハンドル操作を支援する“LTA(レーントレーシングアシスト)”、車線逸脱による事故予防に貢献する“LDA(レーンディパーチャーアラート)”を採用した最新の予防安全パッケージ“トヨタセーフティセンス”が標準装備されるとアナウンスされていました。こちらは日本仕様も、同様の内容になるでしょう。

トヨタが“最重要モデルのひとつ”と位置づける新型RAV4。大ヒットを記録した初代や、人気が低迷して市場から姿を消した3代目など、いい時も悪い時も経験した歴史あるブランドですが、間もなく復活する新型はSUV人気の追い風を受け、日本でも再び大ヒットとなりそうです!

(文/&GP編集部)


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