まずひとつめが“カタチ”。
多くの冷蔵庫はキッチンに置かれていますが、ほとんどの場合、周りのスペースに余裕がない。そんなところにポタ電を置くとなると、スリムであることは必須条件になります。

「FridgePower」は冷蔵庫の上に置くことも想定して設計されています。サイズはW580×H75×D350mm。キッチンでの冷蔵庫の設置状況を考えると、おそらく最も余裕があるのは上。だからこそ厚さ75mmというのは重要です。また冷蔵庫によっては「周りに余裕を持たせて設置すること」となっている場合もあります。そのために、少し浮かせられる脚が4つ付属しています。さらに、壁掛け用のブラケットも付属しているので、縦に置きたいという人でも大丈夫です(ただし壁にネジ打ちが必要ですが)。
次は“自動切り替え機能”。
電気が供給されなくなったからといって、すぐに食材がダメになるわけではないですが、停電になったら自動でポタ電からの供給に切り替わってくれるのが理想です。

「FridgePower」のバッテリー容量は2016Whと大容量。最近の冷蔵庫は省エネ性能が向上していて、常に全力で稼働しているわけではないのですが、それでも電気を食うイメージはありますよね。では約2000Whならどの程度、稼働させられるかというと、容量500L以上となる消費電力約80~120Wの大型冷蔵庫で、なんと約15~20時間。容量300~450Lなら約20~30時間、動かせます。これを長いと見るか、短いと見るかは人それぞれですが、大規模災害で1週間以上電気がこないといったケースを除けば、多くの場合は停電時間を賄えるとも言えます。

できれば長時間もつようにしておきたいという人のために、「FridgePower」には拡張機能も付いています。「FridgePower」と同じ要領2016Whの拡張バッテリーパックが用意されていて、最大で3台まで追加可能。合計4台8064Whまで拡張できます。
ちなみに電力がシャットアウトされてから、「FridgePower」に切り替わる時間は10ms(0.01秒)以内となっています。

ここまで、冷蔵庫向けの機能を見てきましたが、いわゆる普通のポータブル電源としても使えます。出力ポートはACコンセント×2となってしまいますが、定格出力が1800Wと一般的な家庭のコンセントより高い出力なので、ほとんどの家電を使えるスペックです。
気になる寿命は4000サイクル以上で初期容量の約80%となっているので、4000回充放電しても8割の容量が使えるということですね。1日1回充放電で10年以上というのは心強い。

この長寿命を活かすとすれば、例えば、夜間の電気代が安い契約プランにしている人なら、電気代が高い昼間は「FridgePower」から冷蔵庫に電気を供給させて、夜間は冷蔵庫はコンセントからにし、その間「FridgePower」は充電させる、みたいな使い方をしても10年以上いけるということです。ちなみにこのようなフレキシブルな使い方は、専用アプリから簡単に設定できます。
バッテリーだからこそ気になる安全性ですが、使用温度範囲は充電時で0~40℃、放電時で-20~40℃となっています。冷蔵庫の上なんて熱くなりそうというイメージがありますが、この温度は「FridgePower」内のバッテリー深部で、深部まで温度が上がってしまう状況というのは通常はまずないうえに、ヒートシンクやエアフロー、センサーによる自動温度制御といった熱対策が行われていて、冷蔵庫上部に設置した状態での熱試験も行われており、温度上昇はなかったといいます。
ポータブル電源が普及し始めてまださほど時間は経ってはいないですが、それでもユーザーの使用状況や、機能が知られたことから使いたい状況などが整理されてきた印象です。そして表出してきたのが冷蔵庫を稼働し続けたいという要望なのではないでしょうか。
これまではアウトドア需要やいざという時の備えとしてだったわけですが、そこから一歩進んで、より解像度の高い使い方が見えてきたのかもしれません。
自分がいざ被災した時、被災はしなくても長時間の停電になってしまった時に、何が困るかを推測して、やっぱり冷蔵庫の中がダメになるのはかなり痛いと思ったのであれば、検討してみる価値はあるのかもしれません。
<文/円道秀和(GoodsPress Web)>
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