「OMO7大阪(おも) by 星野リゾート」を拠点にノスタルジックなカメラとともに巡る2泊3日のちょっとツウな大阪旅

ここ最近、家に居すぎて話題のアニメも、ドラマも見尽くした。さていよいよ何をしようかと思ったとき、チラリと目に入ったLOMO(ロモ)のカメラ。

見た目がかわいくて勢いで買った割には結構気に入っているインスタントカメラと、会社の先輩からもう使わないからと譲り受けたフイルムカメラだ。

ついさっきまで存在すら忘れていたくせに、思い出した途端溢れ出す写真欲。そして写真といえばやっぱり旅!

「よし、旅行しよう!」

どこへ行こうかな、なんて考える時間も楽しいけれど、実は前々から気になっていた面白いホテルがある。それは、星野リゾートが手掛ける「OMO(おも)」だ。

“テンションあがる街中ホテル”をキーワードに、星野リゾートとはまた違った魅力のあるホテルなんだそう。どうやら、2022年の4月にオープンしたばかりのおニューなOMOが大阪にあるらしい。一度泊まってみたかったし、行き先は大阪に決定!

パッと思いついた一人旅。よっしゃ、OMOを拠点に大阪旅をLサイズの“OMOい出”にするで〜!

【Day1】新しい大阪に出会う旅の始まり

東京駅からのぞみに乗って2時間半。定番のシウマイ弁当を食べ終わってうとうとしていると、終点を知らせる車内アナウンスが聞こえてきた。

実に3年ぶりの大阪。といっても、前回は香川県へうどんを食べに行ったときに中継しただけだから、ちゃんと大阪で過ごすのは本当に久々だ。

一歩足を踏み出せば漂ってくる、大阪のなんともいえない空気感。たこ焼きを食べたい気持ちを抑えつつ、チェックインの時間も迫っていたので、ひとまず「OMO7大阪 by 星野リゾート」へ向かった。


「OMO7大阪」の最寄り駅は、JRの「新今宮駅」もしくは地下鉄「動物園前駅」だ。

新大阪駅からだと乗り換えなしで「動物園前」駅へ行けるから、今回は地下鉄御堂筋線で動物園前駅まで。ってこの駅、久々の大阪だからつい忘れていたけど、かな〜りディープな地域だったはず。

どんな旅になるかとワクワクしていると、船の帆で覆われたような洒落たデザインの「OMO7大阪」がドドンとお目見え。

2泊3日の大阪旅、今日からお世話になります!

▼驚きに満ち溢れた新しい感覚の館内

▲エントランスを抜け、レセプションのある2階に向かうと、そこにはたこ焼きが描かれたトンネルが…。否応なく期待が高まり、非日常の世界へと誘ってくれる

▲トンネルを抜けると、全長約85mの開放的な空間「OMO ベース」がお出迎え。このパブリックスペースには、街の情報がつまった「ご近所マップ」に加えて、「OMO カフェ&バル」「OMO ダイニング」「ライブラリーラウンジ」など、大阪の旅を楽しくするディープな仕掛けが盛りだくさん。四季の移ろいを感じられる大きな窓も見どころ

ホテルに入る瞬間っていつもワクワクするけれど、「OMO7大阪」のパブリックスペースはワクワクを超える驚きと発見だらけ!

開放感溢れる髙い天井と広いスペースは、もはや室内であることを忘れしまうかのよう。たこ焼きにつまようじをプスッと刺したようなフロアランプとか、カラフルなチェアとか、インテリアひとつひとつにこだわりが感じられる。

建築が好きな人や、芸術に詳しい人ならもっと楽しめそう。

▲約35平米と広く、絶景のコーナーツインルーム:1泊63,000円~(1室あたり・税込・2食付き)。通天閣やあべのハルカスはもとより、遠く生駒山地まで見渡せる

▲客室は8タイプ全436室。写真は最大6人で宿泊できる約60平米の「いどばたスイート」。広々とした室内の壁一面には、大阪の代表的な観光スポットが描かれた「OSAKAボード」があしらわている。リビング中央には大きなテーブルを囲むようにソファが設置されており、さながら井戸端会議のようにワイワイ楽しめる

チェックインも済ませ、いよいよお部屋を拝見! 慣れないカードキーに少し手こずりながら部屋に入ると、目に飛び込んできたのは大きな2面の窓。

荷物を置くのもそこそこに窓際に向かうと、眼下に見える大阪の街並みにテンション上がりまくり。

お、あれは通天閣だ! あべのハルカスだって見える! 大阪のシンボルが部屋から見えるのって最高の贅沢。

・OMO7大阪の施設を見る

▼OMOレンジャーの案内で新世界へ!

▲OMOは宿泊者限定の“ご近所アクティビティ”が大充実。その土地を知り尽くしたガイド、通称「OMOレンジャー」が、文化や飲食店などを案内してくれるツアー「Go-KINJO」を毎日開催。いずれも事前予約が必要。予約は公式サイト及び、空きがあればフロントにて当日予約もOK。1人から参加可能

今回の旅の目的は大きく2つ。ひとつはノスタルジックなカメラで思い出を残すこと。もうひとつは、これまで知らないエリアを旅すること。

後者は結構難しい。ふらふらと街を見て回るだけでも楽しいけれど、知っていないといろいろ見逃してしまうだろうし、かといって誰もが知っている観光地に行っても何だか物足りない。

そんなときに頼りたいのが、OMOならではのサービス「Go-KINJO」だ。その土地のディープな情報を“ご近所ガイドOMOレンジャー”がつきっきりでガイドしてくれるというもの。

ということで、1日目に予約したアクティビティは「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」。

新世界ってよく耳にするけど、なんとなく近寄りがたいイメージもあってこれまで行ったことなかったんだよな。ひとりで回るのはちょっとハードル高かったし、誰かが付き添ってくれるのはとても心強いかも。

▲OMOレンジャーのユニフォームは篠原ともえ氏がデザイン。ネイビーを基調とした洗練されたデザインのジャケット、シャツ、パンツで構成されたスタイルだ

「こん↗にち↘は〜!」と、活気のある挨拶とともに颯爽と現れたOMOレンジャー! あ、大阪に来たんだなと改めて実感するイントネーションに心踊る。

さて、本日のアクティビティは「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」。16時スタートで、1時間程度、新世界エリアをぐるりと案内してくれるツアー。新世界で知っていることといえば、通天閣があることくらいだから楽しみだ。

ちなみに、ツアーは「ほな、いこか」ポーズでスタートするそう。OMOレンジャーに「ノリいいやん」って思われたいし、ここは一発、全力でポーズ!

「それではご一緒に!」

「ほな、いこか〜!」

▲かつては数店あった将棋クラブも、現在残っているのは1店のみ。今も昭和の香りを残す

OMO7大阪から歩いて10分程で到着したのは「ジャンジャン横丁」。

「正式名称は南陽通商店街といいます。戦後、お店の呼び込みに使っていた三味線の音が“ジャンジャン”と響いていたことからジャンジャン横丁と呼ばれるようになったそうです」。

なるほど、街を案内してくれるだけでなく、土地の由来や歴史を解説してくれるのはとても楽しい。

▲スマートボールや射的ができる店が散見される新世界は、街全体が縁日のよう

幅3メートルくらいのアーケードの左右に、串カツ屋さん、射的場、囲碁将棋クラブ、レトロゲーセンなど、バラエティに富んだお店が立ち並ぶ。

ちなみに、筆者の地元は鹿児島県。「天文館」という商店街はここまで賑わってはいないものの、ところどころリンクする風景があり、少し懐かしい気持ちになった。

▲通天閣が見えるこの場所で、お決まり(?)のポーズの写真を撮るとか、撮らないとか

その後も、ジャンジャン横丁にある「てんぐ」という串カツ屋さんは毎日行列ができるほどのお店であるとか、そもそも新世界は徳川時代の旧世界に対する名前であるとか、新世界やその土地ににまつわる話しを“広く深く”してくれた。

ジャンジャン横丁を抜けると、ギラギラしたネオン街と通天閣がお出迎え。残念ながら通天閣は現在“お化粧直し”中。ライトアップこそされてなかったものの、その存在感は健在だ。

まだまだ続く新世界さんぽ。次に案内してくれたのは聞き馴染みのない「新世界市場」というところ。OMOレンジャー曰く“100年以上続く商店街”だそうで、観光客もなかなか足を延ばさないエリアなんだとか。

「お兄ちゃん、見ていけへん?」なんてフランクに話しかけてくれたのは、漫画からそのまま飛び出してきたような、ザ・ヒョウ柄お母さん! ヒョウにトラにチーターと動物園もびっくりのアパレル店だ。

「いいのあんねん」と、出てくる出てくるお母さんの弾丸トーク。最終的に全面にヒョウがプリントされたTシャツを着て「ガオーッ!」と記念撮影。まるでアトラクションのように楽しいひととき。

OMOレンジャーに案内してもらわなかったら、ヒョウ柄のお母さんと絡む勇気はなかったし、地元の人とのコミュニケーションも取れなかった。こんな触れ合いができるのも、ツアーに参加したからこそ。

ちなみに店名は「なにわ小町」。見た目と似つかわしくない…といったら失礼かもしれないが、元々は浴衣を扱うお店だったと聞いて納得。

帰り際に「はい、飴ちゃん」と、最後まで優しく明るいお母さんだった。

大阪の下町、「新世界」の新たな一面を垣間見られた「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」。ひとりでは見過ごしてしまうような場所や、ちょっと入りにくいお店まで、OMOレンジャーのおかげですっかり新世界の虜になった。

見る景色すべてが新鮮で、ついつい多めにシャッターを切ってしまった気がするけど、それほどおもろい街だったということで!

・「ツウな新世界さんぽ」の写真を見る

▼ホテルのディナーで食の新世界に出合う

旅の楽しみといえば食事、特に夕食はその日のメイン!

ここ「OMO7大阪」は、食事にも相当力を入れていることは知っていたから、1日は夕食付きのプランを予約していた。

メニューは、2種類のコースからひとつを選択する形式。ひとつは「Naniwa KUSHI Cuisine(なにわ 串 キュイジーヌ)」、もうひとつは「Naniwa Neo Classic(なにわ ネオクラシック)」。いずれも、「大阪の食の本質を表現する」をテーマに、大阪の郷土料理や大阪で馴染みのある素材をフランス料理にアレンジしているんだそう。

今日は新世界に行ってきたし、大阪の文化をもっと知りたいなと思ったから、郷土料理ベースの「Naniwa Neo Classic」をチョイス!

▲メニューは8種類。大阪の郷土料理として親しまれている「箱寿司」からはじまり、ふぐのお造り「割鮮」、鰻料理の「半助」など、見て楽しい・食べて美味しい料理のオンパレード

出てくる料理は驚きの連続! ひとつひとつが丁寧に作り込まれていて、演出も凝っている。五感で楽しむとはまさにこのことだ。もちろんお味も素晴らしいことこの上なし。

8種類のメニューを楽しんだなかで、個人的なMVPは一品目の「箱寿司」。彩り豊かな魚介類の下には酢飯ではなく、アボカドやクスクス、ジャガイモなどを層にしたもので、新感覚のお寿司だった。

ちなみに、アルコールのペアリングもお願いしたのだけど、これがまた絶品。一品一品とのマリアージュはもちろん、それぞれのワインが個性的で、オーダーして大正解でした!

・驚き満載ディナー料理の数々

▼1日の締めは大阪の地ビールとたこ焼きで

「OMO7大阪」はご近所アクティビティだけでなく、施設内アクティビティも充実。この「PIKAPIKA NIGHT」もそのひとつだ。なんと無料で地ビールと出来たてのタコ焼きを振る舞ってくれる太っ腹なサービス。

クゥー! 風呂上がりにキンキンのビールとアツアツのたこ焼きなんて最高だね。ちなみに、夜10時までやっているから焦らずゆっくり楽しめるのもうれしい。

▲宿泊時は花火だったが、2月28日までは「PIKAPIKAふぐナイト」が開催され、ガーデンエリア「みやぐりん」には全長5メートルのふぐ型テントが設置され、外装膜にはふぐをテーマとした光の演出が施される

そして21時50分からは「PIKAPIKA ファイアワークス」!

ホテルを覆う外装膜に仕込んだLEDライトを利用した演出らしく、ほのかに聞こえてくる花火の音と相まって臨場感はなかなかのもの。夕食後は部屋でダラダラしがちだけど、「OMO7大阪」はエンターテイメントに溢れていて、夜も退屈しないって素晴らしい!

明日もたっぷり楽しみたいから、今日はこの辺でおやすみなさい。

【Day2】大阪の文化に触れる1日

広い窓から入る柔らかい空の明るさに誘われて、目覚めスッキリな2日目の朝。昨日は曇天だったのに、部屋からは大阪のシンボル通天閣がくっきり。なんだか縁起良さそう!

さて、今日も今日とてご近所アクティビティを活用して大阪を楽しもう。ということで、「ええだし出てますわツアー」を予約済み。

大阪といえば“天下の台所”とか“食いだおれ”とか、食にまつわる文化がどこよりも栄えている。特に、日本人にとって「出汁」は文化そのもの。なんて考えながら待っていると、笑顔たっぷりのOMOレンジャーが参上! よろしくおねがいします!

▲ツアーの始まりは、元気よくお決まりのポーズで!

OMO7大阪から歩いて約15分のところにある「木津卸売市場」というところに連れて行ってくれるらしい。なんでも300年以上歴史を誇り、今なお150店舗あまりがひしめき合う活気溢れる市場だというから驚きだ。ちなみに銭湯もあるんだとか。

さて、そろそろ出発みたいだが…もしやこのパターンは!

「それではツアーをはじめる合図をご一緒に〜!」

やっぱり!

でも、今回は「ほな、いこか」ではなかった。

OMOレンジャー:「元気ー?」

ご一緒に:「“ダシ”て!」

木津卸売市場に到着。なお、このときの時刻は8時過ぎ。

市場で働いている人たちもまだ多く、あちこちで台車のようなモノで食材を運んでいる。「でっち」と呼ばれる手押し車で、木津市場ではよく使われるモノらしい。

なお、月に2回朝市が開催されるそうで、セリを体験できたり、新鮮な魚介を安く買えたりするチャンスもあるという。

“大阪出汁を知るには昆布から!”や、“伝統の味!なにわもんのお野菜”など、大阪出汁文化の理解がより深まる7つのテーマに沿いながら、OMOレンジャーが店を案内してくれた。

写真は木津市場で3店舗ある鰹節店のひとつ「平松鰹節店」。お店の入口から良い香り漂う老舗だ。

恥ずかしながら、今まで削り節はすべてカツオだと思っていた。マグロやサバなど、扱う魚は多岐にわたるそう。

そして店主のご厚意で、生まれてはじめて削りたての花かつおを試食させてもらった。1枚1枚は薄くて頼りないのに、口に入れた途端に広がる濃厚な香り! 大阪だし文化の原点を垣間見た気がした。

ほかにも、かすうどんの「油かす」が売っている精肉店や大阪の伝統野菜を扱う八百屋など、だしのみならず大阪の食文化そのものの見識が深まった気がする。そして何より、お店の人としっかりコミュニケーションを取れて、ツアーに参加して本当に良かった。

OMOレンジャー、おおきに!

・「ええだし出てますわツアー」の写真を見る

▼街をぶらぶら探索!大阪の生活をのぞく

「OMO7大阪」のアクティビティはどれも充実していて、色々学べることも多く本当に楽しい。だからといってはなんだけど、夢中になりすぎてついつい写真を撮ることを忘れてしまうんだよな。

実は夜にまたひとつご近所アクティビティを予約したんだけど、それまでは時間があるから、心ゆくまでLOMO片手に新世界をぶらぶら探索してみよう!

まだ午前中だからか、人通りもまばら。

閑静な場所というよりは“まだ街が起きてない”って印象だ。これ幸いと、街並みをパシャパシャ。昔ながらのレトロな喫茶店とか、1回500円の弓道場、スマートボールという謎のアミューズメント、ムフフな映画館とか、歩けば歩くほど新世界は“オモロイ”場所ばかり。

あ、そういえば結構な頻度でビリケンさんを見かけた。大きいビリケンさんに小さいビリケンさん、こちらに背を向けているビリケンさんなど、バラエティに富んでいる。

でも顔がちょっとずつ違っているから、ビリケンさんチェックも面白い!

ビリケンさんで思い出したけど、新世界といえばやっぱり通天閣!

「特別屋外展望台」のチケットを買って、地上94.5mの高さから大阪の街を一望。さすがに怖くて、下は見られなかったけど、高いところから見る景色は東京とそこまで変わらず、人の暮らしが街を作るのだなと改めて感じた。

上から「OMO7大阪」を見つけたとき、知っている場所があるっていいなって、ちょっと嬉しかった。

・OMO7大阪周辺の散策風景

▼串かつの世界にどっぷり浸る

新世界探訪に夢中になっていたら、そろそろいい時間。

昨日はホテルで夕食を楽しんだし、今日は食い倒れならぬ飲み倒れだ!

新世界といえばやっぱり串カツ。自分で店を探すのもいいけれど、結局スマホに頼ってしまいそうだし、信頼できる詳しい人に聞くのが一番! というのはこれまでの経験が物語っている。

ということで、OMOレンジャー、出動お願いします!

アクティビティ名は「めっちゃ串カツどっぷりツアー」。OMOレンジャーが厳選した串カツ屋さんに一緒に同行してくれるツアーだ。なお連れて行ってくれるお店はOMOレンジャーが実際に行って、食べて“ここはみんなに教えたい!”というお店だけ。これは期待大!

1軒目は通天閣のほぼ真下に店を構える「串カツ 大将」。正直飲み屋ってひとりで入るのはなかなか勇気がいる。しかも知らない旅先で…。そんな時もOMOレンジャーがいてくれるおかげで素敵なお店を知れるし、店主とコミュニケーションも取れるしで良いこと尽くめ。

さらに、OMOレンジャー曰く「めっちゃ串カツどっぷりツアー」で行くお店には、「OMO7大阪」のためのお得なセットメニュー「OMOセット」があるそう。

内容や価格はお店によってさまざまだが、「串カツ 大将」では、自慢のどて煮、おすすめの串カツ4本、ドリンク1杯のセットが1000円という破格っぷり。もちろん、追加で自由に串焼きやお酒も楽しめるので、まずは腹ごなしにOMOセットからはじめるといいかもしれない。

次に案内してくれたのはジャンジャン横丁にある「串かつ 王将倶楽部」。元々は将棋クラブだったところを串カツ店にリバイバルオープン。実に70年以上の歴史を誇る将棋クラブだったそうで、店内の至るところに当時の名残が残っていた。

さて、大将に引き続き、ここでもOMOセットを注文。内容はどて煮、おすすめ串カツ3本、デザート、ドリンクが付いて1500円。定番から創作系まで、歴史ある店構えとは裏腹に一風変わった絶品串カツを心ゆくまで楽しんだ。

ひとりでは中々入れないお店も、OMOレンジャーがいれば問題なし!

どちらもまた行きたいと思うお店だったから、今度新世界に来たときはOMOレンジャーに頼らずにひとりで飲みに行ってみようかな。

・新しい味に出会える「串カツツアー」

朝は静寂だった街が活気に溢れていて、あちこちから笑い声が聞こえてくる。ビリケンさんもどことなく、いつもよりニッコリしているようだ。

そんなことを思いながら、ほろ酔い気分で帰路につく。

【Day3】チェックアウトまでフルに満喫!

楽しかった旅も、とうとう最終日。

なんと朝から「なにわめぐり体操」という「OMO7大阪」オリジナル体操を行っているというから参加してみた。“通天閣ポーズ”とか“たこ焼きポーズ”とか、名前はゆるっとしているのに意外とキツイ。

でも、連日飲んだり食べたりして、ちょっと体もダルダルしてきた頃だったからちょうど良かったかも。外はびっくりするほど寒かったけれど、体操が終わる頃には体もポカポカ。あれ、お腹が空いてきた。

▼“目福”“舌福”の満腹朝食!

なにわめぐり体操のおかげでお腹は準備万端。さー食べるぞ!

朝食はビュッフェスタイルで、和食・洋食いずれも大ボリューム!

食にこだわる「OMO7大阪」ならではって感じ。品数が多いだけでなく、目の前で「ねぎ焼き」を焼いてくれるなど、ライブ感も実に楽しい!

昨日「ええだし出てますわツアー」で出汁について勉強したし、うどんもいただきます! 朝から粉ものってちょっと重いかなって思ったけど、関西の出汁はスッキリしているからスルスル食べられちゃう。

いや〜“ええだし出てますわ〜”。

2日いても全メニューどころか半分も制覇しきれないほどの充実っぷり。やっぱり2日続けてねぎ焼きを食べたのがいけなかったかなあ。

でも、甘くて大きなねぎと、ぼっかけ(牛スジとこんにゃくをしょうゆと生姜で煮込んだもの)のコクがマッチしていて、ついリピートしちゃったんだよね。ごちそうさまでした!

・朝から満腹!食べきれないほどの朝食メニュー

▼チェックアウト後でも楽しめる懐の深さに感激!

OMOベース内のカフェスペースで、食休みを兼ねてメールチェック。半個室になっていたり、机に電源タップがあしらわれていたりと、作業に集中できる環境が整っているから、ワーケーション利用にもうってつけ。

ちなみに、チェックアウトした後も使えるという寛容さ。

ちょうど平日だったから、出発までにやらなきゃいけない作業があって大助かりでした!

ご近所アクティビティ前後に、随分お世話になった無料で使えるロッカールーム。こちらも同様にチェックアウト後でも使えるので、一旦荷物を預けて大阪観光へ、なんて使い方もアリ。

*  *  *

人生で何度目かの大阪だったけれど、この2泊3日の旅で訪れたところはすべてが初。それでもこんなに充実していたのは「OMO7大阪」のおかげなのはいうまでもない。

館内施設でまったりしたり、ご近所アクティビティで知らないところへ連れて行ってくれたり、ちょっとした親戚の家に来た感じ。街中にあるホテルとは思えない別世界

そしてもうひとつ、LOMOのカメラが旅に目的と彩りを加えてくれた。大阪の下町感溢れる新世界にアナログなカメラって、たまたまにしては結構センス良かったんじゃないかな。ちょうどフイルムも使い切ったことだし、そろそろ帰ろうかな。

ほな、また!

【OMO7大阪 by 星野リゾート】
◆住所:大阪府大阪市浪速区恵美須西3丁目16-30
◆アクセス:JR・南海電鉄「新今宮駅」目の前、Osaka Metro御堂筋線・堺筋線「動物園前駅」・阪堺電気軌道「新今宮駅前駅」から徒歩3分
◆宿泊料金:ツインルーム1泊6万1000円~(1室あたり・2食付き)、いどばたスイート1泊109,200円~(1室あたり・税込・2食付き) ほか
◆客室数:436室
◆OMO予約センター:050-3134-8095

>>OMO7大阪 by 星野リゾート

<取材・文/若澤創 写真/五十嵐真(IGASTA)>

※  ※  ※

■【番外編】楽しかった大阪旅メイキング

OMO7大阪を拠点に巡った大阪旅。紹介しきれなかった施設やツアーを、写真とともに紹介します。

■OMO7大阪は滞在するだけでも楽しい施設が充実

OMO7大阪 by 星野リゾートは、館内を巡るだけでも楽しめる、落ち着ける施設が充実していました。

パブリックエリアの「OMOベース」には、チェックイン・チェックアウトカウンターやレセプションのほか、ライブラリーラウンジ、ショップ(営業時間:8:00-22:00)
OMOカフェ&バル(営業時間:7:00-22:00)、OMOダイニング(営業時間:7:00-10:00/12:00-14:00/17:00-21:00)が広がっている、まさに拠点となる場所。

館内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、高さ約4メートル、幅約6メートルの大きな壁面ボード「ドでかOSAKAボード」。ツアーの出発はここから始まります!

「ドでかOSAKAボード」の下にある「ご近所MAP」には、ところ狭しとご近所の情報が貼られています。OMOレンジャーが収集した最新情報が、随時更新されていくそう。

大きな窓が広がるラウンジ。目の前は開け、都会とは思えない四季の移ろいを感じられます。夜になるとここで『「なにわ」ってなんやねん講座』が開催。

明るいトーンで日が差し込んでくる、爽やかなカフェテリア。宿泊者以外も利用できるので終日、賑わっています。

夕食が提供される、レストランOMOダイニング。アクセントの、お月様をモチーフにした丸いライトがやさしく照らします。

大阪の本が揃うライブラリーラウンジ。落ち着いた雰囲気で、ゆったりと過ごすのにもちょうどいい。横にはショップも併設されています。

OMOカフェ&バルの横にある大人気のセミ個室は、ちょうどいい具合のこもり感で居心地がいい。2つのみなので争奪戦は必至!

6名まで泊まれる「いどばたスイート」。四隅にベッドスペースがあり、それぞれ間仕切りが設けられているため、プライベート空間を確保できます。

壁面に描かれた「OSAKAボード」を見ながら、どこに行こうかくつろぎながら井戸端会議をするのも贅沢なひと時です。

宿泊者が利用できる湯屋6:00‐10:00/15:00~24:00)。天窓にはガラスがなく、差し込む光と外気を全身に浴びながら入浴できます。

ガーデンエリア「みやぐりん」では、大阪をテーマにした「なにわネオンアート」の装飾が飾られた宿泊者限定の“PIKAPIKA NIGHT(ぴかぴか ないと)”が、20:00-22:00で催されています。

小さな提灯を持って、ガーデンエリア「みやぐりん」を浴衣でそぞろ歩きできます。

PIKAPIKA NIGHTに設置されている「湯上がりご近所スタンド」では、なんとたこ焼きやクラフトビールがふるまわれ、ちょっとしたお祭り気分を味わえます。

・「驚きに満ち溢れた新しい感覚の館内」へ戻る

■目もおなかも幸せになれるディナー料理の数々

OMO7大阪の売りのひとつである食事。OMOダイニングのコースディナー(要予約:17:00‐21:00)は、大阪の食文化を深掘・発掘をすると見えてきた「豊富な食材」「自由闊達」「合理精神」という3つのキーワードを軸に考案されたそう。

Naniwa Neo Classic(1万3000円)は、大阪の郷土料理をフランス料理の技法を用い、アレンジした華やかな料理。大阪に根付く食文化に敬意を払いつつ、イメージを覆す革新的な全8品のコースです。

Naniwa KUSHI Cuisine(1万3000円)は、大阪の風情を色濃く残す「新世界」の名物「串カツ」から着想を得たコース。一般的にイメージする串カツとは異なり、味も見た目も大胆かつ繊細にアレンジした全8品を味わえます。

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■全種類は食べきれない!絶品モーニング

OMO7大阪の朝食は、OMOダイニングでのビュッフェと、OMOカフェ&バルでのモーニングが選べます。

OMOダイニングの朝食ビュッフェは、和洋中さまざま。見た目にも美しくどれも甲乙つけ難いものの、その場で作ってくれる、だしの香り立つきつねうどんや香ばしく肉厚のねぎ焼きはマストで食べたい一品です。

OMOカフェ&バルで提供されるのは、5種類から選べるメインプレート。特に、クロックムッシュに厚焼き玉子がのった「クロックおかん」は、名前もさることながら目から鱗の美味しさ。OMOカフェ&バルにするか、OMOダイニングにするか、迷うところです。

OMOカフェ&バルは10:00からカフェメニューにチェンジしますが、たこチー、いか焼き、どて煮トルティーヤなど、アレンジに大阪らしさを感じます。

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■参加すれば世界が広がる「ツウな新世界さんぽ」

「OMO」の特徴のひとつが、OMOレンジャーがご近所を案内してくれるご近所アクティビティです。「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」は、通天閣やジャンジャン横丁など、大阪の下町として知られる「新世界」を、ご近所ガイドOMOレンジャーと散歩しながら巡るツアー。参加無料で、1時間程度なので、参加しない手はありません!

OMOレンジャーが、街の解説をしながら案内してくれます。初めて訪れるエリアを把握するのにも最適。

初代通天閣の天井に広告を出していたクラブコスメチックス、旧「中山太陽堂」。現在、当時あしらわれていた商品名とともに『花園に遊ぶクジャク図』として復刻され、通天閣の天井に見ることができます。

大阪らしい、ヒョウ柄、虎柄が揃う「新世界市場」の衣料品店。品揃えは驚くほど豊富で、お母さんの人柄が最高です!

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■だしについての理解が深まる味わい深いツアー

大阪木津卸市場を中心に、大阪の「だし文化」について学ぶ「ええだし出てますわツアー」。だしにまつわる7つのポイントを説明しながら回るので、だしや食文化についての理解が深まります。

だしについてちょっとでも触れたせいか、自分が食べているものに興味が湧いてきました。

鰹節はもちろん、他の素材の削り節の特徴や削り方など、さまざまな話を聞かせてもらえます。

店主とパチリ。地元の方との触れ合いができるのもご近所ツアーの醍醐味です。

大阪の街や文化を知れる、「なにわ」ってなんやねん講座。その道のプロが、見どころや楽しみ方を教えてくれます。今回、「ええだし出てますわツアー」に行く前に、木津卸売市場の話を聞いたので、だしツアーがより楽しめました。

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■新しい串カツに出会える「串カツツアー」

お店はもちろん、地元ならではの串カツにまつわるルールやマナーを伝授してくれる「めっちゃ串カツどっぷりツアー」。

「串カツ 大将」最後のOMOセット最後の1本、揚げてあるのはまさかの食材。柔らかく、酸味があって、口の中がさっぱりします。行った際にはぜひご賞味あれ!

もちろん、セット以外のメニューをオーダーもできます。お酒飲みにはたまらない、どて焼きも絶品です。

2軒目に入ったのは、かつて将棋クラブとして栄えた「串かつ 王将倶楽部」。日本酒が豊富ですが、レモンチューハイもこの通り圧巻です。

最後の締めは、デザート串。バームクーヘンと揚げまんじゅうから選べます。どちらも美味ですが、美味しすぎてお腹回りが気になります。

2階に上がると、かつて将棋クラブだった名残が見られます。飴色になった将棋盤は現在、テーブルとして使われているそう。

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■OMO7大阪周辺にはオモロイ場所がいっぱい

OMO7大阪の周辺は、下町風景が残る趣のあるエリア。写真欲を刺激する被写体があちこちにあり、散策しているだけでも楽しい。

足を運んでみれば、その奥深さがクセになるはず。

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■大阪ならではの食を楽しむべし!

食い倒れの街・大阪は、庶民的な食のバリエーションも豊富。そのひとつが、牛のホルモンを加熱し、食用油脂を搾り取った後の残り“かす”を入れた、かすうどん。

シンプルな中に、だしの旨味とかすの旨味が調和して、見た目あっさりなのに、しっかりとコクがあるうまさです。

そんな油かすも、木津卸売市場に行けば入手可能。丸ごとの状態で売っているのは、大阪でも珍しいとのこと。見つけたら買いかも。

もうひとつはソース。イカ焼き、たこ焼き、お好み焼きに欠かせない調味料だが、種類が半端ではない。木津卸売市場にあるスーパーに置いてあるソースの種類はなんと100種類超だとか。家の味というよりも、個々に好みの味があり、冷蔵庫にはそれぞれのマイ・ソースが常備されているとか、いないとか。

▼今回撮った旅のアルバム

街を歩いて色々撮ったけど、見るまで撮れているかどうかが分からないところがアナログカメラの魅力。

この待つ時間が心の余裕を取り戻してくれたし、何をどう切り取るか考える大切さを今回の旅では気づかせてくれた気がしました。

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