【STI試乗】傑作パーツで武装したレヴォーグの走り=雨中でも頼もしい!

■レヴォーグ1.6GT-Sアイサイト+STIパフォーマンスパッケージ

_MG_1878c試乗車に装着されていたSTIパフォーマンスパッケージは、レヴォーグの純正アクセサリーカタログにも掲載されるメーカー公認のセットオプション。前後左右のアンダースポイラーを合わせた「STIスタイルパッケージ」(14万7960円)に、エンジンルームの上下に付けるボディ補強パーツ「STIフレキシブルタワーバー」と「SITフレキシブルロースティフナー」、それに、フロントアンダースポイラーの下に生える「STIスカートリップ」を加えたもの。

STIが提案する空力の良さと、ハンドリングのしっかり感を具体化した証として、ボディサイトとリアには“STI performance”のエンブレムが付けられます。ノーズ部分の最低地上高が約50mm下がるほかは、クルマ自体の使い勝手の良さに変わりはありません。

道路のところどころで豪雨による川が流れているような状況下、STIのパーツでチューンされた4輪駆動のレヴォーグは、ホント、頼りがいがありました。印象的だったのは、そのスムーズな乗り心地。フロント部に装着されたタワーバーとスティフナーは、ボディをただ硬めるだけではありません。乗り心地に影響する縦方向の入力は適度に逃がし、一方、車体の変形をもたらす横方向の動きはしっかり抑え込む。そんな考え抜かれた補強パーツなんですね! ステアリング操作に対するクルマの応答性がグッと増す魔法の(!?)アイテムです。

聞くところによると、フロントサスペンションの頂点部をつなぐ「STIフレキシブルタワーバー」(単品で3万5640円)は、2007年夏の発売以来、この手の製品としては異例ともいうべき、7万本を超える出荷を記録しているとか! 走りの良さにも納得です。

まさに“大人のチューニングカー”の見本のようなレヴォーグ STIパッケージ装着車。通好みの渋〜い性能アップを実現しながら、ベース車両比でのルックス面の変化は、クルマに興味がない人にとっては「ちょっと凛々しいな!?」くらいのもの。ですから、家庭内に厳しい大蔵大臣を抱えるパパたちには、ピッタリの選択肢かも! ちなみに、STIパフォーマンスパッケージは、写真の1.6リッターモデルのほか、2リッターモデルにも装着可能です。

<SPECIFICATIONS>
☆1.6GT-S EyeSight STIパフォーマンスパッケージ装着車
ボディサイズ:L4690×W1780×H1490mm
車重:1550kg
駆動方式:4WD
エンジン:1599cc 水平対向4気筒ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:170馬力/4800〜5600回転
最大トルク:25.5kg-m/1800〜4800回転
価格:305万6400円
※STIフロントアンダースポイラー装着車は、全長が約20mm延長となる

■スバル BRZ tS

_MG_1930b以前、&GPで試乗レポートを掲載したスバル「BRZ tS」(399万円〜)も、もちろん参加していました。BRZ tSは、新開発のボディ補強パーツ「STI製フレキシブルVバー」に加え、大径化したドライブシャフト、オイル容量を増加させた「STI製ビルシュタインダンパー」、さらに「STI製ブレンボブレーキ」などで、足回りやストッピングパワーを強化したモデル。300台限定の特別仕様車です。

さて、BRZ tSの目玉パーツであるフレキシブルVバーは、将来的にレヴォーグにも採用されるのか……?

スタッフにうかがったところ、採用の予定はないそうです。いうまでもなく、レヴォーグは4WDモデルなので、前輪の車軸とバルクヘッド(エンジンルームとキャビンを隔てる壁)の距離が短い。そのため、ダンパー取り付け部を左右に結ぶ現行のタワーバーのカタチで、十分に剛性アップの効果を得られるのだとか。

逆にいうと、FRモデルのBRZは、前輪車軸とバルクヘッドの距離が遠いので、補強用のバーを左右に分けて、それぞれをバルクヘッドに繋げる必要があったというわけ。当たり前ですけど、ちゃんと効果を考慮しての設計が行われています。

姉妹車であるトヨタ「86」のTRDチューンモデル「14R」が、購入後にさらにオーナーが手を入れることを前提にしているのに対し、BRZ tSは「これがSTIからの回答だ!」と、コンプリートモデルの良さを前面に押し出しています。そんなところも、スバルファンには堪らないのでしょうね。

すでに限定販売台数の半分ほどが売約済みというBRZ tS。購入を検討中の人は、決断を急いだ方がいいかも!
(文&写真/ダン・アオキ)

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