■実際に走って分かった特性の違い

さて見た目の違いはパッと見た目にも分かりましたが、実際に走ってその差が分かるか? ということですが、素人でも分かるくらいまったく違いました!
■走るというよりも跳ねる「TenNine」

足を入れた瞬間に違うのが、ホールド性とクッション性。TenNineは、アッパーが軽く柔らかいメッシュ素材ということもあるのでしょうが、足の甲がガッチリとホールドされている感覚はありません。どちらかというとフワッと包まれている感じです。
対するSPEEDGOAT 4はしっかりと足をホールド。足が固められるている感じです。
クッション性についても同様に、TenNineが柔らかめで、SPEEDGOAT 4が硬め。

見た目のインパクトは強烈ですが、走り始めるとヒールはまったく気になりません。
うまく言えませんが感覚的には、ヒールから着地し、ソールが弓なりになり、そのまま前にジャンプするように押し出されるよう。なので1歩が大きく、ポンッ、ポンッ、ポンッと大地を跳ねるような感覚です。実際にタイムを計っていないので速くなったかは分かりませんが、感覚値でいうと同じ距離でも歩数は少なく、疲労度は軽かったように思えます。

もう一つ思ったのが、路面の状況を感じにくいということ。これはソールの厚さによるものか分かりませんが、多少傾いていようが、凸凹であろうが、普通に走れるのです。なので包まれるような柔らかなホールド感でも、足首がブレる感覚がありませんでした。
■しっかりと大地をつかむ「SPEEDGOAT 4」

一方のSPEEDGOAT 4はアッパーが、足全体に吸い付くように密着。走る装具のようで、しっかりとホールドし高い安定感を誇ります。そして、足を運ぶたびに大地をグッとつかんで蹴り出して、推進力を得るイメージ。
走ってみると、なるほど足首がぐらつく心配もないですし、しっかりとグリップするのでトレランシューズというものはこういう感じなのかというのを実感できます。
トレランシューズの存在意義を確かめられました。

走って感じる大きな違いは、路面を感じる点と走り方です。SPEEDGOAT 4のソールは厚いものの、足が固められているためか路面の状況が足に伝わります。つまり斜面では、足も斜めになるため、体をそれに合わせて走る必要があります。しっかりとトレランを練習しないと履きこなせない感じがしました。
もう一つは走り方というか、1歩の違い。
例えるのは難しいのですが、写真にフキダシを付けるとすると、TenNineが「ポンッ、ポンッ、ポンッ」、SPEEDGOAT 4は「ザクッ、ザクッ、ザクッ」といったイメージです。
SPEEDGOAT 4はぴったりフィットし、走りやすかったのですが、走りにおける1歩が、“いつもの1歩”でしかないということ。跳ぶように走るTenNineと比べると、SPEEDGOAT 4は感覚的には普通のランニングシューズと変わりません。つまり自分が速くなったんじゃないかという幻想は感じられず、自分の実力なりにしか走れません。
今回履き比べてみて、素人ながら、マラソンにおいて厚底シューズがブームになったのがわかる気がしました。そして「TenNineは、シューズというより、スキーブーツやサイクリングシューズのように、トレラン専用のギアです」という注釈が入っているのも理解できました。扱える人ではないとオーバースペックすぎて、履きこなすことは難しいシューズと言えます。
TenNineは次世代を見据えて作られた第一弾であり、今後トレランシューズにもマラソンと同様に新しい時代が来ることを体感。ちょっとトレランにハマりそうです。
>> ホカ オネオネ
※取材・撮影は3月20日です
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(写真・文/澤村尚徳<&GP>)
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