SWISS TECHのマルチツール「マイクロマックス19-in-1」はキーホルダーサイズの道具箱!

▼シンプルかつ斬新なプライヤー

構成パーツは主に3つ。中心のプライヤー部と、その左右のドライバー部です。プライヤーを使う場合は、左右のドライバーツールを下げる。するとドライバー部がハンドル代わりとなり、プライヤーを開けられるようになります。ドライバー部がプライヤーの隣に位置するときは、物理的にプライヤーを展開できない構造です。シンプルですが、合理的で分かりやすい。

 

プライヤーは、先端部が「つかむ」作業につかうもの。その下が六角レンチになっており、プライヤーを閉じた状態が1/4 Inch(6mm)、 約15°開くと7/16 Inch(11mm)のボルトをつかめます。プライヤーには板バネなどはなく、開閉を頻繁にする作業には向いていません。あくまでもつかんで保持することを目的としたツールです。

ちなみに、完全にプライヤーを開くと栓抜きとしても使えます。

先端部には滑り止めの溝が切ってあり、対象をつかみやすくなっています。ですが、通常のプライヤーであれば動くはずのないハンドルが支点を中心に垂直方向に動かせるため、ひねる動作を伴う作業には使いづらさを感じるかもしれません。

例えば、釣り針などをつかんでハリスを通すような作業には適していますが、釣った魚から針を外す時などは、ちょっとコツがいるかも。ただこれは慣れの問題だとは思います。

 

▼豊富なドライバーキット

左右にそれぞれプラスとマイナスのドライバーが3種類の計6種類付いています。使用する際は、該当のツールを展開して使います。このサイズのマルチツールだとプラスとマイナスが各1個くらいしかないものが多いのですが、計6サイズそろっているのは珍しい。

日常のツールの中で最も活躍の機会が多く、機械、工具のメンテナンスに欠かせないドライバーが豊富であることは、携帯ツールとしてはとても素晴しいことです。

一般的なビット型のマルチツールに比べ、ドライバー部がそれなりに長いので、穴の奥にある小さなビスも締められます。トルクを強くかけることはできませんが、今すぐほんのちょっとでも増し締めしたい、緩めたい、という時には便利に使えますよ。

 

▼何気に便利なハンドドリル

ハンドドリルと言っても簡単な錐(キリ)のようなものです。先端がスクリュー状の突起になっており、穴をあけたいものにグリグリと押し当てて穴を作ります。合板など堅い部材にネジや釘を打つ際のキッカケを作れます。また、レザーや帆布などの丈夫なものに穴をあけるのにも便利です。ドリルはドライバーツールの内側に収納されており、折り畳んだ状態では指に当たったりするなどの事故は起こり難い構造になっていますので安全です。

 

▼弱電加工や針金の切断に適したワイヤーカッター

ワイヤーカッターはプライヤーの支点部の下にあり、0.9mmくらいの針金や銅線をカットできます。園芸やDIYの作業では充分に使えますね。あまり太くないワイヤーやケーブルであれば簡単に切ることもできます。

ワイヤーカッター下部は電気ケーブル被膜を取るためのストリッパーがあり、プライヤーの根本には圧着ペンチを装備します。こちらも本格的な電気工事には使えませんが、弱電用と考えれば充分かと思います。

 

▼ざっくり測れるスケール

ミリ単位とインチ単位のスケールが付いています。ミリなら最大65mm、インチなら2.625inまでざっくりとですが測れます。

*  *  *

ドライバー類が充実したキーホルダー型マルチツール、SWISS TECH「マイクロマックス19-in-1」。このサイズでプライヤーを収めたことも凄いですし、キーリングへの装着もユニークです。ビットやランヤードホールなど本体以外の付属品がなくても、キーリングに付けて携帯できる点が素晴らしい!

アーミーナイフのような折り畳み式に比べ、ドライバー類はフルスケールのドライバーの先端部をそのまま付けたような構造なので剛性感があり丈夫。また、このサイズでプラスドライバーが3種もあることは、日本での使用を考えると、かなりポイントが高いのではないでしょうか。

薄くてコンパクト。しかもナイフレスなので街でも堂々と携帯できます。日常で使う機会が多いであろうドライバー類を6種も装備しているので、活躍の機会は多いかもしれません。鍵束にただのキーホルダーを付けるくらいなら、この「マイクロマックス19-in-1」なんていかがでしょうか。

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>> [連載]男前マルチツールの世界

<取材・文/GOL>

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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