手のひらサイズのマルチツール「PockeTool 2.0」はプレートツールの進化形だ!

▲全展開した状態。全長は約19cm

折り畳みの要となる旋回軸は90度の角度でクリック感があり、最大180度展開できます。展開したプレートがそのままハンドルになるので握りやすく力が入れやすい。これは、ハンドツールにとって使いやすさを決定付ける重要なファクターです。

▲ナイフの刃渡りは約45mm

やや小ぶりのナイフを展開するとハンドル内側にあるバネ板が開いてブレードをロック。収納する際はそのまま折りたためるので強力なロック機能ではありませんが、使用上不都合はなさそうです。

ナイフは直刃と波刃のコンビネーション。布やロープを切る際は、旋回軸側にある波刃を使うと切りやすいですね。キャンプでも使えますよ。

▲直刃の切れ味は良好

先日キャンプでイカの干物を切りましたが、切れ味は良好。斬りにくいイカの身もサクサク切れました。この手のツールナイフは砥がないと切れないものが多いので、これはうれしいところ。

▲折り畳み式ならではの機能であるワイヤーカッター

一般的なプライヤー型のマルチツールであれば基部に装備されていますが、普通のプレートツールではまず付加することが不可能であったワイヤーカッターも装備しています。

プレートツールを繋ぐ旋回軸付近にあり、プレートを折り畳む動作を利用します。針金くらいのものであれば容易に切れます。薪を縛っていたり園芸などでも使うワイヤーを切れるので、アウトドアシーンでの活躍が意外と多いツールだと思います。

▲スポークレンチ

自転車やバイクの車輪で使われているスポークとリムを繋ぐニップルと呼ばれる部品を締める工具、スポークレンチ。1本でもスポークが外れたり、折れたりすると走行に重大な支障をきたす恐れがあります。そうなる前に定期的にチェックしたり、出先で異変を感じた時に対処するのに役立ちます。

▲六角ビット

ナイフと反対側にある着脱式の六角ビット。4mm、4.5mm、5mmのコンビネーションタイプで、ビットを差し込む箇所がプレート旋回軸付近にあるので、そこに差し込んでプレートを閉じて使うのだと思います。ビットの保持がシッカリしたものではないのでやや使い難さは感じましたが、ボルトを回すことはできました。専用工具を持ち合わせてない時に使えるかと思います。

▲六角レンチは6種類。写真に写っていない場所にも2種類付いている

プレートツールの定番ツールといえばレンチ。合計6種類のボルトに対応します。ボルトへのかかりは比較的きっちり。ハンドルが握りやすいので、カード型の物よりも遥かに力が掛けやすいのが特徴です。専用工具には敵いませんが、この手のプレートツールとしては段違いに使いやすいですね。

▲分度器

DIYで役立つ角度を計るためのツール。1メモリ22.5度 45度単位に長線が記されており、大雑把ではありますが角度が計れます。

▲定規(ミリ、インチ)

側面にミリ単位とインチ単位の定規があります。出先でちょっとした長さを計りたい時に便利。ちなみに私は潮干狩りの時に採って良いサイズの確認に使いました。普段スケールを仕事で持ち歩く人で無いかぎりあまり使わないかと思いますが、あると本当に便利に感じます。マルチツールを携帯する上で一番大事なのは“自分がなんのツールを携帯しているか”を把握できていることだと思います。

▲マイナスドライバー。モデルガンのメンテナンスに使ってみた

やや広めのマイナスドライバーがプレートの角にあります。力が掛けやすく使いやすいですね。塗料缶を開けるためのクリッパーとしても使えます。

▲プラスドライバー

マイナスドライバーの対角線上にプラスドライバーも付いています。マイナス同様、押し当てるようにしてトルクをかけるタイプのものです。頻繁に使うであろうツールはハンドルを展開しなくても使えるのが良いですね。

ハンドルを展開しなくても使えるツールとして他に釘抜き、プーリー、多目的レンチがあります。プーリーとは滑車のこと。鼓(つづみ)のような形をしたものがそれです。カラビナフックに荷物を吊るし、滑車を使って荷物を途河させたり、引き上げたりするためのものらしいですね。このマルチツールのエキセントリックさを際立たせる部分のひとつで、実際滅多に使うことはないでしょうが、存在感あるツールです。

分度器の隣にある多目的レンチは、蝶ネジやヒートン(末端がリングになったネジ)などを回すのに適したものになります。これは固く締まったネジを開ける時に便利。プライヤーほどの汎用性はありませんが、プレート状のものを回すには充分かと思います。

「折り畳む」というアクションを加えるだけでこんなにも使いやすいマルチツールに仕上げた「PocketTool 2.0」は、新しいプレートツールの新たな潮流を作り出すかも知れないアイテムではないでしょうか。

>> PocketTool

 

>> [連載]男前マルチツールの世界

<取材・文/GOL>

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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