【マツダ新CX-3試乗】MTで“走る楽しさ”を実感。ルックスも美しい

フロントに積まれるのは、マツダ自慢の“低圧縮”ディーゼルターボ。従来のディーゼルユニットより軽量化され、また、NOx(窒素酸化物)など有害物質の排出量が少ないという特徴があります。

マツダ CX-3 MT

シリンダー内に吹く燃料を細かく精密に調整できる“マルチホールピエゾインジェクター”の採用によって、低圧縮ディーゼルの課題だった始動性を確保。また、始動直後には、排ガスをわずかにシリンダー内に導入することで中の温度を上げ、安定したアイドリングを実現しました。そして、大小ふたつのタービンを持つ“2ステージターボチャージャー”が、低回転域からトルクを底上げし、スムーズな加速を手助けします。

105馬力/4000回転という最高出力はデミオと変わりませんが、1600回転から発生する最大トルクは、デミオのそれを2kg-mほど上まわる27.5kg-m。1300kgのボディを過不足なく運びます。

ステアリングホイールを握って走ってみると、低回転からトルキーなので、マニュアルギヤボックスでも気楽に運転できます。エンジンをブン回して加速していく…というマニュアル車ならではの楽しさは希薄ですが、一方で、時にズボラな操作をしても、4気筒ディーゼルが鷹揚に受けとめてくれるのが、ありがたい。

マツダ CX-3 MT

個人的には、いつまでも残ってほしい3ペダル式MT車ですが、「コレは対応が難しいかな」という場面もありました。それは、高速道路で“レーダークルーズコントロール”を使って前走車に追従していた時。速度の増減幅が大きいと、都度、手動でギヤを変えないといけないのです。何しろ、マニュアル車ですから。

マツダ CX-3 MT

AT車なら、巡航、減速、徐行から停止まで、クルマが自動でシフトするので、運転者はギヤを気にする必要がありません。今後、自動運転システムがどんどん普及するようになると、いよいよMT車が“動く化石”(!?)になってしまう…と、少々暗い気持ちになりかけて、「ハッ!」としました。

そもそも、運転する行為そのものを満喫するために、3ペダル式のMT車を選ぶのではありませんか! 安楽なドライブができないから、なんだというのでしょう!? 手足を動かして運転するMT車には、人が怠惰に流れるのを防ぐ効用もあるようです。

<SPECIFICATIONS>
☆XDツーリング Lパッケージ(6MT)
ボディサイズ:L4275×W1765×H1550mm
車重:1300kg
駆動方式:4WD
エンジン:1498cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6MT
最高出力:105馬力/4000回転
最大トルク:27.5kg-m/1600〜2500回転
価格:302万4000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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